なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

心内膜炎?

2019年01月23日 | Weblog

 昨日内科クリニック(当院循環器科から開業)から、40歳代後半の女性が不明熱で紹介されてきた。診療情報提供書に、心エコー検査(経胸壁)で疣贅は認めないとあった。

 先月16日からなので1か月以上になる。ご本人の話では、もともと平熱が35℃台で、36℃台でも微熱のようなものだという。38℃になることも何度かあり、熱が上昇すると関節痛が生じるが、その後は軽快するので関節炎ではない。主には、37.0~37.5℃くらいの発熱が出没していた。発熱とそれに伴う関節痛以外に症状はなかった。

 現在は市内の施設に勤務している看護師さんで、以前は県内有数の病院にも勤務していた。これまでの症状をメモしていて、現病歴がすごく取りやすい。小児期に心室中隔欠損症で大学病院小児科を受診したが、経過観察となったそうだ。

 半年に1回歯科を受診して。歯石をとっている。直近は11月で、口腔内細菌による亜急性心内膜炎とすれば合いそうだ。診察上は(当方が聴いた限りではだが)心雑音はなく、敗血症性血栓はなかった。胸部X線・尿検査で肺炎・尿路感染はなく、他にも感染巣となりそうな所見はなかった。

 当院の心エコー(上手な技師さん)でも心腔内に明らかな疣贅はなかった。心室中隔欠損も指摘できないという。TRの所見と肺高血圧疑いの所見はあった。

 血液培養をまず2セット提出したが、今日検査室からグラム陽性球菌が2セットから検出されたと報告が来た。今週中には菌名と感受性がわかるかもしれない。

 高次医療機関への紹介についてもお話していて、紹介は大学病院を希望されていた。経食道心エコーの適応なので、大学病院循環器内科へ紹介するのが適切か(心臓血管外科で心内膜炎を専門にされている先生も頭に浮かんだが)。

 亜急性心内膜炎だと、緑色連鎖球菌だろうか。原因は歯科処置?。

 

 

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