なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

爪のトリセツ

2023年02月28日 | Weblog

  NHKで2023年2月2日に放送された「あしたが変わるトリセツショー」はテーマが「爪」だった。

 「爪 基礎から臨床まで 改訂第2版(金原出版)の著書で有名な東 禹彦先生が出演されていて、番組の監修をされていた。知らないことばかりで参考になる。

 

爪 基礎から臨床まで 改訂第2版

 

 トリセツ01 爪を見て爪を切るな!

 ポイントは「爪は指先と同じ長さに整えよう!」。大抵の人は爪を指先より短く切る≒深爪になっていて、専門家が正しいとする爪の長さは指先と同じ長さだった。そうすると、①指先に力が入る、②陥入爪(かんにゅうそう)を防ぐ、③肌荒れ改善、の効果がある。

 確かに指の骨は先端まで達していない。ただ指と同じ長さにすると、特に男性では爪を伸ばしている(ちゃんと切っていない)という感じは受ける。

 

 トリセツ02 爪は一度に切るな!

 ポイントは「アーチを潰さないように少しずつ切るべし!」。 爪は3つの層が重なってできているので、一度に切ると層がはがれ二枚爪になる、ちょこちょこ切って二枚爪を防げ!、なのだった。

 

 トリセツ03 爪のウキウキパワーを手に入れろ!

 ポイントは「ネイルで気分が上がるは本当だった!」。この辺はいかにもテレビ番組で、こういう要素がないと視聴率は取れないのだろう。心理学的には大事なことなのかもしれない。

https://www.nhk.or.jp/program/torisetsu-show/2022_tsumenail.pdf

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アルコール性肝硬変の発熱

2023年02月27日 | Weblog

 先々週は急性期病床でコロナのクラスターが出た。先週、地域包括ケア病棟に入院している患者さんに転院前のPCR検査をしたところ、陽性と出て騒ぎになった。

 認知症の不穏(BPSD)がひどく、施設入所は困難で、精神科病院に転院予定だった。転院先の病院の条件に、直前にコロナのPCR検査陰性を確認というのがあった。患者さんは以前から平熱~微熱で経過している。

 同室者(濃厚接触者)のPCR検査を行ったが陰性だった。職員は無症状で特に問題がなかったが、無症状の感染者だとわからない。数日経過をみて、その患者さんだけだったので、それで治まるのだろうと思われた。

 金曜日の夕方に、別の内科の先生が診ているアルコール性肝硬変の74歳男性が高熱出たと、感染管理ナースが連絡してきた。担当医がPCR検査を提出するところだという。

 どんな患者さんか確認すると、12月初めに発熱で入院していた。肺炎・尿路感染症はなく、炎症反応の上昇と肝機能障害を認めたことから急性胆嚢炎とされていた。抗菌薬投与(スルペラゾンCPZ/SBT)投与で軽快している。

 腹部CTをみると、胆嚢が萎縮していて胆嚢炎と言い難いか。肝硬変による腹水があり、腸間膜脂肪織に炎症像がある。原発性細菌性腹膜炎spontaneous bacterial peritonitisだったのかもしれない。

 

 1か月後の1月の腹部エコーではまだ腹水があり、胆嚢内に結石はなく、debrisが貯留していた。入院時、胆嚢炎もあったのか。CTの読影レポートで胆嚢癌の疑いもあるとなっていたが、エコー上は腫瘍はなく、腫瘍マーカー(CEA、CA19-9)は陰性だった。

 

 感染管理ナースには、おそらく細菌感染ではないかと伝えて、結果待ちとなった。午後5時半に、コロナのPCR検査は陰性と出た。

 発熱の検索で、血液検査の炎症反応上昇はまだ軽度だったが、ふだんより肝機能障害は目立った。腹部CTで胆嚢の炎症像はあるのかもしれない。スピロノラクトン投与で腹水は消失していた。

 胆嚢炎再発として抗菌薬(スルペラゾンCPZ/SBT)が再開されて、翌日から解熱軽快していた。

 

 急性期病棟のコロナクラスターも本日で解除となる(いったん発生すると治まるまで2週間はかかってしまう)。救急隊には大分迷惑をかけたが、やっと平常営業。

 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

祝10年生存

2023年02月26日 | Weblog

 高血圧症の88歳男性は、妻といっしょに2か月に1回受診している。不眠と腹部の不快感などを訴えて、器質的な異常がないことから、SSRIも処方されている。

 奥さんはその辺のことがわかっている。といって、いちいち気にして困った人だというわけでもなく、暖かく見守っている感じがする。

 

 2019年1月にがんセンター泌尿器科から前立腺癌治療後のフォロー依頼があり、当院の泌尿器科にも通院している。

 泌尿器科医は、北関東の中心的な病院に勤務していたが、そこは60歳定年だった。就職先を探して、経緯はわからないが当院に赴任された。65歳定年だが、さらに3年間定年延長して(慣例で3年まで可能)その後は非常勤として来ている。(施設の嘱託医もされている)

 電子カルテには患者サマリーを記載するところがなく、(当方もだが)簡単な経過を付箋で貼っている。便利だが、カルテを開くと右上に出るので、患者さんにも見える。(腎臓内科の先生は、カルテ記載日を1年後にして経過を入力している。これだとサマリーが診察記録の最初にくる。)

 

 この患者さんの泌尿器科の付箋には、前立腺癌が記載されている。2012年に健診で血清PSA高値を指摘されて、がんセンター泌尿器科を受診していた。生検で前立腺癌と診断された。

 限局性癌でリンパ節転移、遠隔転移はなかった(画像上)。しかしリスク分類で血清PSA、組織像のGleasonスコア、T-病期がいずれも高リスク相当だった(高リスクは1因子でも満たせば高リスク)。

 治療は、ホルモン療法併用の放射線治療となった。まずホルモン療法が行われて、血清PSAが正常域になったところで、放射線療法(強度変調放射線療法intensity-modulated radiation therapy:IMRT)が行われた。その後、2年間ホルモン療法が継続された。

 半年に1回血清PSAが測定されているが、正常域で問題ない。現在は、過活動性膀胱に対してβ3刺激薬が処方されている。前立腺癌の治療から10年生存したのだった。

 

 心気症傾向がある患者さんは、わずかな自覚症状でも受診するし、健診をしっかり受けている。いろいろな訴えがありながら結果的に長生き、という患者さんのパターンがある。

前立腺がん | 独立行政法人 労働者健康安全機構 大阪ろうさい病院

Prostatic carcinoma 前立腺癌

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アルツハイマー型認知症(AD)

2023年02月25日 | Weblog

 水曜日に糖尿病・高血圧症で通院している78歳女性が、夫に付き添われて予約外で受診した。家族(別居の息子)が書いた手紙を持ってきた。

 この患者さんは市内の他院に通院していたが、一昨年に担当医が入院したことから(その後、亡くなられた)、夫が通院している当院に通院するようになった。

 普段は2か月に1回、夫と同じ日に受診している。血糖と血圧はコントロール良好で、特に訴えがなければ、家庭血圧の確認と血液尿検査の結果を確認するだけになる。認知症とは把握していなかった。

 

 息子さんの手紙によれば、1年半くらい前から物忘れや同じ事を繰り返して話すことがあった。加齢によるもの(生理的物忘れ)かと思っていたそうだ。

 最近になって、買い物をした直後に買い物をしたことを忘れていることから、おかしいと思ったそうだ。ちょっと複雑なことを説明すると理解できないという。認知症の診察・検査と、場合によっては他の医療機関への紹介をお願いします、という内容だった。

 同居の夫も、物忘れが多いとは思っていたようだが、家事で問題になることはなかったようで、病的とは認識していないようだ(認知症と思いたくない?)。

 

 頭部MRI検査を入れて(お昼前に空きがあった)、聴覚言語療法士に認知症などの検査を依頼した。幸いお昼には外来診察が終わったので、結果を確認した。

 頭部MRIでは脳委縮があり、VSRADのSeverity of VOI atrophyは1.59で「関心領域の萎縮がやや見られる」だった。明らかい萎縮があると思うが。(後日結果がきた放射線科の読影レポートは「軽度脳委縮」とシンプルだった。)

 MMSE(mini-mental state examination)は22点でぎりぎり「認知症の疑い(22~26点)」になる。うつの検査でうつはなく、身体機能はまったく問題なかった。

 HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール Hasegawa Dementia Scale-Revised)はしていなかったので、自分で行った。しばらくやってなかったので、用紙が外来のどこに置いたかわからなかったが、看護師さんが見つけてくれた。

 年月日・曜日のところから問題があった。月は分かるが、それ以外は出てこないか、違っている。アルツハイマーに特徴的な行動として、「取り繕い」はなかったが、分からないとすぐに夫の方を振り向く「振り向き徴候」が見られた。

 長谷川式の結果は、17点で認知症相当だった。長谷川式は遅延再生の項目の評価が高いので(長谷川式は2点×3で6点、MMSEは1点×3で3点)、これができないとMMSEより点数が3点低くなる(桜・猫・電車を、他の検査後に後で聞くと覚えていない)。

 

 夫に認知症の治療で希望する病院があるか訊いてみた。運転免許証も返納して遠くの病院には行きにくいので、当院で診てもらいたいという。ドネペジルで治療を開始するが、希望する病院があれば紹介するので、息子さんに訊いてもらうことにした。

 (院内の脳神経内科外来はあるが、脳梗塞後遺症やパーキンソン病の治療で忙しいので、この処方で経過をみて下さいで、終わってしまう。ADはcommon diseaseなので。)

松下 ER ランチ・カンファレンス: 改訂「長谷川式簡易知能評価 ...

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

非結核性抗酸菌症

2023年02月24日 | Weblog

 呼吸器外来に通院している、非結核性抗酸菌症(NTM)の67歳女性の患者さんが気になった。2012年に胸部X線の健診で異常影を指摘されて、呼吸器科の外来(大学病院感染症内科からバイト)を受診していた。

 

 両側肺の胸膜下などに陰影が散在している。症状は咳が続くということだった。精査目的で胸部CTが行われるが、なぜかCTは施行されていない。

 抗酸菌の検査(塗抹と培養)が1回提出されて、結果は陰性だった。その後は咳喘息に準じたような治療(ICS/LABA吸入など)が行われている。クラリスロマイシン(CAM)の単独投与が行われていた。

 一度結核予防会県支部の複十字健診センターに紹介されている。喀痰検査が行われて、菌は検出されていなかった。おそらく胸部CTは施行できるが、気管支鏡検査まではしないのではないか。

 

 2015年に担当の先生が留学したので、呼吸器センターのある病院から来てもらうことになった別の先生が担当になった。その時初めて(少なくとも当院では)胸部CTが施行された。

 

 右中葉と左舌区に病変があり(上葉にも病変を認める)非結核性抗酸菌症らしい陰影だった(結節気管支拡張型)。気管支鏡検査目的で、自分の病院に紹介していた。気管支鏡検査による喀痰検査で、Mycomacterium aviumが検出されて診断が確定していた。

 CAM+RFP+EBの治療が開始されたが、その後副作用でCAM+EBになった。その後、CAM+EB+STFXの3剤投与が2年間行われた。中止して再燃ということで、同じメニューで3年間投与された。

 診断確定後は、NTMの喀痰検査は行われていないので、現在は排菌しているか同課はわからない。昨年の胸部CTでは肺陰影は、診断当初よりは増えているようだ。

 

 

 非結核性抗酸菌症を自分で診ることはないので、経過が長いなあとか、感受性のある抗菌薬は限られているのでへたに治療しないでおこうとか、思うくらいだが。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

器質化肺炎

2023年02月23日 | Weblog

 3月で終了する呼吸器科の先生が、患者さんたちを他の呼吸器科外来や、院内の他科、さらには他院に振り分けていた。この時期は全国の病院で、このようなことが行われているのだろう。

 

 現在70歳の男性は、昨年春に市内の他の病院からその先生の所属する専門病院に紹介されていた。いわゆる「抗菌薬の効かない肺炎」だが、その病院にも呼吸器科の医師がいるので、精査・確診のための紹介だったかもしれない。

 右肺の2か所(中葉と下葉)にair bronchogramを伴う浸潤影がある。2か所に細菌性肺炎が起きたというよりは、やはり「普通の肺炎ではない印象」がある。

 気管支鏡検査でBALFと組織診が行われて、器質化肺炎organizing pneumoniaと診断されていた。プレドニン20mg/日から開始して、症状軽快している(現在は5mg/日になっていた)。その病院から当院外来に出張で来ていることから、当院の呼吸器外来で経過をみていたのだった。

 その後の漸減中止の仕方、中止後の再燃時に対処を記載して、患者さんを元の紹介病院に戻していた。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

肺癌のフォロー

2023年02月22日 | Weblog

 火曜日に呼吸器科外来に来ている先生(専門病院からバイト)が、肺癌の91歳女性の画像を見ていた。4月以降は来なくなるので、他の先生に半年後のフォローを依頼していた。

 昨年(2022年)5月に市内の医院から、呼吸器外来に紹介されていた。胸部X線で左肺に異常陰影(結節影)があり、委員から当院の放射線科にCT検査依頼をしていた。CTの結果は「肺癌疑い」だった。

 

 今年の2月のCTでは、昨年と比較すると結節影はやや増大していた。年齢的に治療対象ではないので、このまま経過をみていくだけになる。

 

 この患者さんは2020年2月にうっ血性心不全で当院循環器科(当時はあったが閉科)に紹介されている。「死んでも入院はしない」といって、外来で利尿薬(アゾセミド30mg、スピロノラクトン25mg)が処方されて、浮腫は軽快していた。

 その後、入院してもいいとなって、治療というよりは喧嘩が入院で行われた。心カテも行われて、冠動脈狭窄はなし、と診断されている。高血圧症を基礎とした拡張障害となっていた。その後は紹介元の内科医院に治療継続が依頼されていた。

 その時の紹介に、医院で撮影した胸部X線が送られてきていたが、今見るとその時も左肺の異常影(結節影)はある。

 そこからとすると、あまり変わりないようで、治療対象にならなくて半年おきのフォローは必要かという気もする。気が付いたら胸水貯留(癌性胸膜炎)で呼吸困難、というよりはいいのだろうか。(医院での胸部単純X線のフォローで十分だと思うが)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「病棟指示と頻用薬の使い方」

2023年02月21日 | Weblog

 「病棟指示と頻用薬の使い方」(羊土社)が出た。湘南鎌倉総合病院の山本大介先生が、amazonのreviewを書かれて推薦していたので購入した。

 山本先生は「みんなの脳神経内科」(中外医学社)を出されて、CareNeTVでも講演している。今後も著書を出されたら、即購入することにしている。

 考え方が謙虚というか真摯というか、感心してしまう。CareNeTVで見ると、外見はチャラ男風だけど(すみません)。

 

病棟指示と頻用薬の使い方 決定版〜持参薬対応や病棟でのマイナートラブル対処まで、意外と教わらない一生使える知識の詰め合わせ

 

 

2022年12月21日に日本でレビュー済み

 
 内科系総論的な書籍は、なかなか読む気力がおきないので手に取る機会は減りました。しかしながら、今回本著を読ませて頂き、ある意味ゾッとしました。一応内科医として日々総合病院でそれなりの数の患者さんを見させていただいています。そして日々、自分の体に染みついた知識で、オーダリング・病棟指示を行っている訳です。
 しかしながら、自分が「体感的に/経験的に」身につけてきたそれは、果たしてどれくらい正しいのか?どれくらい妥当なのか?その根拠はあるのか?もしくは、実は間違っているのか?本著を読んで、正直不安になりました。
 一方で本著での学びは、もう一度立ち止まって、そんな今の自分の仕事を見直す指標になりうると思われました。
 病棟指示は、「病院内科診療」そのものです。レジデントにとっては言うまでもなく、マストバイの一冊です。指導医にとっては、もう一度我々が日々行っているリアルな「内科」を、レジデントと一緒に勉強し直す気持ちになる一冊です。私は問題ごとにレジデントと本著を参照しながら、今一度学び直しをしてみたいと思いました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

蜂窩織炎のCT・MRI

2023年02月20日 | Weblog

 2月初めから顔面蜂窩織炎の67歳女性が入院していた(2週間の入院)。2日前から右眼瞼が腫れて、痛みを伴っていた。腫れが左側にも広がって受診した。

 午後に受診して、午後の飛び込みの受診を診ていた腎臓内科医が診た。血液検査で、白血球15900・CRP17.7となかなかの上昇を呈していた。

 画像検査として頭部(顔面)のCTを施行していた。放射線科の読影レポートは「左眼科周囲から頸部にかけての蜂窩織炎」となっていた。

 入院は新規に赴任された先生(基礎医学の研究者で臨床に戻った先生)が担当となった。頭部(顔面)MRIも施行されて、「T2強調画像で高信号を呈して炎症によるものと思われます」となっていた。

 抗菌薬はスルバシリン(ABPC/SBT)とレボフロキサシン(LVFX)を併用して、すぐに解熱して順調に軽快していた。炎症反応も軽快して、疾患的には長めの治療だったかもしれないが、元気に退院していった。

 

 顔面の蜂窩織炎や丹毒で、画像をとることはこれまでしていなかった。無用の検査のようでもあるが、部位的には「眼球や眼窩内への炎症の波及を示唆する所見はみられません」というのが、大事なのかもしれない。

 自分で撮るかというと、たぶん普通はとらない。壊死性筋膜炎(壊死性皮膚軟部組織感染症)を疑って、時間的に余裕があればMRIをとるかもしれない。(抗菌薬もセファゾリン1剤で治療)

 珍しい?画像検査を見た、という話でした。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

肝腫瘍

2023年02月19日 | Weblog

 1月末から心窩部痛(重苦感)がするという訴えで、70歳代女性が受診した。症状は続いているが、その時々で程度は変わるそうだ。

 上部消化管内視鏡検査では過形成性ポリープと萎縮性胃炎があった。腹部エコーで脂肪肝を認めたが、肝左葉に低エコー域があった。まだら脂肪肝ともいい難い。

 腹部造影CTで確認すると肝左葉に腫瘍を認めた。肝細胞癌というよりは、肝内胆管癌が疑われるという放射線科の読影レポートだった。リンパ節腫脹があり、転移が疑われる。

 

 鎮痛薬としてアセトアミノフェンを処方して、がんセンターの予約を取った。胃壁に接しているか、浸潤しているかは判定し難い。リンパ節転移が大血管分枝近傍にあると、手術が難しい可能性がある。

 

 病棟でのコロナのクラスターで忙しい1週間だった。看護師さんの罹患は3名で、ふだんから看護師不足でぎりぎりなので、3名が休むようになると厳しい。病院安全担当の師長さんが、病棟の手伝いに入って動き回っていた。

 病棟は急性期病棟1、地域包括ケア病棟1、リハビリ病棟1に感染病棟1(対応は少人数)で運営している。これまではリハビリ病棟でのクラスターなので、リハビリ転院を延期すればなんとかなった。今回の急性期病棟のクラスターだと影響が大きい。新規入院を全部地域包括ケア病棟で受けるしかないので、頼み込んでやっと入れてもらうということになる。

 

 倉原優先生のyahoo newsに、5類になる5月までに次の波(第9波)が来るのでは、と載っていた。確かに間隔を考慮すると、2022年12月に第8波だと次は5月になる。

 

図2. 2月18日時点での全国の新型コロナ新規感染者数(筆者作成)

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする