なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

慢性閉塞性肺疾患

2012年01月31日 | Weblog
 80歳男性。慢性閉塞性肺疾患(COPD)。
 開業医に慢性閉塞性肺疾患で通院して、在宅酸素療法を受けている。今月初めに急性増悪をきたして呼吸器科3名のいる病院へ入院した。かなり濃い治療を受けて、なんとか軽快した。退院可能となったが、妻と二人暮らしで退院に不安があり、気候が暖かくなるまでの入院継続を希望した。救急病院で長く入院させてくれる余裕はなく、比較的ベットの空いている当院へ紹介転院となった。よくあるパターンで、自虐的に当院は「下請け病院」と称している。
 以前はCOPDで在宅酸素を受けている患者さんが、冬の間入院するというのがよくあったが、最近はほとんどみかけなくなった。当院も入院費の請求はDPCでやっているが、COPDは意外に値段が高く、1か月くらいなら入院させられる。きっと医療費の高額なアメリカだったら、暖かくなるまで入院なんて、よほどのお金持ちにしできないだろう。日本はとてもいい国というべきか、ムダな医療費を使っているというべきか。昨日の段階で、当院としては珍しく、目標の病床稼働率70%を超えて78%を達成した。
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側頭動脈炎

2012年01月30日 | Weblog
 80歳女性。側頭動脈炎。
 今日の内科再来に来た。2年前に肺炎で開業医の先生から紹介されて入院した。非定型肺炎も想定して、抗生剤を数種類使用したが効果がなかった。入院前からあった咳はなくなり、発熱が続いた。胸部X線・CTを検討すると、肺の陰影は陳旧性のものらしいということになった。
 改めて不明熱の患者さんと認識しての原因検索を行った。患者さん自身は時々しか訴えなかったが、入院前から頭痛(右側頭部)があり、それ以前にはなかった。顎跛行があるかどうか聞いてみたところ、噛んでいるうちに疲れて途中で休むという。側頭動脈炎と診断して、年齢を考慮してプレドニン中等量から開始したが、著効を呈した。漸減して維持量を継続してきたが、あっという間に2年が経過した。プレドニンを中止して、再発再燃しないか経過をみることにした。
 当院では側頭動脈の生検ができないかと思っていたが、治療を開始して少し経過したころに外科の先生に聞いてみたところ、頼まれればしますよとアッサリ言われた。アレ、そうでしたか。

 79歳女性。側頭動脈炎・リウマチ性多発筋痛症?
 アルツハイマー型老年認知症で神経内科に通院している。四肢の疼痛と右側頭部痛を訴えているらしいが、よくわからない。点滴や採血する時は看護師数人でおさえないとできない人で、けっこう力が強い。とりあえず感染症は否定的なので、プレドニンを短期間処方して経過をみることにした。
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肺炎・肺癌

2012年01月28日 | Weblog
 79歳男性。肺炎・肺癌。
 一昨年末の肺癌検診で異常を指摘されて、昨年春に癌の専門病院で放射線治療を受けている。その後その病院の外来に通院して経過をみているそうだ。治癒してはいない。本日早朝から高熱があり、救急外来を受診した。肺癌のある左肺に浸潤影を認め、肺炎と診断した。土日に連絡しても診てもらえないので、当院に入院とした。
 昨年はその癌専門病院で肺癌の抗癌剤治療を受けて、治療が限界となった患者さんの緩和ケア依頼が2名あった。外来でオピオイドの処方を続けて、最終的には入院で看取った。病院間で役割分担すればよいので問題はないのだが、最期ばかり診る立場としては、ベスト・サポーティブ・ケア(BSC)とは言うものの実態は敗戦処理だなあと思う。上手な敗戦処理となるように、それなりに頑張ってはいるのだが。

 65歳女性。統合失調症・糖尿病・虚血性心疾患
 統合失調症で精神科クリニックに通院中だが、お金の問題もあるらしく、治療は断続的にしかうけていないようだ。数日前から体調が悪く(具体的な症状は?)、その病院に行こうとしらしい。家を出たところで両下肢の脱力で倒れた。今日の気温は0~2℃と寒い。同居の弟がタクシーを呼んだが、タクシーの運転手が救急要請を勧めて、当院に搬入された。血糖は高い(540)が、それより問題なのは体温が低いこと(家の外で倒れていたので当然だが)。まず治療は保温から開始した。昨年入院した時の循環器科の記載をみると、陳旧性前壁心筋梗塞を基礎とした心不全だった。その後に高血糖で入院した既往もある。それぞれ1週間から9日で退院になっているところをみると、症状が改善したところで、さっと退院にしたということらしい(内科はかかりつけの開業医あり)。今回は私が主治医で入院となる。
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冠攣縮性狭心症

2012年01月27日 | Weblog
 63歳男性。冠攣縮性狭心症
 4日前の早朝に前胸部痛を訴えて、救急外来を受診した。数か月前から同症状が繰り返し起きていた。受診後は症状軽快した。冠動脈造影CTで右冠動脈の狭窄が疑われた。そのまま循環器科に入院して、シグマート48mg/日の点滴で経過をみたが、症状は出なかった。昨日、心臓カテーテル検査で右冠動脈は50%程度の狭窄で有意なものではなかったため、冠攣縮性狭心症と診断された。シグマート錠(5mg)3錠分3とヘルベッサーカプセル(100mg)1Cap分1の処方で、退院外来治療となった。
 循環器科の先生とシグマートの話になった。
私「シグマートって、昔は開業医が処方する無難な処方で、効果があるかどうかはわからないけど、害はないという薬でしたね」
循「そうだったらしいですね(この先生は30歳台で若い)。シグマートは冠動脈の攣縮によく効きますよ」
私「でも、1日3回って今時ないですよね。1日1回か2回の徐放剤にならないんですか」
循「うまく作れないそうですよ。まあ、すでにジェネリックも出ているし、本気で徐放剤を作る気にはならないんじゃないかな」
私「ほとんど終わった薬かと思ってましたけど、急に脚光を浴びることってあるんですねえ」
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出血性胃潰瘍

2012年01月26日 | Weblog
 80歳女性。出血性胃潰瘍。
 本日、動悸と息切れで内科開業医を受診した。心房細動(心拍数はほとんど正常)を認めたため、心不全疑いで当院循環器科へ紹介された。胸部X線では肺うっ血・胸水はなく、BNPはの上昇は有意ではなく、心エコーで心機能は大きな問題なし。意外に、両側肺に浸潤影があり、肺炎があった。しかし酸素飽和度は正常域。
 採血でHb6.5と貧血があり、循環器科から内科へコンサルトされた。正球性貧血で急性出血が疑われ、直腸指診でタール便があった。患者さんは昨日便が黒いのに気づいていた。高齢だが、ふだん特に病気はなく、通院もしていない。主訴は2日前に出現していることから、上部消化管出血による貧血のための症状と判断された。
 早速、消化器内科で緊急内視鏡検査が行われた。胃体上部後壁に浅い胃潰瘍があり、露出血管を認めた。検査時は胃内に出血はなかった。エタノール局注とクリップで止血術を施行。肺炎もあるので恐縮であったが、消化器内科の入院にしてもらった。鎮痛剤を飲んだわけではないという。ヘリコバクターは陽性。内視鏡を引き抜いた時に大量の膿性痰も排出され、喀痰培養検査に提出した。

 101歳女性。腎障害。
 もともと軽度に腎障害があり、近くの診療所で腰痛症の治療として鎮痛剤を処方されて、ふだんよりも腎機能が悪化した。先週当院内科へ総会され、鎮痛剤(NSAID)を中止して、経過をみている。先週より少し改善したので、そのまま外来で経過をみることにした。久しぶりの明治生まれ。
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筋緊張性ジストロフィー

2012年01月25日 | Weblog
 53歳女性。筋緊張性ジストロフィー・肺炎・心不全
 糖尿病外来に通院していた。本日、その糖尿病外来を担当している医師(大学病院から出張)から肺炎の患者がいるが、どうしたらよいかと相談があった。ただの肺炎患者ではなく、筋緊張性ジストロフィーの診断を受けている。最近は筋力低下のため、自宅内でつかまり歩行がやっとという。心拡大・浮腫もあり、心機能も低下して心不全になっている。血液ガスで酸素分圧は45mmHgと低下(室内気)、二酸化炭素分圧は46と正常上限。これは当院では手に余る。呼吸器内科・循環器内科・神経内科の医師がそれぞれ複数いる地域の中核病院へ救急車で転送した。呼吸器内科に連絡したところ、ベットがなくて受け入れられないと言われた。当院唯一の神経内科医師からその病院の神経内科医師(受け入れなどに関してフレンドリーな一番若い人)へ頼み込んでなんとか神経内科病棟で受け入れてもらった(汗)。その患者さんの親兄弟と子供も同じ病気で、親兄弟は50歳台で死亡しているという。

 79歳男性。慢性閉塞性肺疾患・慢性呼吸不全(低酸素血症で在宅酸素)
 上記の病院の呼吸器内科に通院していた。酸素吸入量が4L/分と上昇して、当院へ紹介入院。悪化すればDNR(心肺蘇生術なし)になっているからとお願いされた。入院後の認知症による夜間不穏を病棟看護師は危惧していた。息子(50歳くらいか)は入院手続きが済むと帰ってしまったので、明後日今後のことを相談することにした。
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上行結腸憩室炎

2012年01月24日 | 消化器疾患

 79歳男性。昨日昼から右下腹部痛が続き、本日内科外来を受診した。高血圧症・高脂血症で循環器科外来通院中。腹痛部位は最初から同じ部位で、程度は昨日と同程度。右下腹部に圧痛とpercussion tendernessあり。筋性防御はなし。
 白血球数17400、CRP9.6と炎症反応上昇。急性虫垂炎か上行結腸憩室炎を疑った。腹部造影CTで虫垂は正常で、上行結腸の回盲部に憩室の炎症像を認めた。入院して、抗生剤投与で保存的に治療を開始した。抗生剤はスルペラゾンを1日3回点滴静注とした。

 92歳男性。進行胃癌で転移を認め、無治療で経過を見ることになっていた。昨年末に両下肢の浮腫で入院した。そのまま最期まで入院かと思われたが、利尿剤投与で浮腫が改善して、それなりに食べられた。いったん退院としたが、ひとり暮らしのため、病院から施設へショートステイで入所していた。食事摂取できなくなり、予約日前に外来を受した。当然再入院となる。今度は退院できないようだ。
 
 昨日入院した85歳男性は、慢性閉塞性肺疾患で在宅酸素療法を受けている。A型インフルエンザと左下肺野に肺炎(肺炎球菌肺炎)を発症して急性増悪したもの。昨晩喘鳴がひどくなり、指示のステロイド点滴静注を要した。

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