先週末に85歳男性が高熱で動けなくなって救急搬入された。救急当番は整形外科の先生で、内科の若い先生が呼ばれて、さらに当方に相談が来た。普段高血圧症などで外来で診ている患者さんなので、そのまま引き受けることにした。
昨年末から肉眼的血尿が続いて、予約日でない日に娘さんに連れてこられた。一人暮らしをしていて、顔がそっくりな娘さんが通いで世話をしている。尿細胞診は陽性で、腹部エコーでも膀胱内に丈の低い腫瘤が描出できで、膀胱癌だった。
当院の泌尿器科外来(大学病院から)を通して、地域の基幹病院の泌尿器科に紹介された。来月の半ばに手術の予定となっていた。
肺炎はなさそうで、軽度の肝機能障害はあるが、胆道感染ではないようだ。尿所見は昨年末から、赤血球>100/HPF・白血球>100/HPF・細菌(+)になっている。尿培養と血液培養2セットを提出して、尿路感染症(腎盂腎炎)として治療を開始した。
今日培養結果が出て、腸球菌(フェカーリス)と緑膿菌が検出された。ゾシンで治療を開始していたが、まあ結果的にはぴったりだった。入院後、翌日にもいったんゲ解熱した後に高熱になったが、その後は解熱して経過している。なんとか治りそうだ。
菌血症だと2週間以上の治療期間になるが、手術まで間に合うかどうかギリギリだ。今回のエピソードがあると、そもそも手術は延期になるかもしれないが。
昨日は学位研究でお世話になった病理の教授のお通夜があり、出席してきた。自分にとって教授といえば、臨床の教授ではなく、こちらの病理の教授になる。年末にお歳暮を送っているが、今回はいつもいただく礼状のはがきが来なくて、どうかしたのかとは思っていた。