なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肺癌の進展

2019年01月05日 | Weblog

 今日は内科日直で病院に出ている。朝起きて出かける準備をしようとしたら、奥さんに「あれ、今日は出番なの」と言われた。1日に日直で出たので、この土日はないと思っていたようだ(伝えてはいた)。人(医師)がいないのでこんな生活になる。

 内科クリニックから、「肺癌のフォローをお願されていた86歳女性が大分厳しい状況なので、入院をお願いしたい」、と連絡が来た。名前を聞いてもすっかり忘れていた。電子カルテを開いてから思い出した。

 昨年の7月にそのクリニックで肺腫瘤を発見して、地域の基幹病院呼吸器内科に紹介していた。年令を聞いただけで対象にならない気はするが、そこは専門医で治療できるかどうか検索をしていた。結局治療は困難という結論になり、当院でのフォローを依頼された。画像では空洞を伴う腫瘤で扁平上皮癌(細胞診で確診)らしい像だった。

 9月に当院内科外来を受診したが、それなりに元気で日常生活はできていた。娘さんにお話して、できるだけ自宅で過ごしてもらい、悪化した時は当院入院で終末期の対応をすることにした。胸膜痛があるが、クリニックで処方されたNSAID(セレコックス)で治まっていた。そこがかかりつけで通院しやすいので、入院するまでの治療をお願いしていた。

 クリニックから救急搬送されてきた。食事があまりとれなくなって、動けなくなっていた。上下肢に浮腫があり、低酸素血症を呈していたが、会話はできる。胸部X線・CTで確認すると、右上葉の原発巣もすっかり充実性腫瘤となり、増大していた。右肺の肺内転移は多発性結節となり、胸水も貯留している。

 

 高齢であり、もう少し進行は遅いのかと予想していたが、それよりも速かった。酸素吸入と点滴くらいの治療で、あとは疼痛対策・呼吸困難感対策になる。娘さんと、ぎりぎりお正月を自宅で過ごしましたねという話になった。お餅を少しだけ食べられたそうだ。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする