なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

腸閉塞・結腸癌疑い

2022年07月29日 | Weblog

 水曜日は当直だった。午後11時半過ぎに、3~4日前からの腹部膨満があり、食事摂取できないという73歳男性が救急搬入された。

 腸閉塞だと外科のない当院では診られない。断った方がとも思ったが、発熱・腹痛の訴えはないというので受けた。

 以前の腹部CTで内臓脂肪が目立つ患者さんだったが、確かに腹部は膨満している。膨満して苦しいというが、柔らかさもあり、圧痛としてはとれなかった。

 放射線技師・検査技師は午後10時以降は、待機・呼び出しになる。朝まで点滴で経過をみてからとも思ったが、検査することにした。(検査技師さんは院内宿泊だった)

 腹部CTで胃から小腸、さらに横行結腸口側まで拡張して、消化液が貯留している。横行結腸の肛門側で急に結腸が狭くなっている。壁肥厚が軽度にあるようだが、腫瘍とは決め難い。その下行結腸からS状結腸は便があるが、狭窄をきたすものではない。

 発症の経緯と症状からは、しだいに詰まってきたようだ。放射線技師さんに指摘された回盲部にリンパ節と思われる小腫瘤がある。単純CTだけだったが、(搬送前に)造影してもそれほど情報が変わることはなさそうだった。

 午前1時半を過ぎていていたが、地域の基幹病院の外科系の当直医に連絡した。幸い受けてもらえることになり、腸閉塞・横行結腸癌疑いとして、救急搬送した。

 

(後日記) 大腸内視鏡検査を行って、横行結腸癌と診断された。そのままステント挿入を行って、待機手術となった。

 

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