なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

高齢の1型糖尿病

2024年03月31日 | 糖尿病

 3月27日(水)に右大腿骨頸部骨折の83歳女性が地域の基幹病院から転院してきた。先方の整形外科から当院の整形外科への紹介だが、骨折は保存的治療となっていた(整形外科としてはあまりやることはない?)。

 1型糖尿病で先方の病院の糖尿病科に通院している。インスリン強化療法をしているが、それでも血糖の上下が極端だった。内科に血糖コントロールを依頼された。

 経過は2月13日から発熱があり、翌日にCOVID-19と診断された。その後、自宅で転倒骨折が起きたが、受診を控えていた(受けてもらえなかった?)。隔離解除の2月下旬になって、病院に連絡して、2月28日に入院となった。

 当初は手術を予定していたそうだ。しかし、血糖が40~600mg/dl以上と変動していたこと、もともとのADLが自宅でやっとトイレに行くことから、保存的治療となった。

 

 問題の1型糖尿病は2017年に発症していること、自己インスリン分泌能が高度に低下していわゆるブリットルな血糖変動、と記載されていた。食事量も不安定なので、食後に超速効型を使用していた。

 76歳の1型糖尿病というのは何だろうか。1型は急性発症、緩徐進行型、劇症とあるが、どれに相当するのか。本人に訊いても、若い時は糖尿病がなかったらしい、ということしかわからない。発症の経緯も、どこの医療機関を受診してきたかも覚えていないという。

 可能性としては緩徐進行型で、インスリン依存状態になってから受診して、糖尿病専門医へ紹介されたということではないか。

 息子と二人暮らしだが、日中は一人になる。昼のインスリン注射はヘルパーさんの手助けでしているという。単位だけ合わせて本人に手渡すのだろうが、押す力がないと注射できない。本人の手を添えてヘルパーさんが押しているのかもしれない。

 抗GAD抗体と血中Cペプチド測定を外注で提出した。

 

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頻脈性心房細動

2024年03月30日 | 循環器疾患

 高血圧症・糖尿病・大動脈弁閉鎖不全症で通院している74歳女性が、数日前?からの労作時息切れで受診した。両下腿に中等度の浮腫がある。酸素飽和度は98~99%(室内気)だった。

 前回の心電図検査では正常洞調律で上室性期外収縮がちょっとだけ入っていた。心エコー検査(週1回他院から心エコーのできる検査技師さんが来ている)、EFは60%台で大動脈弁閉鎖不全症があった。あまり行きたがらないが、循環器内科のあるところで評価して欲しいと思っていた。

 この方は現在は禁煙しているが、以前は喫煙していた。喘息症状を伴うこともあり、Asthma+COPD=ACO相当だった。3剤の合剤(ICS+LABA+LAMA)のテリルジー吸入をしていて最近は喘鳴を聞かない。

 診察すると、不整脈の頻脈だった。心電図で確認すると、頻脈性心房細動(心拍数140~180)だった。動悸を訊いても、ないという。もっぱら息切れを訴えた。

 血管確保をして、ベラパミル注を行うと心拍数は100前後/分になった。ビソノテープ(ビソプロロール)4mgを貼付した。心拍数は80~100/分になった。

 入院で経過を見ましょうと伝えると、入院はできないという。COPDの夫の世話があるというが、自分の問題として入院してくないらしい。利尿薬・DOACを内服してもらって、処置室で経過をみることにしたが、起き上がって周囲をきゅろきょろ見ている。

 もう1回胸部X線と心電図を検査して、心房細動のままだが、心拍数80~100/分で(安静時だが)安定している。胸部X線はやや軽減か。

 改めて入院を勧めたが、結局帰宅することになった(自分で車を運転して来ていた)。必ず翌日受診することを約束して帰った。

 

 この患者さんの夫はCOPDの増悪で入院したが、喫煙したくて数日で退院してしまった。隠し持っていたタバコを看護師さんに取り上げられたのが気に入らないらしい。

 在宅酸素療法の適応だが、拒否している。在宅酸素で喫煙されても怖いので、そのままになっている。

 

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癌化学療法の副作用?

2024年03月29日 | 血液疾患

 昨年11月3日に記載した悪性リンパ腫の86歳女性のその後。

 がんセンターに紹介して、悪性リンパ腫と診断されて、化学療法が始まった(RCHOP療法)。抗がん剤投与1週間目に白血球減少が生じるので、G-CSF製剤の皮下注(グラン)を2日間する必要があった。

 がんセンターまでそのために行くのは大変なので、当院で行うことになった。当院としてはがんセンターから指示があった2日間外来で行う。1日目は一応顔を見せてもらうが、2日目は注射だけして帰宅としていた。

 

 3月28日(木)に市内の内科クリニックから、3月22日に癌化学療法をしてから嘔気・食欲不振が続くので、入院も含めて診てほしいと紹介されてきた。そのクリニックには以前から高血圧症で通院している。前日夕方はクリニックで1本だけ点滴していた。

 便秘で2種類の処方が出ていたが(酸化マグネシウムとリンゼス=リナクロチド)、両者を使用すると今度は下痢(といっても便は少量)になって嘔気も生じる。抗癌剤の副作用というより、下剤の使い方がうまくないだけのようでもある。

 血液検査と胸腹部CTを検査したが、初診時のリンパ節腫大は軽減していた。胃腸の問題は特にないようだ。それでも現在ひとり暮らしなので、入院で点滴を行うことにした。(息子は仕事で東南アジアだが、娘は隣県なので来れなくはない)

 4月5日にがんセンターで画像検査が入っているので、それまでに退院できればというところだ。

 

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甲状腺癌

2024年03月28日 | 耳鼻咽喉科疾患

 非常勤で来ている外科の先生から、88歳女性の緩和ケアを頼むといわれた。といってもすぐの入院ではなく、悪化した時に入院で診るというものだった。

 2月8日に抜歯のために歯科医院を受診した。喘鳴(吸気性のStridor)が聞こえたので、治療前に呼吸器科で診てもらうようにと指示された。 

 その日すぐに当院の呼吸器外来を受診した(週1回なのでたまたま曜日が合った)。喘鳴は昨年12月からあったそうだ。右頸部腫瘤を指摘されて、CTで確認した。甲状腺癌だった。

 耳鼻咽喉科に紹介されて、喉頭ファイバーで右声帯麻痺を認めた。さらに外科に紹介された。大学病院や地域の基幹病院では甲状腺癌は外科の扱いになっている。大学病院に紹介された。「何か治療ができるでしょうか」だった。

 大学病院では気管浸潤・総頚動脈浸潤があることから、緩和ケアのみとなった。窒息に備えての気管切開も難しい。

 

 4月半ばに家族だけ受診するので、その時に話をしてほしいといわれた。現状ではできるだけ施設で過ごして、施設でみられなくなったら入院となる。

 ただ呼吸困難になっても酸素吸入しかない。痰が詰まると急変する可能性がある。急変して救急隊が呼ばれると、身体を痛めるだけの心臓マッサージや、さらにはそれ用の機械を付けられて拷問状態になる。(建設機械が地面に杭を打ち込むような状態)

 それは避けませんかという話になるが、納得するかどうかはわからない。

 

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閉塞性腎盂腎炎

2024年03月27日 | 泌尿器科疾患

 3月26日(火)の午前中に医院からの紹介患者さんの腹部CTを入れた。各科から緊急のCTがいっぺんに入って、かなり待たされることになった。

 

 泌尿器科(非常勤医師)は、内科医院から紹介の76歳女性のCTを依頼していた。6年前に左尿管結石による腎盂腎炎で地域の基幹病院の泌尿器科に紹介した既往がある。尿管ステントを留置してその後、ESWLが行われた。

 今回は、3日前の3月23日から発熱と左背部痛があったが土日なので我慢していたらしい。3月25日(月)に内科医院を受診して、26日当院泌尿器科紹介となった。(泌尿器科は非常勤で火・水・金の週3回)

 3日経過していたが、幸い発熱以外のバイタルは問題なかった。白血球9800・CRP12.7と炎症反応が上昇して、尿検査は白血球>100/HPF・細菌(3+)だった。

 も急性腎盂腎炎だが、また左尿管結石からの閉塞性腎盂腎炎だった。左腎は腎盂の鋳型状に結石があった。また基幹病院へ紹介となった。

 

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エルシニア感染症

2024年03月26日 | 消化器疾患

 3月25日(月)の夕方に消化器科医から「エルシニアって診たことありますか」と訊かれた。昨年診ていたのを思い出した。(2023年5月10日記載)

 患者さんは21歳女性で知的障害がある(自宅で生活)。当院の内分泌外来(大学病院からの応援医師)に甲状腺機能低下症で通院していた。

 3月18日に外来を受診して、14日夜からの発熱・下痢(水様便)・腹痛を訴えた。外来担当医から消化器科の外来に紹介となった。

 白血球13200・CRP15.0と炎症反応が上昇していた。3日間外来での点滴と抗菌薬点滴静注(セフメタゾール)を行ったが、症状が続いていた。

 症状が続いて、3月21日に入院治療となった。血液検査は白血球6300・CRP11.9と、改善傾向ではあった。腹部CTでは大腸全体に壁肥厚を認めたが、腹水などの異常はなかった。

 点滴と抗菌薬(セフトリアキソンに変更していた)点滴静注で翌日には解熱して(入院時も微熱)、腹部症状は治まってきた。食欲はまだ出ないらしい。

 便培養の結果は、病原性大腸菌血清型O18(ベロ毒素陰性)、Yersinia enterocolitica血清型08群が検出された。感受性検査ではペニシリンは耐性で、セフェム系第2世代以上は全部感受性があった(CMZは両者S≦4)。前者はLVFX耐性だった。当方が愛用しているFOMは両者S≦32。

 

 国立感染症研究所のホームページによると、エルシニア属は11菌種があり、ヒトに下痢などの食中毒症状を来すのは、Yersinia enterocoliticaYersinia pseudotuberculosis。(ヒトに病原性があるのはこの2者とYersinia pestisペスト菌)

 Yersinia enterocoliticaは、食中毒を来してきたのは血清型03だが、「1987年以降青森県を中心に東北地方各地で、病原性が強いとされる血清型08の菌株による散発事例が多く報告されている」。

 原因となる食品は肉、特に豚肉で、この菌は冷蔵庫内温度の4℃でも発育できるので注意を要する。

 

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肺炎、心不全

2024年03月25日 | 循環器疾患

 3月25日(月)の早朝に93歳男性が呼吸困難で受診した。施設に入所しているので、施設車での救急外来受診だった。

 胸部X線・CTで両側肺に胸水・肺水腫と浸潤影を認めた。肺炎・心不全ということになるが、比率は心不全>肺炎?。

 この患者さんは糖尿病外来と泌尿器科外来に通院していた。3年前の2021年5月に、泌尿器科から内科外来に紹介されてきて診察した。

 両下腿~足の浮腫を泌尿器科外来で訴えていた。血液検査で貧血(Hb 8g/dL、MCV72.1)があったので内科に回した、という経緯だった。

 胸部X線で両側肺に軽度の胸水を認めた。鉄欠乏性貧血で消化管悪性腫瘍が疑われたが、胸腹部CTでは明らかな腫瘍は認めなかった。

 鉄剤投与と一時的な利尿薬内服で、貧血と胸水は軽快した。内視鏡検査は受けたくないといっていて、家族も何か見つかっても治療(外科手術)の対象にならないと思うのでけっこうです、といってた。

 何度か話をして、上部消化管内視鏡検査は受けたが、異常はなかった。下部消化管内視鏡検査はやりません、ということで結腸癌の有無は保留となった。

 その後通院していた糖尿病外来がなくなったので、糖尿病薬も出すようになった。一人暮らしで別居の娘さんの介護を受けていたが、施設に入所となった。

 2024年2月に、1か月前から食欲不振があったといわれた(外来2か月処方だった)。食欲がやっと戻って来てから受診したことになる、

 胸部X線で両側胸水も軽度にあったが、貧血はなかった。心電図で以前にはなかった、V3-5のT波逆転を認めた。部位としては前壁側壁になるが、おそらく心筋梗塞を来して、心不全状態が出てきたものと推定された。バイタルは問題なく、入院させたくないという。利尿薬内服を開始すると、胸水は軽快した。

 

 3月24日(日)の当直だった内科の先生が対応して、入院させていた。抗菌薬と利尿薬注が開始された。ちなみに、この患者さんは当方の小学校の時の担任の先生。

 

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いつまでコロナ?

2024年03月24日 | COVID-19

 3月21日(木)に入院している患者さんが発熱して、コロナの迅速検査が陽性になった。もともと1か月前にCOVID-19に罹患した患者さんだった。

 糖尿病性腎症・腎不全で透析クリニックに通院して血液透析を受けていた。2月に地域の基幹病院整形外科に入院して、腰部脊柱管狭窄症の手術を受けた。

 入院中の2月24日に発熱があり、COVID-19罹患と判明した。2月27日に酸素飽和度低下・意識レベル低下があり、胸部CTで胸水貯留・肺水腫・肺炎像を認めた。「肺炎はCOVID-19肺炎とも細菌性肺炎どちらともいえる所見」とされた。

 「肝機能障害で抗ウイルス薬は使えず、抗菌薬を投与した」とも記載されている。週3回の透析が病院の都合で週2回で行っていて、溢水によるうっ血肝だったらしい。

 3月7日に当院に転院してきて、腎臓内科の若い先生が担当していた。入院時から断続的に発熱(37℃台)が続いていて、肺炎の治療を継続していた。

 そして3月21日は38℃を越える発熱があった。入院患者が発熱すると、ほぼ自動的にコロナの迅速検査が行われる。コロナの迅速検査(抗原定性検査)が陽性と出た。これはどう解釈すべきかと、病棟の看護師さんが悩んでいた。

 

 転院前の3月6日(発症後11日目)に先方の病院でコロナのPCR検査をしていた。結果は陽性で、Ct値が23.50となっていた。この値だと感染性あり、となる。肺炎がひどいと感染性がなくなるまで2週間かかるそうなので、ありうることだった。

 それでは3月21日(発症後26日目)の抗原定性検査陽性は解釈されるのか。ちょうど感染管理で大学病院感染症内科の先生が来ていたので訊いてみた。

 PCRのCt値は、35以上ならば感染性なしと判断できるが、25~30では感染性はある(残っている可能性がある)そうだ。外注になるが、PCR検査を提出してCt値を見れば感染性の判断がつくだろう、といわれた。(Ct値で確定はできないので、あくまで参考値)

 

 透析を週3回行って、肺うっ血・胸水は軽快している。そうなると肺陰影は、COVID-19の炎症期としての間質性肺炎となる。

 それにしても、病状が不安定なままの転院ではあった。(地域包括ケア病棟やリハビリ病棟への患者さん供給源の病院なので、基本的には助かっている)

 

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後縦靭帯骨化症

2024年03月23日 | 整形外科疾患

 当院は時々特定の診療科が充実して診療レベルが上がるが、残念ながら数年それが続いてはなくなるのを繰り返している。

 血管外科で腹部大動脈瘤や下肢の動脈硬化症の手術をしていた時期、循環器科で積極的にPCIをしていた時期、などがあったが、現在はいずれもなくなった。

 

 現在は整形外科が充実していて、これまで扱わなかった手術をしている。先週、COVID-19に罹患した61歳男性は後縦靭帯骨化症で手術をしていた。

 CTで頚椎背側の石灰化が写っていて、MRIでは頚髄が圧迫されている。症状は両下肢の運動障害と右上肢のしびれがある。

 2月28日に手術を受けていた。術後にリハビリを開始したが、3月13日に急に発熱して、コロナ(SARS-CoV-2)の迅速検査が陽性と出た。ちょっと前に急性期病棟の患者さんと病棟スタッフが感染したが、落ち着いてきて面会制限を解除しようとしていた時期だった。

 整形外科の担当医からコロナの薬を依頼された。内科的な基礎疾患はない方で、薬もアセトアミノフェンのみで腎機能は正常だった。軽症相当で食事もとれるので、パキロビッド内服にした。翌日には解熱している。

 今度の日曜日で10日経過するので、月曜日から隔離解除で大部屋に戻すことにした。胸椎前側の黄色靭帯骨化症もあり、再度手術する予定があるが、今回はリハビリ再開後にいったん退院になるそうだ。

 

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頭部外傷

2024年03月22日 | 外傷

 3月19日(火)の午前中は救急当番をしていた。昼過ぎに救急隊から交通外傷の救急搬入要請がきた。

 62歳男性が原付バイクに乗っていて、停止していた車に衝突した。スピードは20kmくらいでさほど出していなかったそうだ。後頭部に挫傷がある程度で骨折はないようだという。

 地域の基幹病院の近くだった。搬入依頼をしたところ統合失調症で通院していること、生活保護であることから断られましたという。救急隊の話なので正確にはわからない。(リエゾン担当で精神科医もいる病院)

 

 救急隊としては軽度の外傷で入院にはならないので、外科医のいない当院でも大丈夫と判断していたようだ。話を聞いた限りでは、外来扱いで検査・治療できそうだった。

 搬入されると、右前腕が腫脹して疼痛があり、骨折がある。体幹部には問題がなかった。後頭部に挫傷があったが、止血していて縫合を要さない。

 衝突した前後のことは覚えていないという。薬手帳は常にカバンに入れて持ち歩いているそうで、精神科病院、整形外科(両膝関節)、泌尿器科(排尿障害?)に通院している。

 向精神薬はブロナンセリン(2mg)3錠分3に、クロナゼパム(毎食後と就寝前)・ガバペンチン200mg就寝前もあった。本人の話では、てんかんとはいわれていない。

 

 X線で確認すると、左尺骨骨折があった。ひどくはずれてないか。

 頭部CTでは左前頭葉に1~2cmくらいの血腫があり、脳溝部にも出血がある(クモ膜下相当)。右シルビウス裂にもわずかな血腫があった。

 一人暮らしで、利き手の骨折と軽症だが脳出血もあるので、入院治療になる。念のため午後5時に頭部CTを再検したが、大きな変化はなかった。

 骨折は整形外科で診てもらうと、手術を勧められた。ところが患者さん本人は、手術は怖いのでしたくないという。手術と保存的治療の差異を説明されたが、やはり手術はしたくないということで、ギプス固定となった。

 

 父親は亡くなっていて、母親は認知症で精神科病院に入院している(90歳前後だろう)。兄弟はいるが疎遠で頼めない。仕事先の経営者が病院に来て、この忙しい時にと怒っていた。

 置いて行った名刺を見ると、屋台での飲食店をやっているらしい。桜の時期なので、かき入れ時になるのだろう。何かと面倒はみているのだろうが、きちんと給料が支払われているのかはわからない。

 

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