なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

間質性肺炎をどうするか

2013年04月30日 | Weblog

 81歳男性が鼻出血で救急搬入された。救急当番は外科医だった。搬入されてみると、患者さんが自分でティッシュを綿球のように丸めて鼻に入れていて出血自体は治まっていた。息切を訴えるので、カルテを確認すると、先週労作時の息切で内科外来を受診していた。もともと高血圧症・糖尿病で内科クリニックに通院していたが、数か月前から息切がひどくなり、紹介ではなくて直接当院を受診した。胸部X線で両側肺に間質性変化を認め、その週の呼吸器狩り愛に紹介になっていた。胸部CTで、気腫性変化もあり、4-5年前までは喫煙していたそうだ。両側肺の胸膜直下から肺野に間質性陰影が広がっていた。

 外科医から新人の内科医に連絡がいって診察していた。その後、どうしたらいいかと私に連絡がきた。1週間後の呼吸器外来(明日)に予約されていたが、低酸素なので(先週からだが)、今日は鼻出血が治まっても帰すわけにはいかない。急性間質性というほどではない。しかし2-3か月前から息切れが進行しており、治療介入が必要だろう。基幹病院の呼吸器科医に電話して、明日診てもらうことにした。今日はとりあえす、午後からの耳鼻科外来で鼻出血を診てもらって、明日まで当院に入院とする。明日の午前中に基幹病院へ救急搬送する予定となった。

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36歳胃瘻の女性が肺炎で入院

2013年04月29日 | Weblog

 もともと脳性麻痺で施設に入所している36歳女性が肺炎になった。数年前から嚥下障害で経口摂取ができず。胃瘻造設による経管栄養になっていた。ふだんから唾液を流していて、小さな誤嚥は常にある。赤ちゃんのようにプクプクした体型で、とにかく血管が見えない。かろうじて手背の血管に点滴を入れた。高齢の意瘻造設者の誤嚥性肺炎では、治療にある程度制限がかかる。常識的には、人工呼吸管理が間に合わないし、離脱できなくなるので、家族と相談して酸素と点滴でできる範囲の治療までとしている。それに対して、脳性麻痺の場合はどこまでも治療するかが決められない。人工呼吸になれば、気管切開を行うことになる。機械から離脱しても、喀痰吸引のために気管切開は閉じないことになるだろう。そうなると施設ではもうみられない。療養型病院でも、コストの点で引き受けないだろうから、一般病院でずっと診るしかない。いつかはそうなるとしてうも、とりあえず今回の肺炎を乗り切って、また経管栄養にして施設に帰したい。

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車を運転してきた脳幹梗塞

2013年04月28日 | Weblog

 機能は当直だった。午後6時ごろに、72歳男性が左半身の脱力・感覚障害と構語障害で救急外来を受診した。奥さんといっしょで、自分で車を運転して来たという。確かに軽度に構語障害があるようだが、会話には困らない。時々?左足がカクッとなるというが、歩行は問題ない。聞けば、水曜日に発症しているが、家族に病院を受診するよう言われたが放置していた。症状が続くのと、何度も家族に言われるので、やっと病院に来た。

 ラクナ梗塞があるかと思って、まず頭部CTを行うと、右脳幹梗塞を認めた。大脳にはない。予想外の結果だった。これが責任病巣と思われたが、頭部MRIで確認することにした。拡散強調画像で光っている。間違いなく、新鮮な脳幹梗塞だった。入院を勧めると、しばらく考えていたが、家族に言われて了承した。神経内科医に連絡して、画像を送ってみてもらった。時間はたっているが、脳梗塞としてきちんと入院治療を開始することになった。

 今朝病室に行ってみると、おとなしく寝ていた。食事は全部摂取してムセはないという。画像からは、よくこの程度の症状でとどまったものだと思う。とにかく患者さん本人には重症感がない。

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大腸憩室出血

2013年04月27日 | Weblog

 今日は当直で、病院に来た。日直は循環器科医で60歳台半ばの男性が大腸憩室出血を内科で入院させていた。大腸憩室出血で入院するのは、これで少なくとも3回目になる。前回入院時の検査で、肺癌が見つかり、県立がんセンター呼吸器科に紹介になった。手術を終えて戻ってきたところだった。血液検査で貧血はないので、前回より出血量としては少ないが、止まってみないとなんともいえない。多発性の大腸憩室なので、出血源の特定は困難だ。

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2名入院ー肺癌と心不全・肺炎

2013年04月26日 | Weblog

 一昨日県立がんセンターからの紹介で外来を受診した肺癌の患者さんは、今朝食欲不振で救急外来を受診した。連休になるので家族が不安に思ったという事情もあるようだ。ご本人が入院に同意したので、そのまま入院となった。右肺の胸水が増悪しないように、ステロイドをいれることにした。

 97歳女性は昨日から発熱があり、かかりつけの内科クリニックで点滴を受けて、今日当院外来を受診した。ぜんかいにゅういんは急性腎盂腎炎だったが、昨日抗菌薬と点滴と内服で処方されたためか、尿検査は正常だった。胸部X線・CTで両側肺に胸水があり、肺炎としてははっきりしない。炎症藩王は軽度上昇して、BNPも軽度上昇していた。両側下肢に浮腫がある。心不全のようだが、肺炎もあるのかもしれない。入院治療としたが、回復する力はあるだろうか。

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昨日の高齢女性2名

2013年04月25日 | Weblog

 昨日の夕方に89歳と90歳の女性が救急搬入された。救急当番は整形外科の若い先生だった。90歳女性はふだん脳出血後遺症で神経内科の外来に通院していた。脱水症のようですということだった。頭痛を聞いてもないという。年齢の割にしっかりとした話し方だった。もともとい左半身麻痺があって麻痺の程度は同じらしい。胸部腹部は異常なかった。肺炎を疑って画像検査を行った。両側肺背側に浸潤影が軽度にあった。脳出血後遺症ということで、念のため頭部CTを行ったところ、慢性硬膜下血腫があった。右側の血腫が脳を左へ偏位させていた。よくこれで、ちゃんと会話できると感心した。シ脳外科医に連絡して緊急手術となった。手術はうまくいって、術後に患者さんが脳外科医に「ありがろうございました」と言ったそうで、脳外科医は「かわいいばあさんだ」とうれしそうに話していた。

 もうひとりは認知症で、その場の会話はできるが、まったく覚えていない。デイサービスに行っていて、昼過ぎに急に意識低下して血圧も下がったそうだ。搬入時は血圧も戻って会話できた。めまいと胸痛を訴えた。心電図でⅡ・Ⅲ・aVFがST上昇のように見えた。、冷静に見ると0.5mmも上がっていないが、その時は胸痛があった(過去形でその時は胸痛がない)という訴えに引っ張られて、心筋梗塞疑いで心電図再検やラピチェック・トロポニンTなどを検査した。肝機能障害が目立った。2年前に総胆管結石で内視鏡的摘出と総胆管ステント挿入の処置を基幹病院消化器かで受けていた。総胆管結石再発が疑われた。病気が一つでない可能性があり、入院して内科で経過をみることになった。

 今日の心電図で虚血性変化はなかった。心原性酵素も正常だった。心筋梗塞ではない。腹部エコーで総肝管に結石があり、MRCPで確認できた。ステント自体も内腔が狭窄している可能性がある。肝機能障害は同じでビルリビンが上昇してきていた。胸痛というのは上腹部痛だったのかもしれない。ステントを入れた病院に連絡して搬送した。

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また肺癌緩和ケア

2013年04月24日 | Weblog

 今日もがんセンターから肺癌の高齢男性が紹介されてきた。健診でチェックされて、がんセンターで精査で扁平上皮癌と判明した。年齢的に手術は無理と判断されて、放射線療法を受けた。抗癌剤治療は希望しなかったそうだ。オキシコンチン内服が開始されて、現在は30mg/日とオキノーム疼痛時屯用だった。胸部X線・CTで右肺は癌と胸水で潰れていた。このまま入院するのもあるとお話したが、外来を希望した。2週間後に予約したが、それまで持たないかもしれない。その時はすぐに受診して入院することにした。

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肺癌緩和ケア

2013年04月23日 | Weblog

 肺癌の80歳台男性がそろそろ持たなくなってきた。癌性疼痛にオキシコンチン内服からフェントステープに変更して、オキノームをレスキューとして使ってきたが、内服困難になり、末梢からの点滴も入らなくなってきた。セリーやヨーグルトを数口と水分のみの摂取となった。今日中心静脈ラインを確保して持続点滴と塩酸モルヒネの持続点滴を開始した。ある1週間くらいだろうか。妻や兄弟が見舞いに来ているが、それぞれ高齢者なので病室に長くはいない。

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間質性肺炎

2013年04月22日 | Weblog

 昨年末から、間質性肺炎で基幹病院呼吸器科に入退院を繰り返している60歳台男性が、リハビリ目的で当院に転院してきた。これまでも、2-3か月にひとりの割合で紹介されてきたが、今回の患者さんは本当にリハビリの対象になるのかという病状だった。ポータブルトイレに移動するだけで息切れがして、治まるまでしばらくかかる。処方はシクロスポリン50mg/日とプレドニン25mg/日内服だった。

 初回の増悪をやっと抑えこんだが、安定はしていないというところではないか。入院中に再度増悪した時は、すぐに搬送することになることと、あまりリハビリにこだわらずに自宅に帰った方が良いことをと妻に伝えた。ただ、もともと糖尿病があって、今回ステロイドが大量に入ったので、HbA1cが10~11%と高血糖を呈している。経口血糖降下剤が4種処方されているが、インスリン強化療法にしないと血糖コントロールがつかない。家庭での療養も大変で、病院にいたほうが家族としては楽なのかもしれない。

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診断のゲシュタルトとデギュスタシオン

2013年04月20日 | Weblog

 昨日買ってきた。なんだか不思議な本だ。診療のコツが書いてあるようだが、系統立てて疾患がならんでいるわけではない。出版社が企画するような形ではないので、編集の岩田先生が自分の思うままに作った本らしい。題名がもう岩田流だ。それにしても、金芳堂の本は厚い紙を使うので、大きさの割り本が重い。

 来月は高校の看護科で講義があるので、その準備をしなければならない。担当は血液疾患で、まったく専門ではないので、毎年直前に血液疾患の本を読み始める。まったく専門ではない。テストは簡単にすることと、国家試験受験の役に立つように、出そうなところを集中して教えることを心がけている。

 

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