なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

webでの学会参加

2021年10月31日 | Weblog

 水曜日から金曜日まで日本感染症学会と日本化学療法学会合同の学会開催があった。学会場とwebでのハイブリッド開催だった。

 病院にいて診療の合間に視聴するので、ちゃんと見れなかったりする。絶対見たいところは、極力医局に戻って見ていたが、中途半端になってしまう。

 今回はやはりCOVID-19に関するものが多かった。それに今年もインフルエンザは流行しないだろうという予測だが、それに備えるというものだった。

 忽那先生のCOVID-19の後遺症の講演と、三鴨先生のCOVID-19とインフルエンザをからめた教育セミナー(ランチョン)は聴くことができた。

 木曜日は当直で、興味のあるイブニングセミナーを見る予定だったが、外傷の救急搬入があって見られなかった。やはり、web参加もきちんと休みをとって視聴するようにしないと難しい。

 来週の木曜から土曜は、消化器病学会をwebで視聴するが、また中途半端は視聴で終わってしまうかもしれない。

 

 COVID-19で入院していた40歳男性が、後遺症で通院している。嗅覚・味覚障害は続いていて、時々変に味を感じることがあるそうだ。倦怠感も続いていて、急に強くなることがあるのが通常の疲労と違うことろだ。罹患するまではなかった頭痛もある。

 県内では新型コロナの後遺症を診てくれる外来がないこと、治療は対症療法だけで特別な治療がないことは伝えている。大抵の後遺症は6ヵ月で軽快・消失するようなので、それを期待してもらうことにした。希望で頭痛時の鎮痛薬(アセトアミノフェン)を処方した。次回外来予約があった方が安心というので、1か月後に入れている。

(忽那先生のヤフーニュースの図)

 

 

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戻ってきた

2021年10月30日 | Weblog

 先週の月曜日に地域の基幹病院呼吸器内科に搬送した左膿胸の90歳男性は、胸腔ドレーンを挿入して洗浄の処置を受けていた。

 月曜に搬送して、木曜日には当院に戻したいという連絡が来ていた。今週の月曜日に胸腔ドレーンを抜去して、火曜日に戻ってきた。胸部X線でみると、左肺全体の病変が半分くらいには軽減していた。

 引き続き抗菌薬を継続して、画像や炎症反応をみて、途中から抗菌薬を内服に切り替えてもよいとあった。戻ってきたが、食事摂取はあまりできず、まだまだ軽快していくには時間がかかりそうだ。

 家族もこれ以上の治療は希望していない、と記載されていたのは、その後は当院で最後まで(最期まで?)診るようにということだろう。

 

 先週の土曜日に、やはり基幹病院外科に搬送した上腸間膜動脈症候群の91歳男性は、搬送後にうまく消化液が通っていた。2日間NGチューブから800ml、900mlと吸引されたので、通っていないと判断したが、それが効いていたのかもしれない。

 相談していた当院の外科医にその旨を話すと、救急車に揺られたのが効いたのかと、冗談半分に言っていた。ただ、水分摂取後に嚥下調整食2-1まで上げた状態で戻された。少しずつ食事形態を上げていかないと、また十二指腸水平部で動脈に挟まれてしまう。(家族には、そのまま自宅退院でもいいといわれたそうだ)

 臥位にすると動脈に挟まれるので、食後は座位を保つようにして、それ以外の時も半座位を保つようにする。消化管運動薬も効くかどうかわからないが、内服してもらう。

 診療情報提供書には3行の記載で、保存的に軽快とだけあった。どうして送ってきたのか、という感じだった。結果的には、もう少し当院で粘るればよかったことになる。

 

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大腸憩室出血

2021年10月29日 | Weblog

 昨日、地域の基幹病院消化器内科から96歳男性が転院してきた。大腸憩室出血の既往があり、今回も大腸憩室出血・出血性ショックで入院していた。

 前回は大腸内視鏡検査を行って止血したが、今回は内視鏡的止血はできなかった。放射線科でintervensionとして動脈塞栓術を行って止血していた。

 さらに、ずっと白血球数3万台が続いていた。血小板増加があり、貧血は出血で修飾されているので、判断し難い。週に1回来ている血液内科医に相談したところ、骨髄異形成症候群(MDS)か骨髄増殖性腫瘍(MPN)だろうといわれたが、超高齢なので精査自体しないということになった。

 紹介目的は(出血性ショック時などに)看取りも含めた緩和ケアをお願いします、ということだった。また大腸憩室出血・出血性ショックになった際に診るのは勘弁して下さいということだろう。

 家族は難聴の妻と関東圏から来ていたひとり娘が来ていた。当院では現在緊急内視鏡はできない。輸液・輸血の治療しかできないことを伝えた。大腸内視鏡も処置内視鏡になると時間が長くつらい。そこまではいいです、ということだった。

 血液疾患は確かにありそうで、それが悪化した際も対症的な治療になる。MDSよりはMPN(慢性骨髄性白血病?)ではないか。

 

 介護タクシーで転院してきたが、車の中で嘔吐してしまった。転院時から痰がからんでいたが、その夜から高熱が出た。嘔吐のためか、あるいは先方の病院にいた時からかもしれないが、肺炎の治療から開始することになった。

 

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空の浴槽にいた

2021年10月28日 | Weblog

 昨日、糖尿病・PCI後などで通院している79歳男性が救急搬入された。妻二人暮らしで、ふたりとも認知症だが、夫の方が軽度だった。

 妻はショートステイ入所していて、ひとりだった。近くの娘さん(介護職)が通ってお世話している。前々日には電話で話をしていた。その日訪問すると、裸で空の浴槽の中にいて、下肢が浴槽から出ている格好になっていた。意識はふだんよりぼんやりしているが、返答はあった。

 

 当院に救急搬入されて、内科の別の先生が診た。救急当番は神経内科医だったが、内科通院の患者さんなので、最初から内科にふったらしい。(当方は外来を診ていて、来週の休日の分の予約もあってとても対応できなかったので遠慮されたか)

 頭部CTさらにMRIも行ったが、新たな脳血管障害はなかった。胸腹部CTで肺炎像もなく、腹部疾患も指摘できない。(心電図も新規の変化なし)

 白血球17600・CRP10.1と炎症反応が上昇して、CK7011・AST162・LDH656と筋原性酵素の上昇があった。血糖は103mg/dlと高血糖でも低血糖でもなかった。

 入院として、点滴と抗菌薬投与(尿路感染症?とされた)で経過をみることになった。炎症反応の上昇も含めて、横紋筋障害のような気はするが、感染症も併発も否定はできない(肺炎になるかもしれない)。

 

 お湯のちゃんと入った浴槽でひっくり返っていたら危なかった。一晩は裸のままでいたのだろう。

 

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認知症の薬は難しい

2021年10月27日 | Weblog

 79歳男性は昨年に帯状疱疹様の痛みで受診した。明らかな皮疹はなかったが、無疱疹性として帯状疱疹の処方をした。

 その後軽減はしたものの、痛みが継続するので、神経障害性疼痛の処方をして経過をみていた。あまり気にならなくなったようなので、治療終了かと思った。

 今年の春に、いつも連れてくる妻から、認知症で困っているという話がでた。確かに患者さんは自分の症状を短く言うが、それが終わるとさっさと帰る人だった。

 ふだんはあまりやる気がないが、何か言うと急に怒り出してしまうそうだ。認知症としての症状と思われた。神経内科に通院しているが、処方はめまい薬だけだった。

 妻に、せっかく専門の先生の外来に通院しているので相談してみたらと伝えると、話を聞いてくれないと言われた。同じ処方で簡単に済ませているのだろうか。

 内科で診るのも変な気がしたが、頭部MRIと認知症の検査(リハビリ担当で施行してくれる)を行った。確かに認知症相当ではあった。パーキンソン症状はなく、前頭側頭型というほどの症状はない。

 ドネペジルだと興奮しそうなので、ガランタミンにして開始した。4mg朝夕から開始して、8mg朝夕にしていった。妻の話では内服前よりは対応しやすくなっているようだ。

 その後、妻から夜間に寝ないので困ると言われた。糖尿病外来(大学病院から)に通院していて、眠れらないと伝えると、ラメルテオン(ロゼレム)が処方されたが、効かないという。(すぐには効かない薬だが、1か月してもあまり効いていない)

 抗精神薬としては、糖尿病があるのでオランザピン・クエチアピンは使えないので、リスペリドンになる。あまり使いたくなかったので、デジレル25mgを試してみた。妻の話では、デジレルを飲んでからいいようだという。

 

 肺炎・心不全で入院した98歳女性は、抗菌薬投与・利尿薬の調整で軽快した。嚥下調整食3を摂食できる。認知症で精神科病院に通院していて、メマンチン10mgとリスペリドン0.5mgが処方されていた。

 入院後は絶食にして、内服薬も休止としていたが、軽快するにつれて夜間不穏が目立つようになった。日中も何かしゃべっている。寝る前にラメルテオン(ロゼレム)を出してみると、案外良眠できていた。 

 メマンチンも再開した。1週間内服すると、日中しゃべらなくなり、病棟の看護師さんからおとなしくなりすぎといわれた。メマンチンによる過鎮静らしいので、中止して経過をみることにした。

 

 79歳男性もメマンチンを追加するか、メマンチンの単独投与にした方が、いいかもしれない。

 

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咳がひどくて入院希望

2021年10月26日 | Weblog

 昨日内科新患を診ていた先生(大学病院からバイト)から、入院させたい患者さんがいると連絡が来た。66歳女性で、咳がひどく、入院を希望しているということだった。

 2週間前に発熱があり、かかりつけ(高血圧症)のクリニックで抗菌薬(内服)が処方されていた。すでに解熱しているが、咳がひどかった。(発熱があったので、当院発熱外来扱いで新型コロナの検査が入って陰性)。

 胸部X線・CTで肺炎はなく、炎症反応は(すでに)陰性だった。喘息発作かと思ったが、喘鳴はないという。

 画面で確認すると、何度か外来と入院で診ている患者さんだが、あまり覚えていなかった。外来に行って診察すると、やはり喘鳴はなく、強制呼気でも喘鳴はない。

 とりあえず、希望通りに入院とした。とりあえずは感染後咳嗽、あるいは咳喘息に準じて治療することにした。改めて、これまでの経過を確認してみた。

 

 2010年に気管支炎として外来治療をしていた。胸部X線・CTで両側肺の背側胸膜下に軽度の間質性肺炎像を認めた。そして手指の腫脹とレイノー現象があることから、強皮症に関する外注検査をしていた。

 抗核抗体・抗Scl-70抗体・抗セントロメア抗体が陽性だった。症状と検査所見からは全身性強皮症になる。

 地域の基幹病院呼吸器内科に紹介していたが、今だったら肺病変は経過観察になるので、リウマチ膠原病科に紹介するだろう。

 患者さんは膠原病といわれたことを、看護師の娘さんに相談していた。娘さんからリウマチ膠原病で有名な先生のクリニックを受診するよう勧めた。受診して、限局性強皮症といわれたそうだ(患者さんの話)。

 とりあえず、生命に支障がないのでホッとしたという。(肺病変があるので、全身性になるが)しばらく通院したが、ここ3~4年は受診していない。

 

 今回の胸部CTで見ても、間質性肺炎像は2010年とほとんど変化がなかった。気管支拡張症も変化は認めない。

 30歳代から咳・痰が1年中あり、夏は軽快するという。喘鳴は自覚していないそうだ。風邪をひいたりすると悪化する。高血圧症で通院しているクリニックで鎮咳剤が処方されたり、当院の内科外来で数日分の気管支炎の処方が出たりしていた。

 2013年に咳が続いて当院に入院していた。明らかな肺炎像はなく、炎症反応も軽度だった。喘鳴はなかったが、とにかく咳がひどく、喘息発作に準じて治療をして軽快した。

 外来で吸入ステロイドを継続して、呼吸器外来の先生(大学病院から)に回していた。2年くらい呼吸器外来に通院したが、その先生が外国に留学することになり、その外来がなくなるので、クリニックに紹介していた。

 その後、2020年11月には急性肺炎で当院に入院した。抗菌薬投与で肺炎は治癒した。これまでの咳の既往があり、吸入ステロイドを継続して下さいと、クリニックに診療情報提供書を出していた。

 

 間質性肺炎はあるが、ここまで咳がひどくなる原因としては合わない。気管支拡張症は副鼻腔炎の既往がなく、間質性肺炎による牽引性になるのだろうか。

 咳と痰は気管支拡張症の慢性気道炎症としていいかどうかわからない。今年の4月からまた当院の呼吸器外来(留学から戻った先生)に通院していた。β2刺激薬の吸引と鎮咳剤を処方していた。少量マクロライドを開始したが、口内炎・口角炎で休止となった。

 どういう病態なのだろうか。

 

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安価な治療でお願いします

2021年10月25日 | Weblog

 9月1日に地域の基幹病院から転院してきた69歳男性は、糖尿病で治療していた。

 65歳以前から何度か入院していたが、認知症があり性格が粗暴でもあり、入院治療継続が困難で入院後早期に退院になることがあった。

 その後当院の糖尿病外来に通院していた。身長166cm、体重120kgで見るたびに身体が大きくなっていた(現在104kgに減量している)。HbA1cが8~9%台で推移していた。

 直近の処方は、GLP1受容体作動薬のトルリシティアテオス注週1回皮下注、メトホルミン1000mg/日、SGLT2阻害薬(フォシーガ5mg/日)だった。

 大学病院から来てもらっている専門医が診ていて、肥満患者のお手本のような処方になっている。HbA1c6.7~7.2%と良好な血糖コントロールだった。

 自宅にいると次々に食べてしまっていたそうだが、入院すると病院食しか食べられない。認知力低下と廃用症候群で、介助で車いす移動程度なので、自分で売店で食べ物を買ってくることもできない。

 案外空腹で大声を上げたりはしなかった。声掛けをしながら、動いてもらうが、気に入らないと声を荒げることはある。

 在宅介護が困難なのと(妻だけでは動かすことができない)、肺胞低換気と睡眠時無呼吸症候群で酸素飽和度の低下がある(変動が大きく酸素不要の時もある)。先方の病院では、CPAPの適応だが、到底装着していられないので導入せずとあった。

 ソーシャルワーカーが施設を探していて、在宅酸素療法でも受け入れている施設を当たっていた。先方の施設からトルリシティ注は高額なので、変更できないかという指摘があった。

 値段を確かめると、3419円で1か月(4週)では13676円になる。確かに高い。DPP4阻害薬変更にすると、ジャヌビア50mg錠で3927円になる。

 メトグルコは1か月1212円で安価だ。ただ、フォシーガ5mgは1か月5853円でそれなりに高額だった。

 低血糖になりにく処方なので、最近のHbA1c6.1%でも継続していたが、フォシーガは休止してもよさそうだ。メトホルミン+DPP4阻害薬の基本薬だけでいけると思う。可能ならさらにメトホルミンだけにできる?。(この患者さんは10年前から入院費は未払いなので、そもそも施設に入れるだろうか)

 

 以前、施設からサムスカが中止できれば入所可能といわれたこともあった。循環器科で心不全に対して、ループ利尿薬とスピロノラクトン、サムスカが処方されていた。サムスカ7.5mg錠は1錠1298.5円なので、1か月で38955円になる。これでは施設が赤字になってしまう。

 施設に入るために、サムスカを0.5錠に減薬して、さらに中止とした。何度も心不全で入院した既往があり、胸水は軽度に残るが、その条件で施設入所となった。(本来、急性に使用して中止する薬ではある)

 

 

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上腸間膜動脈症候群

2021年10月24日 | Weblog

 1週間前に軽度の肺炎で入院した91歳男性は抗菌薬投与で軽快していた。夜間にトイレに行こうとして転倒して頭部に切創をつくり、当直医に2針縫合してもらった。

 抜糸したら退院のつもりでいたが、水曜日の朝から胆汁性嘔吐が断続的にあった。腹部CTで確認すると、胃から十二指腸水平脚まで著明に拡張していた。あれか、と思った。

 外科医に相談すると、上腸間膜動脈症候群だろうと言われた。34㎏のやせた老人で、入院後も食事は摂取していたので、さらに痩せたわけではない。

 NGチューブを挿入して、胆汁混じりの消化液を600ml吸引した。同量の空気も引けた。引けなくなったところで、そのまま留置した。

 横臥すると余計に十二指腸が圧排されるので、前屈みにしたい。背中が曲がっているので、半座位にするとちょうど前屈みのようになった。

 とりあえず、翌日まで入れて、翌日の状態でNGチューブを抜くか、そのまま挿入を継続するか決めることにした。家族には保存的に治療して、難しい時はバイパス術もあると説明した。

 2日間800~900ml/日消化液が吸引されて、通過する見込がなく、地域の基幹病院外科に搬送となった。

 

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急性腎盂腎炎~翌日には血液培養陽性

2021年10月23日 | Weblog

 水曜日の当直の時に、高熱の92歳女性が救急搬入された。隣町の診療所に高血圧症などで通院していた。

 酸素飽和度の低下がなく、呼吸器症状はなかった。肺炎ではなく、尿路感染症(急性腎盂腎炎)と予想された。

 搬入時に血圧が90台だったが、意識は清明で普通に会話ができた。ふだんは高血圧症なので、感染症で血圧が低下して、すなわち敗血症性ショックと考えらえれた。

 胸部CTで肺炎像はなく、胆道系にも異常はなかった。尿路感染症でいいようだ。尿路閉塞を来す病変ははなかった。

 血液培養2セットと尿培養を提出して、抗菌薬(セフトリアキソン)を開始した。入院後は38℃から40℃まで体温が上昇した。点滴を持続で行って、側管から乳酸リンゲル液を短時間で追加すると血圧は100くらいになった。

 翌朝は食事摂取できなかったが、体温が38℃を下回ると、昼からは食事摂取できるようになった。お昼には細菌検査室から連絡がきて、血液培養2セットと尿培養からグラム陰性桿菌が検出されたという(提出12時間後)。太い菌でおそらく大腸菌だろということだった。

 急性腎盂腎炎・菌血症・敗血症性ショックということになる。抗菌薬はそのまま継続とした。

 (検出されたのは、Klebsiella pneumoniaeだった)

 

 

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肝膿瘍・褥瘡感染

2021年10月22日 | Weblog

 火曜日は別の内科医が当直だったが、その日の午後から救急外来担当だった。午後4時過ぎに救急搬入された92歳女性を診て、そのまま当直の時間まで検査を続けて、入院としていた。

 長女と二人暮らしをしているが、その長女はどうも理解力があまりないらしい。3~4日前から開眼しなくなっていたという。当然食事もとっていない。別居の二女が、そういう状態にいることに気づいて救急要請となった。

 1年前から寝たきり状態にはなっていた。意識は痛み刺激で多少手足が動いたりするくらいだった(JCS200)。腸骨部に褥瘡があり、感染を併発していた。

 頭部CTでは脳委縮と多発性ラクナ梗塞を認めるが、新規の病変はないようだ。胸腹部CTで肺炎像はなかったが、肝臓内に空気を含む低濃度の腫瘤があり、肝膿瘍と判断された。

 点滴、低血圧に対する昇圧薬(ノルアドレナリン)、抗菌薬が開始された。治療に反応せず、心肺停止に陥った時にはDNARとなった。

 

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