昨日の月曜日、COVID-19でホテル療養中の40歳男性の入院依頼が来た。3つ隣町在住だが、保健所依頼のPCR検査は先週に当院で行っていた。
職場でCOVID-19に罹患した人が出て、濃厚接触者としてフォローされていた。最終接触が8月20日で、8月23日には発熱では発症していた。8月24日にPCR検査を受けて、翌日陽性と判明した。
そのままホテル療養となっていたが(両親と同居)、高熱が続いて呼吸困難を訴えた。酸素吸入2L/分を開始しているという情報だった。午後に救急車で搬送されてきた。
胸部CTで両側肺野にすりガラス陰影~浸潤影が多発・融合していた。陰影の濃度からは初期から少しに日にちが経っていると判断されるか。それでもすりガラス陰影そのものもあり、まだ進行している可能性がある。
病室に入ると酸素4L/分で酸素飽和度が94~96%だった。室内のトイレまで歩くと、飽和度が70%台に低下した。今日はマスクで5L/分になっていた。
入院したのは発症8日目になり、抗ウイルス療法ではなく、抗炎症の時期になる。デキサメサゾンの点滴静注を開始した。
身長175cm・体重95KgでBMI31(>30)と重症化因子の肥満がある。CT像は横臥して撮影しているので、腹部に圧迫されて肺の広がりが悪い。
高脂血症と高尿酸血症で通院しているが、HbA1c6.6%と軽度の糖尿病もあった。デキサメサゾンで血糖が上がってしまうので、毎日血糖測定が必要になる。
末梢の静脈が見づらく、看護師さん泣かせだった。肘から何とか採血をして、点滴ラインは肘正中付近からやっと入れた。
これはホテル療養ではとても無理な病状だ。