最近頻回に入院しているびまん性汎細気管支炎(DPB)の71歳女性は、また木曜日に入院した。
呼吸器科外来(大学病院からの応援医師)で診てもらっているが、クラリスロマイシン抵抗性で改善しない。呼吸器内科常勤医のいない病院として、ここで管理していいのかという患者さんが何人かいる中のひとりだった。
可能ならば、地域の基幹病院の呼吸器内科に通院してもらうといいが、患者さんとしては当院通院の方が都合がいいらしい。抗菌薬投与で軽快しているうちはいいが、いずれ肺炎が悪化した時にどこまで治療するかという問題になる。
今回は先々週の金曜日(7月15日)から発熱と胸痛(右前胸部、おっぱいのところが痛いと表現)があった。在宅酸素療法(HOT)が導入されているが、酸素飽和度はふだんとそれほどかわらなかった。
金曜日の当直帯に当院に電話していて、地域の基幹病院を受診するよういわれたそうだ(当直はバイトの先生)。土曜日の当直帯で受診して、当直の耳鼻咽喉科医が対応した。胸部X線で普段と変わりないと判断された。レボフロキサシンが3日分処方されて、週明けに外来を受診するように言われた。
日曜日は地域の基幹病院を受診して、吸入をして帰された。絶対入院するほどではないので、普段診ている当院で、という判断だろう。週明けに受診しなかったのは、ふだん診ている呼吸器外来の先生の外来日まで待ったということらしい。
土曜日の胸部X線でも右中葉の肺炎はあった。呼吸器外来の先生は胸部CTで確認していたが、右中葉の肺炎が胸膜にかかるので胸膜痛が生じたということだった。
喀痰培養で緑膿菌が検出される患者さんなので、使用する抗菌薬は、第4世代セフェムかタゾバクタム/ピペラシリンかカルバペネムになる。
いつもの?第4世代セフェム(当院はファーストシン)で開始したが、思わしくない時は変更する。呼吸器外来ではアジスロマイシンを使用しているが、効いてはいないようだ。何か漢方薬がDBPに効かないだろうか。