なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

温泉に行って、胆嚢結石・総胆管結石

2014年02月28日 | Weblog

 昨日夫婦で温泉に出かけた67歳男性は、夕食前から心窩部痛が出現して、近くの病院を受診した。腹部CTで胆嚢結石・総胆管結石疑いと診断された。治療は当院を希望ということで(住所からいうと診療圏ではない)、紹介されて内科新患を受診した。心窩部痛は治まっていて発熱もなかった。

 外来で血液検査と腹部エコーを行った。血清ビリルビン4mg/dlで肝機能障害を認めた。腹部エコーでは胆嚢壁が3層に肥厚して腫大している。胆嚢内に結石とdebrisを認める。胃切除術後で、あとでビルロートⅡ法と判明した。胆道系の拡張はなさそうだったが、MRCPをとると総胆管内に結石を認めた、炎症反応は上昇している。胃切除術後ということで、内視鏡治療の適応がないと思って外科医に相談した。今日は緊急手術できる体制にないためか、消化器病センターのある病院へ紹介転送となった。

 午後は76歳男性が脳梗塞で救急搬入された。右中大脳動脈は閉塞していた。心房細動があり、反対側の血管が立派なことからも、脳塞栓と思われた。救急担当の外科医か連絡がきた。一人だけの神経内科医は午後不在だった。脳外科医(こちらも一人)に相談したところ、当地の基幹病院へ紹介してくれた。開眼すると話はできるが、すぐに閉眼してしまう。意識レベルは2ケタと判断された。寝ているものと思われて午後から気づいて救急要請したので、発症時期は正確にわからない。頭部CTですでに病変が描出されるので、6時間以上は経過しているのだろう。急性期を脳神経外科内科計6名の病院で診てもらって、その後に当院でリハビリを引き受けることになりそうだ。右前大脳動脈も閉塞しているが、同領域に脳梗塞は今のところない。

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下部消化管出血ー出血源は不明

2014年02月27日 | Weblog

 先週の土曜日に急性腎盂腎炎が治癒して退院した77歳女性が、昨日の午後に血便で受診した。直腸指診で確認すると(オムツにくすんだ赤い便が付着していたが)赤黒い便が付いてきた。自宅にいて午後0時ごろに腹痛を訴えて、午後2時に血便が出たという症状と年齢から虚血性腸炎を疑った。明らかな貧血はなく、むしろ血液濃縮気味だった。消化器科が忙しく仕事をしていたので、内科で入院とした。

 夜間(準夜帯)にも血便が排出したが、深夜帯になってからはなかった。消化器科は今日も忙しかったが(ESDなどをしていた)、応援の医師が来ているので頼んくれた。さっそく午後から診てもらうと、虚血性腸炎の所見はなかった。腸管内に凝血塊がへばりついて条件が悪いのにtotal colonoscopyで診てくれた。上行結腸まで出血があり、小腸にはない。明らかな憩室はなかったが、水できれいに洗浄しながらの観察で、angiodysplasiaは認めなかった。憩室出血が疑われるが、確定できないという結論になった。ただし、現在出血はしていない。このまま点滴で経過をみることになった。

 呼吸器科に喘息(だけでいいのか正確にはわからない)で通院している70歳台男性は、ステロイド依存状態で、喘鳴が常にある。増悪時の点滴の指示が出ていて、今日もそれを受けていた。いつものようには良くならないというので(横臥していて普通に会話可)、ステロイドを追加した。呼吸器科の常勤医がいなくなってからは、基幹病院の呼吸器科に紹介となったが、行くのを嫌がって行っていない。少し遠いが、呼吸器科外来に来ている先生の勤務する病院を受診してもいいことになっているが、それもいやなようだ。慣れていて、自分の希望が通る当院受診を継続したいようだ。症状軽減して今日は帰宅としたが、長期的には難しい患者さんだ。

 夏井睦先生の「炭水化物が人類を滅ぼす」光文社新書を読んでいる。糖質制限食をもっと調べて、ある程度やってみよう(すでにある程度はやってじはいるが)と思う。

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DPP-4阻害薬など

2014年02月26日 | Weblog

 また糖尿病の新薬(SGLT2阻害薬)が出るそうだ。DPP-4阻害薬も7種類出ているが、使用しているのはジャヌビアとエクアがほとんどで、ネシーナ・トラゼンタ・テネリア・スイニーは少しだけ処方した。薬効での使い分けも多少あるが、併用薬剤の併用不可で決まるところがある。ジャヌビアよりはエクアのほうが多少効果があるようで、最近はメトホルミン(メトグルコ)が朝夕投与ということもあり、エクアと合わせて朝夕投与が多い。全部使用する必要もないので、2-3種類に慣れればよいのだろう。

 GLP-1製剤も、ビクトーザを使用している患者さんはひとりだけだ。持効型のトレシーバはまだひとりにしか処方していない。外来で診ている患者さんお1/3以上は糖尿病なので、もっと今時の処方にシフトしていく必要がある。糖質制限食にも関心があり、取り入れたいと思ってはいる。

 SU剤の処方もだいぶ減った。治療開始はメトホルミンかDPP-4阻害薬を使用している。HbA1cが10%と越している時は、DPPⅣ阻害薬で開始して、10%未満だとメトホルミンで初めている。2剤目も使用する様になれば、両剤併用になる。3剤目として、SU剤を使うことがあるが、最近はグリミクロンが多い。グリミクロンHAで開始して、できればそれ以上に増量しないことにしている。アクトスとα-GIの処方はだいぶ減った。グリニドはほとんど処方していない。ランタスを使ったBOTにすることもある。30Rや30ミックスの使用も以前からの患者さんのみで、新規はほとんどない。

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久しぶりに半日調べ物

2014年02月25日 | Weblog

 今日は外来がないので、午前中に病棟を診て、午後は医局にいた。電話で相談を受けたり、事務手続きをしていたが、3時間くらい自分の現況に使うことができた。電解質の本を読み終えて、佐藤雅史先生のDVDを見返しした。内科学会で胸部X線のセミナーに参加するので、胸部X線読影を改めてやり直すことにした。

 他科の患者さんの血糖コントロールを4名引き受けている。整形外科に入院した大腿骨頸部骨折の70歳台女性はHbA1c12%だった。DPPⅣ阻害剤(エクア)で開始して、ヒューマリンRのスケールを継続しつつ、経口血糖降下剤を追加していって、インスリンを中止する予定だ。神経内科の57歳男性はそろそろ退院になるが、経口血糖降下剤の組み合わせだけでは血糖が下がりきらず、インスリンも必要だった。ランタスを使って、BOTの形にすることにした。

 好中球減少の86歳男性は、以前として改善がなく、最後の手段としてステロイドを開始した。抗菌薬も併用しつつ、数日経過をみることにした。効果がない、あるいは感染症を悪化させる可能性があるが、他に手はない。

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内科的には相当だー心・肺・糖尿・感染症

2014年02月24日 | Weblog

 78歳女性人工股関節の脱臼で整形外科に入院していた。整復術を行った後、リハビリを開始した。週末に意識が悪くなり、今日頭部CTを含めて検査した。頭部CTは脳萎縮はあるが、脳血管障害はなかった。血液検査で炎症反応上昇と腎障害を認めた。高カリウム血症もあった。整形外科医に相談された。

 他県の病院から処方を受けていた。夫と当地に引っ越してきたそうだ。処方をみると、降圧剤・利尿剤・糖尿病薬・ワーファリンが出ていた。心臓の弁置換術を受けていた。うっ血性心不全としての処方だった。入院時の検査で、すでに腎障害があり、もともと糖尿病腎症があるようだ。入院してから半分は食事摂取していたが、水分の摂り方が少ないのだろう。呼吸器症状はないが、胸部X線で両側肺に間質性陰影を認めた。胸部単純X線だけではわからないので胸部CTもとった。間質性陰影はあるが、明らかな細菌性肺炎の陰影ななかった。尿検査で尿混濁があった。患者さんを病室に診に行くと、肥満とむくみのある女性が横たわっていた。尿培養を提出して、抗菌薬の投与と補液を開始した。心不全があるので、補液両は控えめにした。血清カリウムが6.8と高値で、ARBは休止した。ワーファリンもPTを確認するまで休止とした。どベンザリンとドラールという長時間作用の睡眠薬が処方されていて、おそらく腎障害からふだんの何倍も効いていると思われるので、これも休止した。あとは明日の検査をみてみ決めることにする。

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今明秀先生の講演

2014年02月23日 | Weblog

 JIMのジェネラリスト道場の講演会に行って、今明秀先生ら3名の先生方の講演を聴いた。今先生の救急の話も良かったが、国立国際医療センターに高齢者が救急搬送されるという話も印象的だった。幸いに当院では高齢者の救急搬入も引き受けるし、在宅介護が困難の時は介護保険申請から施設入所まで入院で診る余裕がある。都会や地方の都市部と違って、いわゆる群部の医療は何でも屋だ。

 俳句の本を何冊か購入した。まず初心者向けの本を3冊購入するところから始めるのは、医学書の購入と同じだ。今はオールカラーの本が出ていて、読みやすい。病院に関連した作品が作れるといいな。 

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HBV無症候性キャリアの再燃

2014年02月22日 | Weblog

 消化器科の若い先生から、HBV無症候性キャリアの患者さんのことで相談を受けた。皮膚科で類天疱瘡の治療でステロイドを投与されて、肝機能障害を呈したという。AST・ALTは100台なので、緊急に治療を要するほどではないが、治療をどうするかというものだった。最近HBVの無症候性キャリアの再燃があるという話を出ている。まずはHBV-DNAの結果をみてから判定することになる。地域の基幹病院に肝臓専門医がいるが、とりあえず話をしてみたかったようだ。実際はあまり経験がないが、核酸アナログ製剤を投与することになるのだろう。

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低ナトリウム血症

2014年02月21日 | Weblog

 57歳男性が脚立から落ちて、軽度の外傷性くも膜下出血をきたした。養鶏場をやっていて、電球を交換しようとしたらしい。脳外科に入院していたが、入院後に肘の骨折(尺骨)もあることがわかり、整形外科で手術した。3日経って、意識がおかしい(挙動不審になった)ことに気づかれた。発熱はなく、バイタルサインは血圧が少し高かった。頭部CTでは、特に変化(悪化)はなかった。血液検査で血清ナトリウムが109と低ナトリウム血症になっていた。整形外科病棟は消化器科がいっしょになっているので、主治医の整形外科医が消化器科医に相談した。SIADH様の病態(cerebral salt wasting)と思われた。サムスカが肝硬変の適応もとって、この前大塚製薬の説明会があったばかりだった。サムスカを使ってみてはどうかという話が出た。SIADH様でも違う病態なので、まずいのではないか。とりあえず、細胞外液量を補う輸液で電解質補正をすることになった。アメリカでは、サムスカがSIADHの低ナトリウム血症で使えるそうだ。

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病棟に上げてすぐに心肺停止

2014年02月20日 | Weblog

 昨日当直帯に入ってすぐに80歳台男性が発熱と呼吸困難で受診した。家族が救急車を呼ぶのをいやがり、自宅の車で連れてきた。ところが、患者さんを車から降ろすことができず、救急の看護師さんと事務員がストレッチャーを車まで持っていてやっと乗せた。胸部X線で右肺炎を認めて、入院とした。

 この患者さんは認知症で、これまで10回くらい誤嚥性肺炎を繰り返していた。前回は先月に入院して今月初めに退院した。病状悪化時はDNRの方針で人工呼吸は心臓マッサージ(胸骨圧迫)はしないことになっていた。当直は脳外科医で、いつもはそのまま入院させて、翌朝までの指示を出しておいて、翌朝に「入れておいたから、あとはよろしく」と内科に回していた。今回もその調子で入院させたが、病棟は全体に入院患者が多く、内科病棟ではなくて循環器科・神経内科病棟になった。内科病棟だったら治療方針を熟知しているが、その病棟では初めての患者さんだったので事情を知らなかった。

 病棟に上がってすぐに心肺停止となり、当直医がCPRを開始した。まったく反応なく、そのまま死亡確認となった。これまでの退院サマリーや外来カルテには肺炎増悪時の対応方針が記載してあり、方針継続となっていたが、気づく余裕がなかった。

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病床稼働率80%越え

2014年02月19日 | Weblog

 当院は300床ちょっとの病床がある。通常のベット稼働率は60%台だが、看護師さんが少ないので、70%くらいになるとかなり看護業務がきつい。入院が続いて、本日は80%を越えた。ひとりの看護師さんの受け持ち患者数が多くなると、点滴の管理だけで大変となって、詳しい病状がわからなくなってしまう。事務長は喜ぶが、現場は大変だ。

 内科再来をさらっと診て、病室は比較的落ち着いていたので午後4時に医局に戻ってきた。今週末は退院が続き、施設への入所も2名決まったので、入院担当患者数も来週にはなんとか15名くらいになりそうだ。手を抜ける性格なので、やっていけている。

 89歳男性が発熱・意識障害で救急搬入されて、救急当番の整形外科医から内科の若い先生(女性)が呼ばれた。糖尿病の治療を中断していて、HbA1cが12%あった。アシドーシスもない。血糖は370mg/dlだった。明らかな肺炎・尿路感染症・胆道感染症はなかった。蜂窩織炎・関節炎もなかった。インフルエンザ迅速試験は陰性。前立腺肥大があるが、直腸指診で前立腺は熱感・腫脹(緊満感)はなかった。まずは補液とインスリンだが、血液培養後に抗菌薬を入れることになった。とりあえず、セフトリアキソンを選択する。根拠はといわれると困るが。

 午後6時からおば(父親の兄嫁)の通夜がある。90歳くらいのはずだ。その夫(叔父)は認知症があり、同時期に転倒して骨折したので、同じ病院に入院している。親の兄弟も残っているのは半数以下となって、次々に葬儀がある。

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