なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

COPD急性増悪

2019年01月17日 | Weblog

 昨日は内科の若い先生(内科専攻医)が内科新患を担当していた。内科クリニックからCOPD急性増悪の70歳男性が紹介されてきた。アドエア吸入が処方されていたが、一昨日に喘鳴がひどくなって受診していた。デカドロン点滴静注(mg数は記載なし)を行ったが、改善しないと記載されていた。

 当院受診時は、酸素5L/分で酸素分圧と二酸化炭素分圧がどちらも50mmHg台だった。デカドロン注(正確にはそのジェネリック)を行って、若干喘鳴が軽減して、酸素飽和度が酸素2~3L/分で90%台まで改善していた。

 1日40本を50年の喫煙者で、「タバコはやめた」と言っていたが、「いつからですか」と訊くと「つい最近」と答えた。これまでも喘鳴があったので、ACO(asthma and COPD overlap)だった。胸部X線・CTで気腫騎性変化があり、一部に淡い斑状影があり、CRPも軽度だが上昇していた、感染症併発による増悪と判断された。

 入院して、デカドロン注・ネブライザー・抗菌薬(セフトリアキソン)で経過をみることになった。数日ステロイド点滴静注を行って、漸減中止できれば(2日おきくらいに8mg~4mg~2mgなど)、あとは吸入ステロイド(ICS/LABA)のみとするが、こじれるとプレドニン内服に切り替えてゆっくり漸減中止にしている。

 アドエアは同メーカーのレルベアに変更してもいいかもしれない。紹介してきた内科クリニックでも最近はレルベアを使用していて、アドエアが処方されているのはずっと以前からの処方のままになっていたと推定される。

 禁煙しても肺機能は改善しないが、急性増悪は起こりにくくなるはずだが、できるかどうか。

 

 今日は、一昨日に基幹病院から転院してきた間質性肺炎の86歳女性の家族に来てもらった。入所していた施設をどうしましょうかと訊かれたが、施設で過ごせる見込みがないので、いったん退所してもらうことにした。

 当院で1か月くらい経過をみて、安定していれば療養型病床のある病院と交渉する方針とした。当院入院中に原疾患の悪化・心不全の悪化・細菌性肺炎の併発で終わってしまうかもしれない、ともお話した。病状悪化時はDNRとした。

 来たのは息子のお嫁さんで、夫は先生にお任せしますと言っていましたという。認知症の徘徊で困っていて、1年前にやっと施設に入所したという経緯だった。幸いにというか、自宅が地元の療養型病床を持つ町立病院のすぐ近くで、転院依頼はその病院にすることにした。

 

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