なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

長い入浴は禁物

2019年01月11日 | Weblog

 昨日の午前中は救急当番をしていたが、市内のスーパー銭湯から75歳男性が救急搬入された。洗い場で一過性に意識消失して、倒れて頭部を打撲していた。

 この銭湯からは時々患者さんが救急搬入されてくる。大抵は長く入浴しすぎて(サウナ状態の洗い場に長くいすぎるのもある)、一過性に血圧が低下して意識消失するという「湯あたり」の人が多い。裸でピンク調のいい色で運ばれてくる。たまに浴槽内に沈んでいるのを発見されて、心肺停止で運ばれてくることもあった。

 昨日は意識は戻っていたので、外来で経過をみて帰宅できるだろうと判断された。ただ救急隊の話では、地域の基幹病院循環器内科に通院していて、PCIを受けていた。不整脈や心不全の可能性もあり、最初救急隊はそちらの病院に搬入依頼したそうだが、状況から近くの病院で診てもらうようにということだった。

 搬入時は意識清明で血圧が106mmHgで、倒れた時はもっと下がっていたのだろう。浴槽内にいて、嘔気が出現して浴槽から上がったところで倒れていた。バイタルは問題なく、胸部X線・心電図も特に問題はないようだ。浴槽内や洗い場に1時間いたそうで、一過性の血圧低下による症状でいいようだ。

 処方内容で降圧薬の調整が必要かもしれなかったのと、心電図は右脚ブロックなので、処方内容と可能なら前回の心電図をFAXで送ってもらうよう地域医療連携室に依頼した。

 単に確認のつもりだったが、診療内容を他院に送るときは主治医の許可をとる。先方の病院の循環器内科の先生(女性)から電話が入った。「どんな様子ですか」と訊かれて、「いや、長く入浴し過ぎただけの様です」と恐縮して答えた。療情報提供書と検査のコピーが大量に送られてきた。

 午後まで点滴室で経過をみて、すっかり良くなって帰って行った。次回外来時に持っていてもらう当方からの診療情報提供書の返事はたった1枚。患者さんの住所は県内ではあるが、診療圏としては違う地域で、当地で銭湯に入っても家に戻るころにはすっかり冷めている地域だった。

 このスーパー銭湯、近くの温泉の出る保養所、さらに山間の温泉街のホテルから、浴槽内で沈んでいるのを発見されて、心肺停止で救急搬送されてくることが毎年のようにある。

 朝方にひとりで温泉に入っていて浴槽内に沈んでしまうと発見が遅れるが、入浴者が多数の銭湯でも浴槽に沈んでしばらくしないと気付かれないこともあるようだ。長い入浴は禁物だ。

 

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すでに意に沿わない治療

2019年01月10日 | Weblog

 地域の基幹病院脳神経内科から脳梗塞の89歳女性が転院してきた。昨年の12月16日に構語障害・運動失調などで発症していた。入院後も脳梗塞が進行して、小脳・脳幹部・視床などに多発性梗塞が出現した。

 開眼はしているが、発語はなく、視線も宙をさまようようで意志を持って見てはいない。経鼻胃管を挿入して、経管栄養が開始されていたが、喀痰吸引が頻回だった。舌根沈下の音が大きく聞こえる。

 心房細動はなく、MRAで著明な動脈硬化・閉塞を認めることから脳動脈硬化症からの血栓症という診断だった。転院依頼の連絡が来た時に、今後どのような方針で診るようになりますかと訊くと、急変のありえるとは言ってありますということだった。

 家族と面談した。最初実の娘さんとその夫かと思ったが、実の息子さんとそのお嫁さんだった。主にお嫁さんとの相談になり、息子さんはあまり関心がないような印象だった、お嫁さんは基幹病院の検査技師さんで、病気のことは嫁に任せるということのようだ。

 患者さんは発症前に、近所に胃瘻造設を受けている人を見て、自分は胃瘻はしないと言っていたそうだ。経鼻チューブと胃瘻と投与経路の違いだけで、経管栄養になっているので、受けたくない処置をすでに受けていますがと伝えたところ、ちょっと驚いていた。

 経管栄養食を入れると喀痰が増加して何度も吸引する様になっていた。発熱と聴診上の所見があり、胸部X線で誤嚥性肺炎を認めた。経管栄養は中止して、末梢からの点滴で少し経過をみることにした。

 高カロリー輸液にする意義があるかどうかは意見が分かれるかもしれないが、当方は家族が希望すれば行っている。まあ、その後に療養型病床のある病院に転院してよければという条件は付いてくるが。

 

 今日の院内勉強会は、国立国際医療研究センターAMR臨床リファレンスセンターの具芳明先生が抗菌薬適正使用の講演に来られる。感染管理の係りなので、座長をすることになっている。

 

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日本武尊はギラン・バレー症候群

2019年01月09日 | Weblog

 今日の内科再来は年末年始の分も入っていたので、受診数が多かった。次回の検査や予約表を昨日に夕方に作成して準備をしていたので、何とか終えることができた。

 

 地域の基幹病院脳神経内科から脳出血の93歳女性が転院してきた。1月2日に脳出血(左被殻出血脳室穿破)が発症した。脳神経内科で診ていたので手術適応なしと判断されたのだろう。昏睡状態が続いていて、末梢点滴のみでお看取りの方針となったそうだ。

 連絡がきたのが一番脳浮腫が進行したころになる。まだ急性期なので急変する可能性もあるが、意識がある程度回復する可能性もあるかもしれない。とりあえずは、決まった方針で経過をみることにした。こういう症例では、どこまで治療するかという問題になる。

 家族は、この患者さんの夫(認知症)の介護をどうするかで大変らしい。なんとかショートステイに入ることができたそうだ。

 

 「世界史を動かした脳の病気」幻冬舎新書を読んでいる。日本武尊はギラン・バレー症候群、ヒトラーはパーキンソン病、毛沢東はALSなど、興味深い話だ。

 

 

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インフルエンザでした

2019年01月08日 | Weblog

 87歳女性がデイサービスに行っている時に腹痛・嘔吐が出現して、救急搬入された。発熱はなかったが、少し前から感冒症状があったそうだ。

 救急当番の外科医から連絡が来た。胸腹部CTで直腸~S状結腸に便がたまっているくらいであまり問題はないという。ただし、酸素飽和度が80%台後半に低下していて、血液ガスで確認すると酸素分圧が58mmHgで低下していた。

 もともと間質性陰影があって、呼吸器外来でフォローされたこともあるそうだ。以前の胸部CTでは確かに淡く間質性陰影があった。一時はプレドニンが処方されていたが、中止(か中断)になっていた。

 今回のCTでは以前より間質性陰影は目立たない(というか減少している)。むしろ、両側肺下肺野(特に左肺)に浸潤影を撮れる陰影がある(放射線科の読影ではとっていないが)。

 聴診上は軽度の喘鳴があった。肺炎はあるとして、喘鳴が気になった。RSウイルス迅速検査を提出して、同じ綿棒でできるので時節柄インフルエンザ迅速試験も提出した。結果はRSウイルスは陰性で、インフルエンザA型陽性だった。

 インフルエンザ+肺炎として個室入院になった。入院してすぐに排便があり、患者さんは嘔気・嘔吐と腹痛がすっかり軽快して、食事をしたいと言い始めた。

 救急室の様子ではゾフルーザの内服は難しいと判断して、ラピアクタ300mgの点滴静注をしていた。セフトリアキソン点滴静注も開始している。

 この方は呼吸器症状もあったが、この時期は呼吸器症状に乏しくても、入院する患者さんはインフルエンザの検査をしないとまずいかもしれない。一昨年の病棟内でのインフルエンザ多発は、大部屋に入院してしまった患者さんが後でインフルエンザと判明したところから始まった。

 ところでこの患者さんは2年前に右腎盂癌と泌尿器科で診断されているが、その後はフォローが中断になっている。後日家族に伝えて、確認しよう(おそらく経過観察のみ)。

 

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しぶり腹

2019年01月07日 | Weblog

 早朝に下腹部痛があった。起床してから普通便~軟便が出た。腹痛もなく(鈍いのか)、普通に病院まで来た。病院に着いてから便意があり、軟便~水様便が出た。

 外来(内科再来)を診ていたが、また水様便が出た。その後は一度少量の排便(水様便)が出ても、また出きっていないような、肛門~直腸の痛みが続いて、何度か少量の水様便が続いた。

 年末年始の分が入っていて、いつもより多い外来数だった。多少普段と違う症状があっても、様子を見ましょうで流しすようにして何とかこなした(接触を避けた)。昼過ぎから、30分くらいトイレに入りっぱなしになって、少量の下痢便と、いったん出てもすぐに出るような違和感というより痛みがあり、これぞ「しぶり腹」だった。嘔気・嘔吐はなく、腹痛としぶり腹が強いと、高熱も血便もないが、大腸型の感染性腸炎相当になる。

 その後2時間くらいして、症状は軽減してきた。病院の売店でヨーグルト(グリコの朝食リンゴヨーグルト)を買ってきて食べた。医局のラウンジで昼食のお弁当の前で20分くらい様子をみたが、食べられないと判断した(遅い)。医局の先生が「OS-1」を買ってきてくれた。冷たいままだとしょっぱくて飲めないが、今日は電子レンジで温めた。塩分が気にならず、案外飲めるのだった。これは新発見。

 

 今日は地域の基幹病院消化器内科から、自己免疫性肝炎・血小板減少症の90歳女性が転院してきた。その以外の入院患者さんは必要最小限の指示だけ出して終わりにした。そちらの病院からは、今日も脳神経内科・呼吸器内科から転院依頼が来て、下請け業は今年も盛業のようだ。

 

 昨日、アマゾンで購入履歴からお勧めで出ていた「在宅で出会う「何となく変」への対応法」医学書院を注文したが、今日さっそく届いていた。医学書院の雑誌「訪問看護と介護」に連載された記事をまとめたものだった。そういう雑誌があることも初めて知った。

 訪問看護師向けの本だが、内科外来を受診する在宅介護のあるいは施設入所中の高齢者を診る上で、医師にとっても役に立つ内容になっている。

 

 

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心肺停止

2019年01月06日 | Weblog

 昨日の内科日直の夕方に心肺停止の64歳男性が救急搬入された。当市の隣りの隣りの町から救急隊が搬送してきた。最初地元の町立病院に連絡したが、対応できないと言われていた。

 同居している母親は、患者さんが昼食時には変わりなかったと言っていたらしいが、弟さんの話では母親は認知症があり定かではないという。母親は午後3時過ぎに倒れているのを発見して、近所の人に助けを求めた。近所の人が心肺停止に気づいて、胸骨圧迫を開始して救急要請した。救急隊到着時は心肺停止・瞳孔散大で、心肺蘇生術をしながら搬入された。

 搬入時は季節の問題もあるが、すでに冷たくなっていた。心肺停止・瞳孔散大・対光反射消失だった。気管挿管・血管確保・アドレナリン注を行ったが、全く反応はなかった。

 結局、救急隊が到着してから搬送までの約1時間、病院に来てから約40分の救急蘇生術後に、死亡確認した。弟さんの話では、患者さんは12月25日に「胸が痛い」と言っていたそうだ。病院には行かず、知り合いから薬を3個もらった。薬はもう飲んでしまってないが、二トロールだろうか。その後体調不良は続き、食事摂取も減少していた。

 死亡確認後にAutpsy imagingを行った。頭部CTは異常なし。胸腹部CTでは両側はに肺水腫・胸水貯留を認めた。肺が水浸し状態だった。推定になるが、年末に急性心筋梗塞を発症して、その後心機能が低下して急性心不全をきたしたのだろう。

 胸痛があった時に救急車を呼んでいれば、専門病院でPCIを受けて改善できたはずだが、何故我慢していたのだろうか。亡くなる直前は呼吸困難でかなり苦しかったはずだが。

 

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肺癌の進展

2019年01月05日 | Weblog

 今日は内科日直で病院に出ている。朝起きて出かける準備をしようとしたら、奥さんに「あれ、今日は出番なの」と言われた。1日に日直で出たので、この土日はないと思っていたようだ(伝えてはいた)。人(医師)がいないのでこんな生活になる。

 内科クリニックから、「肺癌のフォローをお願されていた86歳女性が大分厳しい状況なので、入院をお願いしたい」、と連絡が来た。名前を聞いてもすっかり忘れていた。電子カルテを開いてから思い出した。

 昨年の7月にそのクリニックで肺腫瘤を発見して、地域の基幹病院呼吸器内科に紹介していた。年令を聞いただけで対象にならない気はするが、そこは専門医で治療できるかどうか検索をしていた。結局治療は困難という結論になり、当院でのフォローを依頼された。画像では空洞を伴う腫瘤で扁平上皮癌(細胞診で確診)らしい像だった。

 9月に当院内科外来を受診したが、それなりに元気で日常生活はできていた。娘さんにお話して、できるだけ自宅で過ごしてもらい、悪化した時は当院入院で終末期の対応をすることにした。胸膜痛があるが、クリニックで処方されたNSAID(セレコックス)で治まっていた。そこがかかりつけで通院しやすいので、入院するまでの治療をお願いしていた。

 クリニックから救急搬送されてきた。食事があまりとれなくなって、動けなくなっていた。上下肢に浮腫があり、低酸素血症を呈していたが、会話はできる。胸部X線・CTで確認すると、右上葉の原発巣もすっかり充実性腫瘤となり、増大していた。右肺の肺内転移は多発性結節となり、胸水も貯留している。

 

 高齢であり、もう少し進行は遅いのかと予想していたが、それよりも速かった。酸素吸入と点滴くらいの治療で、あとは疼痛対策・呼吸困難感対策になる。娘さんと、ぎりぎりお正月を自宅で過ごしましたねという話になった。お餅を少しだけ食べられたそうだ。

 

 

 

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びまん性の陰影

2019年01月04日 | Weblog

 内科の若い先生(内科専攻医)から年末に急性肺炎で入院した23歳女性のことで相談された。すでに解熱して、炎症反応も改善していた。胸部X線でも陰影が軽減していた。

 12月29日に数日前からの咳と倦怠感で内科医院を受診した。前日から38℃台の発熱があった。胸部X線で両側下肺野に浸潤影を認めて、酸素飽和度70%(室内気)と低酸素を呈していたため、当院に救急搬送された。

 話を聞いて、「マイコプラズマ?」、と効いたが、「違うと思います」と言われた。白血球数19300・CRP1.8と上昇していた。肺炎球菌尿中抗原は陰性(レジオネラ抗原も陰性)で、どうしても喀痰は出なかった。炎症反応からは細菌性肺炎らしいということだが、年齢的にも非定型肺炎もカバーした治療になるか。

 「CT画像が・・・」、ということで、胸部CTを見て驚いた。両側肺野にびまん性に粒状影があった。右中葉(と下葉に一部)・左舌区(と上葉の一部)に斑状影があり、胸部単純X線で目立っていたのはその陰影だった。その目で見ると、胸部単純X線でも上肺野からびまん性に粒状影が見える。

 粟粒結核?と思ったが、小葉中心性の分布で胸膜直下にはない。粒状影自体が淡い印象がある。入院してセフトアキソン投与で翌日には解熱している。食欲も良好となり、酸素吸入も2L/分程度までで済んで、それも4日後には飽和度か改善して中止になった。

 これは呼吸器内科にある病院に紹介してもいいと思う、と伝えた。年末の休み体制に入っていたので、紹介をためらったそうだ。急性好酸球性肺炎も考えたが、喫煙歴はなかった。当院に入院させたものの相当に心配だったらしいが、幸いに経過が良かったのでそのまま治療継続したのだった。

 

 来週非常勤の呼吸器内科の先生に訊いてみることにしたが、呼吸器内科ではそれほど珍しくないのだろうか。日数をあけて胸部CTをもう1回撮影してみたいが、画像に対する興味本位で行うのもまずいだろう。呼吸器内科医から、他疾患鑑別のために必要と言われたら行うことにする。

 

 昔他の病院にいたころ、20歳代後半の男性が肺炎で入院してきた。抗菌薬投与で解熱軽快して、退院を考えていたころから血痰が出始めた。抗酸菌塗抹で陽性と出て、肺結核と判明した。家族も検査すると、同居の妹さんも肺結核になっていた。肺結核で全身状態が悪化したところに通常の細菌性肺炎を併発して、そちらだけ治療して良くなったのだった。

 

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溶連菌感染症

2019年01月03日 | Weblog

 1月1日の日直の時に、33歳男性が発熱(38℃)と咽頭痛で受診した。鼻汁は少しで、咳はなかった。咽頭扁桃の所見としては、咽頭後壁に軽度に発赤があるのかもしれないが、扁桃の有意な発赤・白苔・腫脹はなかった。頸部リンパ節の圧痛もない。

 患者さんは東京在住で、年末年始の休みで当地の実家に戻ってきていた。病院職員の息子さんだった。「溶連菌だと思います」、と言われた。12月10日に同じ症状で東京の病院を受診して、検査の結果溶連菌感染症と診断されたそうだ。

 アモキシシリン(サワシリン)を10日分処方されて、内服すると症状はすぐに軽快した。7日内服したところで出張に行ったが、抗菌薬を持って行かなかったので内服できず、そのまま中断したままになった。残りの薬は東京の自宅にある。「サワシリンを下さい」、という目的の受診だった。

 咽頭の所見がほとんどないので、溶連菌迅速試験を行った。その前に数人インフルエンザの患者さんが来ていたこともあり、インフルエンザの検査も追加させてもらった(訊いて患者さんの許可をとった)。結果は溶連菌陽性・インフルエンザ陰性で、患者さんが正しかった。

 7日は内服しているが、再発再燃するものなのか。普通にアモキシシリン(当院はパセトシン)を10日分とアセトアミノフェン頓用を処方したが、何だかすっきりしなかった。今回は10日分きちんと内服すると思うが、もしその後に短期間で再発・再燃した場合はどうするのだろうか。

 

 

 

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PMR?

2019年01月02日 | Weblog

 昨日の夕方に内科外来に通院している86歳男性(高血圧症・ラクナ梗塞後遺症)が、めまいを訴えて受診した。一人暮らしをしていて、時々娘さんが訪問していた。

 歩行はできるが、いつもとは違うという。ふだんは車で病院まで送ってもらうが、病院の中は自分で普通に歩いている。今日は動きが鈍い。特に左右差はなく、麻痺ではないようだ。

 体温は正常域だったが、寒気を訴えていたので、肺炎などの感染症も疑った。頭痛はないが、家で1回嘔吐いていた。2~3日前が調子が悪くなったというので急性の発症だった。

 左前腕に打撲して少し切創を作っていた。左手背に皮下出血が目立つ。ふらついて転倒・打撲したようだ。胸部X線・心電図(入院時検査として)・頭部CTの画像検査と血液検査をすることにした。若いころに下肢の外傷で金属が入っているので、MRIはしなかった。

 放射線室に車いすで行ったが、横臥した状態からの起き上がりが大変だった。座った姿勢から車いすに移乗するのも時間がかかる。両上肢を拳上はできるが、ある程度上げたところで肩が痛くて止まってしまう。蹲踞からの起き上がりはできなかった。普段はそのくらいはできる方だった。

 胸部X線で肺炎像はなかった(この患者さんは内臓逆位)。白血球数6800でふだんの5000よりは若干多いか。CRP0.6とわずかな上昇だった。印象としては、リウマチ性多発筋痛症(PMR)疑い。

 CK726と上昇してAST43・LDH276と筋原性酵素が上昇していたが、多発性筋炎を疑うというよりは、転倒打撲によると思われた。外注検査の提出は休み明けになる。ウイルス性筋炎で短期間に回復した患者さんを以前診たことがあるが、それもあるのか。

 ひとり暮らしで付いてきた家族も入院希望だったので入院にした。感染症に注意しながらPMR疑いとしてプレドニン10mg/日を3日間投与して経過をみることにする。

 

 当直は外科医(大学病院からのバイト)だったが、飲酒して転倒した患者さん(病院でも暴言・暴行が続く)や、飲酒して呂律が回らなくなった患者さんなど正月らしい(?)患者さんが受診していた。お疲れ様でした。

 

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