なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

悪性貧血(ビタミンB12欠乏性貧血)

2023年05月31日 | Weblog

 5月24日に内科医院から整形外科に両下肢痛の88歳女性が紹介された。両下肢痛となっていたが、実際は腰痛だった。

 整形外科で腰椎MRIを行って腰椎圧迫骨折と診断して、入院となった。整形外科医が、紹介状の内容と実際の症状が違うと記載していた(たぶん怒っている)。

 問題はそれだけではなかった。Hb5.2g/dlと著しい貧血があった。血小板も7.7万と低下している(白血球は7300)。腎臓内科の先生が介入してくれた。

 MCVが130.1と著しく大球性で、巨赤芽球性貧血が疑われた。血清ビタミンB12と葉酸の外注検査が提出された。26日にビタミンB12 (メチコバール)500μg筋注が行われた(週3回で開始)。

 ビタミンB12は正常下限値で正常範囲内にはあるが、ビタミンB12の場合はこれでも低下症をきたす。別の症例で、若い先生に正常範囲ですが、といわれたことがあるが、れっきとしたビタミンB12欠乏性貧血だった。

 5月29日にはHb6.4g/dlとなり、網状赤血球が17.5%(0.5~2.0%)と造血が急ピッチで行われている。胃切除術の既往はないので、内因子抗体の関与する悪性貧血なのだろう。

 腰痛も軽減していて、おそらく貧血も順調に軽快すると見込まれる。患者さんにとってはいい入院になるだろう。

 

 紹介状(診療情報提供書)に両下肢痛とあったが、本当は貧血による両下肢浮腫だった。

 

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一過性の意識低下

2023年05月30日 | Weblog

  89歳女性が胸椎・腰椎圧迫骨折で5月19日から整形外科に入院していた。5月27日土曜日の午前10時ごろに病棟看護師さんが、意識低下に気づいた。

 土曜日の日直だった内科の先生が呼ばれた。胸骨疼痛刺激で眼瞼がわずかに動かす程度だった。バイタルサインは特に異常がない。四肢は両側で脱力していて、麻痺があるのかわからない。

 心房細動でDOAC(エドキサバン=リクシアナ30mg)を内服している。糖尿病はない。血圧上昇・徐脈傾向の中枢神経疾患を示唆する所見もない。

 心原性脳塞栓症を疑って、頭部MRIを行ったが、小脳脳幹部も含めて新規の脳梗塞はなかった(出血もない)。家族に連絡して、点滴とヘパリン持続点滴(10000単位/日)で経過をみることになった。

 その後、呼びかけにうなづくような動きをするようになった。翌日の日曜日には呼びかけに返答するようになった。週明けの月曜日にはほとんど前と同じに回復していた。

 月曜日の血液検査で特に異常は認めていない。原因不明の一過性意識障害ということになる。高齢者はわからない。

 内科の先生が、悪化して心肺停止に陥った時の処置を家族に相談していた。この患者さんは夫は死去していて子供はいない。家族といっても親族になるが、一人では決められません、という返事だった。

 結局できるだけの処置をして下さい、ということになっていた。不幸にしてそうなった場合は、15分くらいの心肺蘇生が行われて、反応なしでした、ということになるのだろう(多数の肋骨が胸骨から外れてしまう)。まずは回復してなによりだった。

 

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大腿骨頸部骨折で精査

2023年05月29日 | Weblog

 5月27日土曜日、血液透析で通院している83歳女性が前日に転倒してから左股関節痛があった。

 前日の夕方に転倒していた。起き上がると左股関節痛があったが、横臥すると痛みが軽快するので、その日はそのまま就寝した(寝返りでも痛いと思うが)。

 土曜日は透析日なので、家族に支えてもらって病院にやってきた(院内では車椅子を使用)。大学病院からバイトに透析医は来ているが、透析以外には対応しないので、救急外来の扱いとなる。

 日直の内科医が診察して、骨盤X線を撮影した。左大腿骨頸部骨折で短縮していた。

 

 短縮しているが骨折は不明と判断して、CTで確認していた。

 

 さらに、CTで骨折はあるが新鮮なものか陳旧性か不明と判断して、MRIも行っていた。

 

 MRIで骨浮腫像があり、新鮮な骨折として入院させていた。

 

 というわけで、X線・CT・MRIをいっぺんに検査されたのだった。ずっと基礎医学の研究をされていた先生で、今年から臨床に携わっておられる。とても理論的な対応をされているが、通常はそれはないかも、というところはある。

 

 今日は整形外科医が診て、地域の基幹病院整形外科に紹介していた(当院は手術できない)。手術日の前日に転院して終わったらリハビリ転院で戻って来る、となる予定だ。

 

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安定の処方

2023年05月28日 | Weblog

 62歳女性が内科外来に通院している。高血圧症・甲状腺機能低下症(橋本病)・気管支喘息の処方以外に、抗うつ薬・安定薬・睡眠薬が4種類出ている。

 退職した別の先生の外来からの処方で、当方の外来に通院してからも継続している。以前は精神科(メンタルクリニック)にも行っていたはずだが、郡部は都市部のように気軽に受診できる精神科クリニックはないので(精神科病院はある)、内科からの処方が続いている。

 日中にロラゼパム(ワイパックス)0.5mg錠3錠分3で、就寝前にゾルピデム(マイスリー)10mg錠1錠・フルニトラゼパム(サイレース)2mg錠1錠分1・ミルタザピン(リフレックス)15mg錠1錠分1になっている。

 通常の内科疾患の処方は2か月分で、上記の精神科処方(1回の処方が30日縛りの薬)はその間で自分の都合のいい時に薬だけもらいに来る(本来は無診療では出せない)。

 うつ病というのではなく、不安症相当なのだろう。保育の仕事をしていて、職場の悩みなどを少し話して帰っていく。両親も当院に通院して、母親が入院した時に担当したことがある。気管支喘息は父親がそうで、不安症は母親の方だった。

 10年以上同じ処方なので、すっかりなじんでいて、調子がいい時も調子が悪い時も処方の変更は希望されない。ゾルピデム+フルニトラゼパムよりは、どちらかを(ゾルピデムだろう)トラゾドン(デジレル)に変更してみたくなるが、同意はされない。

 他の患者さんよりは外来診察に時間を要するが、なかなか話が終わらずに困ってしまうということはない。(仕事の合間に来ているせいもある)当方も年齢的にいつまで勤務しているかわからないので、いずれ他の先生の外来に回すようになるのだろう。

 

 以前から著書を購入している井上真一郎先生が新著を出されたので、さっそく購入した。岡山大学精神科から新見公立大学看護科の教授に移られていた。

 島根県出雲大社に行く時に、岡山県倉敷市に一泊して、翌日伯備線を行く特急出雲で新見市を通ったことを思い出した。

 

しくじり症例から学ぶ精神科の薬〜病棟で自信がもてる適切な薬の使い方を精神科エキスパートが教えます

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器質化肺炎

2023年05月27日 | Weblog

 金曜日に内科外来から、外科に通院している患者さんが来ていて、発熱があるという。最初事情がわからなかったが、外科医(非常勤)から頼まれていた患者さんだった。

 2016年に食道癌の手術を受けて(食道切除、胃管再建)、外科外来でフォローしている81歳男性だった。食道癌の再発は指摘されていない。

 昨年末に右肺上葉に結節影を認めていた。呼吸器科外来(非常勤)に紹介されて、原発性肺癌だろうと診断されたが、年齢と病状から精査・治療はなしとされていた。

 5月2日の胸部CTで思いがけなく、左上葉舌区に浸潤影を認めた。5月11日呼吸器科外来(別の非常勤医師)に紹介されて、器質化肺炎と診断された。炎症反応は白血球6200・CRP7.2と上昇していた。発熱・呼吸器症状がないことから経過観察とされて、2か月後に呼吸器科外来予約となった。

 外科医から、「呼吸器科に相談はしているが、入院が必要になった時はお願いしたい」、といわれていたのだった。

 

 1週間くらい食欲が低下して、外科外来の指示で点滴が出されていた。金曜日も点滴で受診したが、38.6℃の発熱があり、そのまま指示の点滴をして帰宅とするのはまずいと、外来の看護師さんが判断した。

 いつものコロナ(とインフルエンザ)の検査で陰性を確認して、画像検査・血液検査を行った。左肺の浸潤影は拡大して、周囲にすりガラス陰影を伴っていた。

 区域を跨いで胸膜に沿って広がっているところは器質化肺炎らしい。4月の採血の時からCRPが上昇していて、経過は1か月半くらいになる。通常の細菌性肺炎らしくない。

 器質化肺炎の悪化として入院治療することにした。最初抗菌薬で経過をみてからの(抗菌薬に反応しない肺炎として)ステロイド投与も考えたが、最初からステロイドを使用することにした。抗菌薬も併用はするが。

 

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腰痛

2023年05月26日 | Weblog

 火曜日の午前中に腰椎椎間板ヘルニアの患者さんが救急搬入されたが、午後には急性腰痛の43歳男性が救急搬入された。救急当番の別の内科医が診て、整形外科にコンサルトしていた。

 2日前にビール樽(20L)を持ち上げた時に、突然腰痛が生じた。前日は腰を曲げられなかったが、歩行はできた。搬入されたその日は、朝から腰痛で起き上がることができず、救急要請していた。

 腰椎MRIでは有意な所見はなかった。搬入後にアセトアミノフェン1000mg(アセリオ)を点滴静注した。整形外科医が診ることには症状が軽快していて、NSAIDs(ロキソプロフェン)などが処方されて、1週間後に整形外科外来受診となった。

 内科医から整形外科医が椎間板の所見を指摘していたと後で聞いた。椎間板(L4/5)にhigh intensity zone(HIZ)があるという。

 HIZは腰痛で見られるという意見と、症状がない人にも見られるので関係ないのではという意見があるようだ。

 

 「ぎっくり腰」は、NHK今日の健康によれば、

 急性腰痛、いわゆるぎっくり腰には、主に4つのタイプがあります。まず、筋肉が炎症を起こすタイプ。椎間板ヘルニアのような椎間板が原因のタイプ。脊柱管狭窄症などの変形性脊椎症を代表とする椎間関節が原因のタイプ。そして骨盤を形成する仙腸関節が原因のタイプです。
 ぎっくり腰の場合、特に多いのが筋肉性のタイプです。首から腰にかけて、体の表面にある脊柱起立筋を使い過ぎることで負担がかかり、炎症を起こすことがあります。その予防には、体の深部にある腹横筋や多裂筋などのインナーマッスルを使って脊柱起立筋を助け、負担を軽くすることが有効です。

 

 日本整形外科学会の「一般の方へ」では、

 いわゆる「ぎっくり腰」は急に起こった強い腰の痛み(腰痛)を指す一般的に用いられている名称(通称)で、病名や診断名ではありません。

 何か物を持ち上げようとしたとき、腰をねじるなどの動作をしたときなどに起こることが多いですが、朝起きた直後や何もしないで起こることもあります。

 痛みの原因はさまざまで、腰の中の動く部分(関節)や軟骨(椎間板)に許容以上の力がかかってけがしたような状態(捻挫、椎間板損傷)、腰を支える筋肉やすじ(腱、靱帯)などの柔らかい組織(軟部組織)の損傷などが多いと考えられます。

 しかし、下肢に痛みやしびれがあったり、力が入らないなどの症状があったりするときには椎間板ヘルニアや中年以上では腰部脊柱管狭窄症などの病気(疾患)の可能性もあります。さらに、がんが転移して弱くなった背骨の骨折(病的骨折)や、ばい菌による背骨や軟骨(椎間板)の化膿など重大な原因が潜んでいることも時にあります。通常ではない強い腰痛のときは整形外科を受診して正しい診断を受け、万が一にも重大な原因に対して手遅れにならないように注意する必要があります。

 要は、椎間板ヘルニア腰部脊柱管狭窄症骨折(圧迫骨折や転移性骨腫瘍による病的骨折)化膿性脊椎炎の鑑別が必要です、ということのようだ。

 

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腰椎椎間板ヘルニア

2023年05月25日 | Weblog

 火曜日の昼過ぎ(午後0時半)に、左臀部から下腿にかけての痛みで歩けないという54歳男性が救急搬入された。

 2週間前から症状があり、2日前の日曜日には歩くのがひどかった。前日の月曜日に整形外科クリニックを受診していた。椎間板ヘルニア疑いとして、ブロック注射とNSAIDsなどの処方を受けた。

 症状はいったん軽快していたが、その日の午前10時からまたひどくなって痛みで歩行できないため、救急要請したのだった。

 2年前に別の整形外科クリニックからの依頼で、当院放射線科で腰椎MRIを行っていた。軽度の腰椎椎間板ヘルニアと診断されている。その後、症状は治まっていたそうだ。

 ジクロフェナク座薬50mgを使用した。普通に腰椎X線2方向を撮影したが、異常は指摘できない。MRIはちょうど午後2時の予約の患者さんの前が空いていたので、お願いした。

 前回のMRIからL4/5かと思ったが、L3/4の腰椎椎間板ヘルニアの悪化だった。

 この患者さんが搬入された時に、ちょうど放射線科から整形外科医が出てきたので、検査後に診察を依頼することを伝えていた。(神経ブロックを行う予定で、造影剤の打ち合わせをしていたそうだ)

 MRI終了後に連絡して診てもらった。MMTを評価したり、膀胱直腸障害の有無を確認していた。患者さんが症状が良くなりましたというので、ゆっくり立位になってもらうと歩行できた。

 てっきり入院して経過をみるかと思っていたが、ジクロフェナク座薬が処方されて外来予約となった。

 

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急性細菌性前立腺炎

2023年05月24日 | Weblog

 土曜日の当直の時に入院した患者さん。日曜日の午前4時過ぎに、急な嘔気を訴える70歳男性が受診したい、という連絡が入った。来てもらうことにしたが、また連絡があり、「動けないので救急車を呼ぶ」ということだった。

 救急隊から連絡があり、発熱37.4℃と嘔気がありますと報告された。同居の孫も発熱があったが、1日で解熱しているという。

 コロナだと入院は難しい状況だった。(その日は救急病棟は入院受け入れが難しく、入院は地域包括ケア病棟になる)検査して結果をみるしかない。

 コロナとインフルエンザの抗原検査は陰性だった。(時間外は検査技師のオンオールができないので、迅速PCR検査はできない)

 搬入時、体温は38.1℃だった。腹痛・下痢はなく、腹部は心窩部に圧痛がごく軽度にあるくらいだった(押されると違和感程度)。

 3年前に急性心筋梗塞の既往がある。当院の救急外来を受診して、当時在籍していた内科の若い先生が専門病院に搬送していた。PCIを受けて、現在は通院している泌尿器科・内科クリニックから抗血小板薬が処方されている。

 心電図は昨年受診した時と変わりがなく、虚血性心疾患の症状ではなさそうだ。白血球が9000・CRP2と軽度に炎症反応が上昇しているが、発症すぐなので再検すればもっと上昇すると予想された。

 胸腹部CTで確認すると、早朝だが胃内に胃液が目立つ。腸管は便秘の所見くらいだった。肺炎、腎盂腎炎、胆嚢炎の所見はない。

 前立腺肥大症で処方を受けているが、前立腺肥大は確かにあり、やや辺縁が不整だった。感染巣不明の高齢男性では前立腺炎の可能性がある。

 入院してもらって、点滴と抗菌薬投与(セフトリアキソン)で経過をみることにした。入院後は解熱して食事摂取も良好となった。

 月曜日の検査で血清PSAが4.931ng/mLと軽度に上昇していた。白血球8700・CRP16.7とCRPが遅れて(3日後がピーク)中等度に上昇していた。たぶん前立腺炎でいいのだろう。

 前立腺炎だと抗菌薬投与が3週間になるが、点滴静注を1週間行って、その後は内服で継続する予定とした。通院しているのが泌尿器科なので、少し間をあけて血清PSAを再検してもらう。

 

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コロナ陽性医療従事者の扱い

2023年05月23日 | Weblog

 月曜日に整形外科医が、先週の土曜日から発熱があると申告した。発熱外来を担当する内科医がコロナの検査を行うと陽性だった。

 自宅は東京にあるそうだが、先週娘さんの学校の同級生がコロナ陽性という話はしていた。娘さん自身は無症状だった。自分はどういう扱いになるかと気にはしていたが、特に制限はない。(濃厚接触者かもしれない人の濃厚接触者かもしれない人)

 基礎疾患があるのでパキロビッドを処方されて、そのまま帰宅となった。そのどうなるのかと気にしていたが、5類移行後の病院の方針が決まっていなかった。院長先生に訊いてください、となった。

 

 コロナ患者は5類移行後は「発症翌日から5日間の外出自粛が推奨される」となっていて、法的なしばりはない。発症日を0日として、発症後1日目から5日目の5日間療養して、発症後6日目に療養解除となる。

 発症後5日目に症状軽快すれば、6日目まで療養して7日目に解除になる。つまり正確には、「発症翌日から5日間かつ症状軽快後1日」の療養期間となる。

 ただし、「発症後10日間はウイルス排出の可能性があるため、マスク着用やハイリスク者との接触を控える」。(10日経過しても感染性のあるウイルスを排出する患者さんが約4%いる)

 学校保健安全法への適応はまだだが、文部科学省から「発症翌日から5日間かつ症状軽快後1日」の出席停止期間を定める意向が発表されているそうだ。

 家族がコロナになっても、濃厚接触者として法律に基づく外出自粛は求められない。しかし家族が発症した場合、約7日間発症するリスクがあるため、体調に注意して、マスクを着用するなどの感染対策をする必要がある。(義務ではない)

 

 一般の人はこれでいいが、医療従事者や入院患者さんにも「5日間」が妥当かは不明で、各医療機関の判断に委ねられている。(「医療従事者が感染した場合の休業期間の短縮は推奨できません」日本環境感染学会)

 先週、感染管理の指導に来られた大学病院の先生に、どうされているか訊いてみた。

1) 病院の職員がコロナに罹患した場合は、7日間は公休とする。8日目以降出勤する時は(サージカルマスクではなく)N95マスクを着用する。(8日~10日目まで休む時は自分の有給休暇でとる)

2) 濃厚接触者になった場合は、5日間は公休として、6日目にコロナのPCR検査をして陰性であれば隔離解除とする。

 としたそうだ。

 

 昨年末から、月1回していた院内のコロナ会議は開かれなくなり、取り決めの継続をメールで流すだけになっていた。今年度、さらに5月8日の5類移行後の方針は病院として出されていない。

 これまで当院はどうしていたかというと、一番は地域の基幹病院の方針を訊いて、さらに県内の主要な病院の方針も訊いて、それに合わせていた。

(倉原優先生のYahoo newsを参考にしています。詳しくはそちらをご覧ください。)

 

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低ナトリウム血症

2023年05月22日 | Weblog

 5月17日に記載した70歳男性は、最初に4月11日に頭部外傷による外傷性くも膜下出血・急性硬膜下血腫・脳挫傷で受診した時は、血清ナトリウムが144と正常域だった。

 頭蓋内損傷というより、心電図変化とBNP・トロポニンの上昇で循環器内科に搬送した。当院に戻った時は血清ナトリウムが130台だった。

 下部消化管出血(鮮血の下血)を来した時は、貧血の程度をみるための採血して、注目はしていなかったが、血清ナトリウムは120と低下していた。

 消化器内科に搬送して、出血性直腸潰瘍と診断されたが、低ナトリウムがあるとも指摘された。血清ナトリウムが120台だった。

 また5月17日当院に戻って、貧血の推移を見るために5月18日に血液検査をした。貧血の進行はなかったが、血清ナトリウム116と低下して検査室から(異常値として)報告がきた。

 普通に食事もできていた。意識は抗精神薬が入っているので割り引いて判断する必要があるが、簡単な会話はできる。

 

 腎臓内科医が病棟にいたので、相談してみた。浮腫はなく、体液量は正常だろう。SIADHというよりは、中枢性塩類喪失症候群cerebral salt-wasting synrome(CSW)か鉱質コルチコイド反応性低ナトリウム血症mineralcorticoid-responsive hyponatremia of the elderly(MRHE)ではないかという。

 生食の点滴で経過をみるつもりだったが、(高張ナトリウム液の点滴ではなく)それでいいでしょうといわれた。

 外傷後4週間経過しているので、CSWではなくMRHEだろうか。治療はフロリネフ(フルドロコルチゾン)になる。院内にはないと思ったが、案外あった。以前臨時購入した分が残っているらしい。

 まずは生食投与の結果をみることにしたが、改善しないのでフロリネフを投与することにした。

 

 

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