なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

胸膜炎・肝周囲炎?

2022年07月22日 | Weblog

 先週の金曜日に内科外来に通院している87歳女性が、左大腿部痛で予約外に受診した。夫は長年当方の外来に通院しているが、こちらの奥さんは最近から通院し始めていた。

 3日くらい前から左大腿部外側の痛みがあったそうだ。処方しているピタバスタチンに説明書(薬局で出したもの)に、副作用として筋肉痛があったので、そのためではないかという。

 スタチンの副作用としての筋肉痛はそんなに部分的には出ない。同部に発赤・腫脹はなく、圧痛・把握痛は軽度にあるようなないようなというくらい。(血液検査で筋障害を示唆するCKは正常域だった)

 

 受診時に37.9℃の発熱があり、発熱外来の扱いになった。呼吸器症状はないが、型通りにコロナの検査をして陰性だった。この年齢だと、発熱の原因は肺炎・尿路感染症などの細菌感染症になる。

 血液検査で白血球11600・CRP17.8と炎症反応の上昇があり、肝機能障害もあった。腹部エコーでは肝表面にごく軽度の腹水を認めたが、肝内部や胆道系に異常はなかった。

 胸部X線では軽度両側胸水貯留を示唆する所見があった。胸腹部CTでみると、確かに軽度に胸水があり、肺底部から横隔膜にかけて炎症像?がある。横隔膜を挟んで肺の炎症が肝表面に及んだ?。CTの読影レポートには両側肺底部に肺炎・胸膜炎に一致する・矛盾しない(consistnt with)とあった。

 肺炎・胸膜炎としても、呼吸器症状はなく、深吸気で胸膜痛があるわけでもない。肺炎・胸膜炎の疑いと伝えたが、患者さんはきょとんとしていた。

 肺炎・胸膜炎として抗菌薬(スルバシリンSBT/ABPC)を開始すると、週明けに解熱して炎症反応も軽減していた。肝機能障害は横ばいであまり変わらない。変な病態だが、この治療で継続するしかないようだ。

 

 7月になってお中元の季節になった。社会的には交友関係も少ないので、お中元・お歳暮を贈る数は元々少なかった。

 結婚式の仲人をお願いした研修病院の院長先生はその後10年くらいして亡くなった。大学の時に学位研究で派遣された病理の先生も数年前に亡くなった。

 現在送っているのは、臨床教室の直接の上司の先生だけになってしまった。自治体病院の院長を定年退職されて、現在でも外来診療は続けておられる。

 社会性がないのを見越して、一人でも研究できるようにと、病理の教授に紹介してくれた。(研究グループの仕事はほどんどしなかった)指導医はこの先生でしたというと、対外的にわかってもらえるので、ありがたい存在だ。

 

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