なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

フルニエ壊疽後

2022年07月20日 | Weblog

 先週の土曜日は日直だった。76歳女性が発熱で受診した。何度もそれも長期で入院していた患者さんで、担当したことはないが、ベットボードで名前を見たことがある患者さんだった。

 

 これまで経緯をみると、かなり大変なものだった。もともと糖尿病があり、神経因性膀胱で尿カテーテルが留置されていた。

 2015年に血圧低下・頻呼吸で救急搬入された。最初に対応したのは、当時いた内科の若い先生だった。仙骨部の褥瘡から感染が広がり、会陰部から大腿部まで及んでいた。

 CTでみると、背部から会陰部~大腿部までガス像を認める。会陰部の壊死性筋膜炎、現在の言い方だと壊死性皮膚軟部組織感染症で、炎症は内臓自体にも及んでいる。 

 デブリドマンが必要で、外科医に治療を依頼して、外科入院となった。当時は外科医が5名くらいいたが、病状的にはそのまま大学病院などの高次医療機関へ搬送でもよかったと思う。

 会陰部切開・抗菌薬投与だけでは病状が悪化して、壊死部切除・直腸切断・人工肛門造設術を行った。その後、筋皮弁による創閉鎖のために大学病院へ転院となっていた。大学病院に半年以上入院して、当院に戻ってからも長期で入院した。

 結局会陰部は皮膚で覆われることはなく、膀胱がそのまま露出した格好になっている。

 

 直近では2か月前まで仙骨部褥瘡の治療で皮膚科に入院していた。その後、経済的な問題で療養型病床転院・施設入所は難しく、週5回のデイサービスでの対応となった。

 今回は褥瘡からの浸出液が緑色で、尿混濁もあった。褥瘡感染and/or尿路感染症として入院とした。尿培養と血液培養2セット(動脈から採取)を提出した。褥瘡からの培養はどうしたものかと思ったが、適切な提出がわからず結局出さなかった。

 

 フルニエ壊疽は中年男性の症例を見たことがある。救急室で救急担当の先生といっしょに診て、そのまま地域の基幹病院に搬送したので、その後の経過はわからない。

 

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