昨日の内科日直の夕方に心肺停止の64歳男性が救急搬入された。当市の隣りの隣りの町から救急隊が搬送してきた。最初地元の町立病院に連絡したが、対応できないと言われていた。
同居している母親は、患者さんが昼食時には変わりなかったと言っていたらしいが、弟さんの話では母親は認知症があり定かではないという。母親は午後3時過ぎに倒れているのを発見して、近所の人に助けを求めた。近所の人が心肺停止に気づいて、胸骨圧迫を開始して救急要請した。救急隊到着時は心肺停止・瞳孔散大で、心肺蘇生術をしながら搬入された。
搬入時は季節の問題もあるが、すでに冷たくなっていた。心肺停止・瞳孔散大・対光反射消失だった。気管挿管・血管確保・アドレナリン注を行ったが、全く反応はなかった。
結局、救急隊が到着してから搬送までの約1時間、病院に来てから約40分の救急蘇生術後に、死亡確認した。弟さんの話では、患者さんは12月25日に「胸が痛い」と言っていたそうだ。病院には行かず、知り合いから薬を3個もらった。薬はもう飲んでしまってないが、二トロールだろうか。その後体調不良は続き、食事摂取も減少していた。
死亡確認後にAutpsy imagingを行った。頭部CTは異常なし。胸腹部CTでは両側はに肺水腫・胸水貯留を認めた。肺が水浸し状態だった。推定になるが、年末に急性心筋梗塞を発症して、その後心機能が低下して急性心不全をきたしたのだろう。
胸痛があった時に救急車を呼んでいれば、専門病院でPCIを受けて改善できたはずだが、何故我慢していたのだろうか。亡くなる直前は呼吸困難でかなり苦しかったはずだが。