なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

気管支拡張症・肺炎

2016年02月29日 | Weblog

 昨日入院した77歳女性は呼吸器科外来(外部からの応援医師担当)に通院していたが、予約日に受診せず、処方薬がなくなっていた。気管支拡張症の処方としては去痰薬くらいで中止しても問題ないが、心房細動・心不全の処方が切れるとまずい。咳・痰の増加と胸部違和感で昨日受診した。重症感はなく、のんびりした口調で症状を訴えたが、胸部X線で右下肺野の陰影が広がっていて驚いた。

 気管支拡張像周囲の浸潤影様陰影は以前とそれほど変わらなかったが、右胸水貯留が加わっていた。喀痰培養を提出して、抗菌薬を開始した。心房細動で処方していた抗凝固薬に利尿薬を追加して経過をみている。今日画像を確認すると、抗酸菌感染をチェックする必要がありそうだ。専門医だったらどう読影するのだろう。

 

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温泉バス旅行に来て発症

2016年02月28日 | Weblog

 今日は日直で出ている。昨日の宿直だった循環器科医(他院からの応援)から、腹痛の69歳男性の救急搬入を受けていいかと連絡が来た。東京から当地の温泉にバス旅行で来ていた人だそうだ。ホテルから病院到着まで40分くらいかかるので、到着した時には午前9時になっていた。午前5時ころから腹痛(全体というが上腹部のようだ)が出現して痛みで動けなくなり、救急要請した。搬入時には腹痛は軽減していた。38℃の発熱があった(その後経過をみているうちに解熱)。

 10年前に東京の市立総合病院で胆嚢結石症の手術を受けた。ラパ胆で開始したが、結局開腹手術になった。腹部正中に心窩部から臍下まで手術痕があった。術後3年から、これまで10回くらい突発する腹痛発作があり、その時居た地域の病院を受診していたという。手術した病院は受診していないそうだ。

 総胆管結石による症状、総胆管結石による急性胆管炎と思われた。検査では、白血球数正常域でCRP0.9とまだ上昇していなかった。肝機能は中等度に上昇していた。血清アミラーゼも正常の2.5倍になっている。肥満があって、腹部エコーで総胆管~肝内胆管の拡張はわかるが、右季肋部からの操作ではほとんど見えない。腹部造影CTを行うと、総胆管~肝内胆管の拡張とpneumobiliaがあった。膵臓の腫脹はなかった。総胆管内にもairがある。総胆管末端に結石があるかどうかわからなかった。

 当院では総胆管結石の内視鏡治療はできないので、紹介になる。さてどうしたものかと思った。本当は今日午前9時にホテルを出て東京へ帰るバスに乗るはずだった。できれば今日中に新幹線で東京に戻って明日手術を受けた総合病院を受診したいという。抗菌薬とアセリオを点滴静注して、500mlの点滴にFOYを混合して、午後まで経過をみた。午後2時過ぎに患者さんから、症状が軽快して楽になったので帰りたいという申し出があった。紹介状とCTの画像を入れたCDを持たせて、帰宅とした。明日病院を受診してもらうが、夜間に(新幹線内も保障はないが)増悪する時は、夜間の救急外来を受診するようにとお話した。ホームページで確認すると、紹介先の病院は500床以上あり、消化器内科医が8名で総胆管結石の内視鏡治療もやっているようだ。

 入院は気管支拡張症・肺炎+心房細動・心不全の77歳女性、69歳男性のインフルエンザ(高熱でふらふらして動けず)、78歳女性の肺炎(+尿路感染症)、88歳男性の低血糖性昏睡の4名だった。インフルエンザはA型とB型が混在していた。

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肺炎と骨折

2016年02月27日 | Weblog

 金曜日に近くの病院の院長先生から電話が来た。当院に糖尿病で通院している77歳男性が昨夜頭部打撲で入院したが、血糖が高いので、通院している当院で診てほしいということだった。何故そちらの病院を受診したのか、経緯がわからなかったが、当然引き受けて来てもらった。自前の救急車で搬送されたが、入院の入力をした内科病棟ではなく、救急室の看護師さんから連絡がきた。酸素飽和度が著しく低いので、救急搬入口から直接救急室に入れたという。

 心不全をきたす方ではないので、肺炎でもあるのかと思いながら救急室に行った。体温39℃と高熱だった。数日間から調子が悪く、昨日は自室で倒れているところをケアハウスの職員が見つけて受診させたそうだ。リザーバー付きマスクで10L/分の酸素投与で飽和度が94%だった。胸部聴診上は明らかな異常音は聴取できない。浮腫はなく、肺炎でなければ肺血栓塞栓症かもしれないと思った。下肢深部静脈血栓症はなさそうだが。

 胸部X線で両側中~下肺野に粒状影が見える。胸部CTで確認すると、まさしく粒状影が散布していた。間質性陰影も考えたが違うようだ。心不全ではない。血糖は386mg/dlで、pH7.5で頻呼吸による呼吸性アルカローシスだった。白血球数は2500とむしろ低下(上昇後の低下だろう)・CRPは25と検査上も重症を示唆する結果だった。インフルエンザ迅速試験は紹介先の病院で陰性で、インフルエンザ肺炎も考えられたので当院でも再検したが、やっぱり陰性だった。

 骨折はないという話だったが、頭部CTで骨条件で確認すると、右前頭骨陥没骨折で眼窩骨折もある。この方はケアハウスに入所していて、軽度の認知症がある。インスリン強化療法になっているが、いつまでできるかと心配しながら継続している状態だった。BOTではとても血糖コントロールできない。

 要するに、肺炎で高熱が出て、食欲も低下して歩行もふらついて倒れた。頭部を打撲して、骨折をきたした。という経過だった(らしい)。病棟に上がると、すぐに酸素マスクを外してしまう。酸素飽和度が上がってきたので、酸素量を減らして、鼻カヌラにした。これまでは糖尿病の教育入院だけだったので、病棟内を自由に歩ける入院だった。ベット上安静の入院は初めてになる。はたして大人しく治療を受けてくれるだろうか。この方は独身で、入院する時は妹さんが来てくれるが、都合もあり大抵すぐには来れない(こちらもわざわざすみませんという対応になる)。

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脳幹(橋)梗塞・脳底動脈狭窄

2016年02月26日 | Weblog

 63歳男性が昨日の当直帯になってすぐに受診した。正確に言うと姪と甥(いずれも隣県在住)に連れて来られた。3日前に火曜日の夜からふらつきがあったが、翌日もそのまま仕事(建設業)をしていた。翌々日の昨日の朝からしゃべりにくい(呂律がまわりにくい)ことを自覚して、職場の人にも言われた。受診を嫌がっていたが、姪と甥に連絡がいって、午後5時半ごろに連れて来られたのだった。

 当直は整形外科の若い先生だった。午後9時ごろ自宅に電話が来た。延髄外側?の脳梗塞という話だった。意識清明でバイタルはやや血圧が高値のみで安定しているという。心房細動ではなくて、血液検査は異常なかった。年齢的に若いので、脳血管障害の専門病院への紹介を希望すれば搬送してもいいと伝えたが、やっと姪と甥に連れられて受診していて(ひとり暮らしで独身)、紹介するような人ではないという。当院入院として、オザグレルとエダラボンの点滴静注をお願いした。

 病室に診に行くと、きりっとした体型の短髪の方で元気だった。構語障害はほとんどなくなっている。今日頭部MRIを確認すると、左橋の一部の脳梗塞だった。気になるのは脳底動脈が狭窄していることだった。神経内科医と相談したが、血管内治療の適応は判断できないので、専門医に相談してくれという。まず脳血管疾患の専門病院に電話で相談してみた。画像のプリントをFAXしてもわかりにくいということで、今の治療を継続して来週の月曜日に紹介状と画像(CD)を持たせて家族受診となった(地域医療連携室から紹介状と画像のプリントをFAXした)。

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肺炎より貧血

2016年02月25日 | Weblog

 2週間前に内科医院から肺炎の疑いで79歳男性が紹介されてきた。胸部X線でわずかに陰影がある様に見えた。全身状態良好で外来治療とした。レボフロキサシン内服で順調に治癒した。問題はむしろ貧血だった。Hb8.6でMCV59.8と小球性貧血で、血清鉄9・フェリチン14.1と明らかな鉄欠乏性貧血だった。

 この方は昨年末から外科外来に痔核で通院していた。いずれ大腸検査を、の記載がある。患者さんが検査に乗り気ではなかったのだろう。自覚的には痔出血は1回だけで、その後血便・タール便はないという。本当だろうか。肺炎治癒後に外来で、上部下部消化管内視鏡検査を行うことにして、鉄剤を処方した。

 上部消化管は異常なかった。昨日大腸内視鏡検査を予約していたが、午後に検査した消化器科の若い先生(4月に実家の内科医院に戻る予定)に、直腸癌でしたと言われた。部位はRSからS状結腸にかけてで、S状結腸癌とするか直腸癌とするかという部位だった。漿膜側へ顔を出しているかもということだった。来週結果を聞きに来るので、当院で治療を受けるのであれば、そのまま外科へ紹介することにした。

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心嚢液貯留・胸水貯留

2016年02月24日 | Weblog

 昨日の当直帯で内科クリニックから急性心不全疑いで80歳代の女性が紹介された。当直は外科医だった。白血球数10100・CRP25と上昇していた。自宅に電話がきて、その時の話では尿路感染症疑いという話だった。呼吸苦もあってという。肺炎ですかと訊くと、肺炎ではないようだが、胸水があると言われた。。一昨日から内科クリニックで抗菌薬(ファーストシン点滴静注とクラビット内服)を2日間投与したが、発熱が続いて改善していないというので、大腸菌ESBLのような抗菌薬の効きにくい急性腎盂腎炎かと思った。血圧は安定して、酸素飽和度が90%(室内気)というこだった。チエナムの点滴静注・ラシックス1A静注・点滴40ml/時で入院させてもらうことにした。

 患者さんは意識清明で、認知力障害はなく、しっかり会話できた。毎年当院の健診センターで健診を受けていて、昨年の胸部X線はまったく異常がない。1ケ月前から何となく寒気がしていた(これを最初の症状としていいのか)。1週間前から胸痛(激痛ではない)があり、5日前に内科クリニックを受診した。胸部X線で心拡大があったが、経過をみたらしい。一昨日に発熱(37℃台で最高は37.7℃)があり、抗菌薬の投与を2日行ったが、昨日は胸部X線で心拡大が進行して胸水貯留も出て、患者さんも呼吸苦を訴えたために、当院搬送としたのだった。

 今日胸部X線・胸腹部CT(単純)を確認した。心嚢液が貯留している。両側胸水が貯留しているが、左が目立った。上行大動脈が少し太く見えて、内腔に線状の陰影があるようでもある。症状が突発ではないが、急性大動脈解離を疑った。循環器科医(二人のうちのひとり。もうひとりは感染症のセミナーで不在)に相談して、まず造影CTを行うことにした。結果は、大動脈解離はなかった。

 心嚢液貯留は昨夜より増量して、両側胸水も増量していた。血圧140/60mmHgで酸素飽和度は酸素3L/分で94%。心電図は異常なしで、心原性酵素も正常域だった。いったいこれは何だろう。病状としては心不全になっている。結核以外の細菌感染症で心膜炎・胸膜炎は考えにくい。肺癌の進行や悪性リンパ腫なら、胸水・心嚢液貯留はありうるか。ウイルス性心筋炎は酵素からみてないだろう。感冒様症状が先行してウイルス性心膜炎なのか。検査としては胸腔穿刺・心嚢穿刺から調べていくべきなのだろう。

 自分が担当して診断治療できそうになかった。循環器科医も送ってくれということで、心血管センターのある専門病院にお願いする手配をして、救急搬送した。

(追記)

 翌日の2月25日に感染症のセミナーから帰ってきた、もう一人の若い循環器科医に画像を見てもらった。感冒様症状が先行して発症しているし、急性(ウイルス性)心膜炎じゃないですか、とあっさり言われた。心原性酵素が上昇していないし、心筋炎がなくて心膜炎だけだと画像の割に重症感がないのでは、とも言われた。患者さんはもともと元気な人のようだが、ベットサイドで話をした時もはきはき答えていた。造影検査の同意書にサインできますが、と言うとガバッと起き上がった。画像の割に元気だった。急性(ウイルス性)心膜炎からうっ血性心不全を呈し、治療としては心不全の管理をしながら(NSAIDで?)経過をみれば治っていくのだろうか。ちなみに紹介状の病名には、急性心不全・急性心膜炎の疑いと記載していた。結果的にそこだけは正解になるかもしれない。何だかわからなくて、慌てて騒いだというのが実態だが。

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脳幹部病変、くも膜下出血

2016年02月23日 | Weblog

 糖尿病で入院して今月初めに退院した78歳男性が構語障害と左半身麻痺で救急搬入された。退院した後に、少し自宅で過ごしてショートステイ入所していた。自宅に戻った後、いつもより動きが悪かったが、同居の娘さんは疲れたのかと思っていたそうだ。2-3日構語障害(しゃべり方がおかしい、普段より呂律が回らない)が進行して、動きも悪くなり(半身麻痺とは気づいていないらしい)、今日救急要請した。

 もともとは高血圧症・軽度の糖尿病・アルコール性肝硬変で通院していた。昨年は腰痛で整形外科に入院したが、化膿性脊椎炎・椎間板炎で内科に転科した。抗菌薬の長期投与で治癒したが、そのころから車いす生活になった。娘さんとの二人暮らしで、息子とは折り合いが悪いらしい。昨年末から血糖コントロールが悪化して、膵癌を疑ったが否定された。インスリン注射は娘さんが1日1回しか打てないということで(ご本人は打てない)、トレシーバ1日1回のBOTにした。まあまあの血糖コントロールとなって退院した。

 救急当番の外科医から連絡がきた。頭部MRIでは脳幹部に拡散強調画像で淡く高信号域があった。放射線科医に診てもらったが、脳梗塞とも言えず、橋中心髄鞘崩壊症(central pontine myelinolysis CPM)ではないかという。血清ナトリウムは137、血清カリウムは4.1で血糖は97だった。血清アンモニアは187と高い。肝性脳症ではあるが、普段と比べて特に悪化しているようでもない(自分で買いに行けなくなってから、アルコールは飲んでない)。基礎に肝硬変はあるが、糖尿病も含めて悪化した様子はない。CPMとすれば、何が引き金になったかわからなかった。入院で慎重に経過をみるしかない。

 

 その後、救急外来に44歳女性のくも膜下出血が救急搬入された。救急当番の外科医が、地域の基幹病院脳外科に連絡しようとしたが、すぐに対応できないので、手がすき次第折り返し電話をすることになったらしい。救急室に向こうからの電話が入ったが、事務員が間違えて私のPHSにつないできた。私が名前を言ったので、PHSの番号を間違えたと気付いたのだろうが(一瞬躊躇った感じが伝わった)、何故かそのままつないてしまった。基幹病院に事務員も違う医師が出たので、困ったらしい。謝って、改めてかけ直すよう伝えて、救急室の事務員に連絡した。その後で、患者さんの画像を見でくも膜下出血の搬送とわかった。

 

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腎梗塞・上腸間膜動脈血栓塞栓症

2016年02月22日 | Weblog

 内科再来を診ていたが、内科新患が混んでいたので11時から少し手伝った。60歳代後半の女性が3週間前から咳が続くという訴えで受診していた。上気道炎の症状で始まっていた。上気道咳症候群のようなものかと思ったが、この方は要するに喘息だった。

 小児期から喘息があり、成人になってからは、風邪をひいた時に咳が続いたり喘鳴が出たりする。今回は咳だけで喘鳴はないというが、聴診するとちゃんと喘鳴が聴取された。どうも普段から喘鳴があるようだ。数日前にせき込んで苦しかったので受診したそうだ。数年前に呼吸器科外来(大学病院からの応援医師)を受診して、吸入ステロイドを処方されたが、2回の受診で中断していた。喘息は治ると思いたいらしい。慢性疾患で治るという言い方はしないというとガッカリしていた。少し話をしているとせき込んでしまう(酸素飽和度は正常域)。日本語学校で教えているというので、定年になった教員なのだろう。午後に授業があって時間がないというので、プレドニン30mg/日内服3日分を出して、以前使ったアドエア(使った時は良かったと)にテオドールとシングレアを処方した(その後は吸入ステロイドだけにする予定)。なかなか来れないというので、30日分の処方として、次回は近医へ紹介することにした(住所は隣の隣の隣町だから)。

 内科の若い先生が当直の時に、80歳代後半の女性が右側腹部痛で救急外来を受診した。心房細動があった。腹部造影CTで右腎梗塞と上腸間膜動脈血栓塞栓症を認め、血管外科の扱いとなった。心エコーでは心腔内には残存した血栓はなかった。心房細動から2か所に血栓塞栓症をきたしたのは初めて見たかもしれない(多発性脳塞栓以外)。

 

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地方会教育講演会

2016年02月21日 | Weblog

 昨日は内科学会地方会の教育講演会に行った。演題はびまん性肺疾患・腎臓病・結核・貧血・慢性膵炎。そのうち、腎臓病の講演が興味深かった。透析導入の原因疾患では糖尿病腎症が最も多いが、本当だろうかということだった。糖尿病の患者さんで腎障害があると当然糖尿病腎症としてしまうが、腎生検をすると、実は腎炎で糖尿病腎症でなかったということもあるそうだ。蛋白尿だけではなく、血尿や血清補体値の低下があれば、他の原因を考慮する必要がある。

 薬剤性腎障害診療ガイドライン2016が出るのでぜひ購入して下さいということだった。これまでの本は主な薬剤のみを記載していたが、これはほとんどあらゆる薬剤の腎障害時の薬剤量調整を記載しているという。Cox-2選択阻害薬と非選択性は、腎障害を来たすことでの違いはない。したがって鎮痛薬を使用するとすればアセトアミノフェンになる。SPRINT試験で、降圧目標を120未満にすると、心血管疾患・死亡・心不全が通常の140未満よりも有意に低下するらしいが、きびしく下げることによる弊害を検証する必要がある。

 貧血の講演は、具体的な症例を提示していた。聖路加国際病院血液内科・岡田先生の血算の本を読んでいるので、大抵は見当がついた。鉄は摂取による吸収鉄が1mg/日と少なく、体内の赤血球からのリサイクル鉄が20~25mg/日と圧倒的に多い。すなわち鉄代謝は入り口と出口が狭いという捉え方が新鮮だった。

 今日は車(セレナ)を12カ月点検に出した。購入して6年目。日産の担当者はそろそろ新車をと言う(一応来年の車検前に買い替える予定)。「ねころんで読める頭痛学 診断と治療」間中信也著(MCメディカ出版)を読んでいる。

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逆流性食道炎

2016年02月20日 | Weblog

 市役所の福祉課でかかわっている、困った人の70歳男性が今週また現れた。自宅をゴミ屋敷にしたことで、行政がかかわって、最終的には撤去した(市役所の持ち出しで)。実はけっこうな貯金を持っているらしい。生活は不規則で、買い物に行くのがおっくうだと、しばらく食べないで過ごしてしまう。最近は独居の老人の孤独死問題があり、ほっておけないらしい。

 重度の逆流性食道炎があり、消化器科の若い先生(4月から実家の内科医院に戻る)が内視鏡検査を繰り返してみていて、食道拡張術も施行していた。タケキャブが出てからは、PPI倍量から切り替えて使っていた。中断しない限りは継続していいるので、何とか悪化しないでいた。行政の努力で、隣市のケアハウスに入所したが、いやになって出てしまい、元の家に戻ってしまった。

 木曜日の当直帯に胸痛(胸骨に沿った痛み)で救急外来を受診した。当直の外科医が検査して、心臓ではないので(有症状時に心電図変化なし)、食道炎の症状と判断された。入院にしたのでよろしくと電話がきた(その日内科の当番だった)。自分で食道を見たことはなかったことと、前回の検査から半年以上経過していたので、内視鏡検査を行った。

 中部から下部食道にかけて全周性にびらんがあり、確かに重度の食道炎ではあった。これまで見た食道炎のベスト3に入る。それでも狭窄はなかった(食道の運動機能は低下しているだろう)。1~2週間タケキャブを内服していないが、内視鏡室の看護師さんはひどい時よりはずっとマシと言っていた。週明けまでの入院としたが、怒鳴ったりするので病棟では相当にいやがっている。

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