なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

下肢蜂窩織炎

2022年07月01日 | Weblog

  火曜日の午後に、埼玉県から東北にバスツアーで来た80歳女性が、高熱(39.5℃)と右下肢の発赤・腫脹で救急搬入された。当地域の酪農センターに到着したところで動けなくなったという。(宿泊は隣県の予定だった)

 内科の別の先生が救急当番だった。COVID-19の検査は陰性で、肺炎も尿路感染症もなかった。右下肢蜂窩織炎の診断で入院となった。

 割と血液培養を取らないことがあるが、今回は2セット採取していた。白血球12000・CRP0.6と急性期の所見(まだCRPが上がりきらない)だった。

 入院翌日には抗菌薬投与で解熱していた。トイレまで歩行可能になった。その先生は火曜日は当直で、水曜日の午後に当直明けの分として職専免で帰るので、昨日こんな患者さんがいましたと報告された。

 皮膚科の先生にも診てもらって、特に下腿は比較的境界明瞭な真っ赤な発赤・腫脹で、丹毒のようだといわれたそうだ。

 病室に行って確認すると、確かに下腿は真っ赤で、大腿部にかけては境界不明瞭な淡い発赤・腫脹に移行している。以前にも蜂窩織炎になったが、外来で抗菌薬内服を出されて治癒したというので、今回よりは軽症だったのだろう。

 数日前から違和感や痛みはなかったのかと訊いてみた。もともと右下肢は左より軽く腫脹していて、リンパ浮腫?といわれていたそうだ。痛みはひどくはなく、水疱やチアノーゼはなく壊死性筋膜炎(皮膚軟部組織炎)ではない。

 患者さんは、一泊二日のバスツアーのはずが、ひとり旅行先での入院になってしまってと、嘆いていた。

 

 新幹線や高速道路で遠方から来て、途中で発症した患者さんが入院するというのが、当院では時々ある。周囲に温泉が数か所あるので、宿泊客が発症して受診・入院というのも時々ある(浴槽で沈んでいたというのも含めて)。

 

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