なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

特発性拡張型心筋症

2015年04月22日 | Weblog

 一昨日の月曜日は内科の若い先生が当直だった。心臓センターのある病院に特発性拡張型心筋症で通院していた59歳男性が、呼吸困難で救急要請をした。数日前から症状はあったが、我慢していたらしい。いよいよ苦しくなっての要請だった。

 その心臓センターは、通常は他院からの紹介を快く引き受けてくれる。ベットが満床でも無理矢理ベットとベットの間にさらにベットを入れて診てくれるという評判だった。救急隊が搬入依頼をすると満床で断ったそうだ。他院の紹介ではなくて、自分の病院に通院している患者さんのことなので、これは珍しい。無理しても入院させられないほどの状況だったのだろう。

 患者さんの家から近い当地域の基幹病院に搬入依頼すると、これも受け入れできなかった。当院に搬入依頼があり、若い先生は引き受けた。来てみると血圧が低下して酸素飽和度は上がらない。もともとの内服薬を見ると、もうこれ以上は追加のしようがないというほどの処方が出ていた(サムスカと経口強心薬と利尿薬複数など)。心臓センターに直接電話するとやはり受け入れ困難だった。当院の循環器科当番の先生に連絡すると、とにかく一晩は自分で頑張れという。途方にくれる思いだったようだが、なんとか朝まで引っ張れた。

 朝に循環器科医が、再度心臓センターに連絡すると、その日に退院する患者さんのベットが空くのでそこに入院させるという返事が来た。一晩頑張った先生が救急車に乗って搬送した。胸部X線・CTと血液検査を画面で確認すると、心不全の悪化(心拡大・肺浮腫・胸水貯留)があり、炎症反応上昇・凝固系の異常・腎障害が著明だった。感染症併発による心不全の悪化だろうと判断された。これは搬送先でも厳しいかもしれない。

 その他にも、肺炎・喘息発作・膵癌終末期の患者さんが入院したので、大変な当直だった。

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1 コメント

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Unknown (長州藩士)
2024-06-30 21:05:11
特発性は恐ろしい 神の領域であり人の手には余る。一晩持たせただけでも凄いことです。まさに人事を尽くして天命を待つ。です 一晩とはいえ大変お疲れ様でしたm(_ _)m
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