なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

久々のCOVID-19肺炎

2022年07月14日 | Weblog

 火曜日に保健所から、COVID-19に罹患した患者さんの外来アセスメントに依頼がきた。82歳男性で、受診時には発熱はなかったが、酸素飽和度は92%(室内気)と低下していた。動くと息切れがある。

 外来アセスメントで問題がなければ、療養施設に入所の予定で、その準備もしてきていた。県で手配した車で来院した。

 胸部CT撮影は、2台あるCT室の普段は使用していない方を使って、COVID-19患者専用として行っている。待機する場所も外来にはないので、CT室で血液検査も行うことになっている。

 放射線技師さんから声が上がった。最近は入院になるような患者さんでも、肺炎をみることはずっとなかった。今回は胸膜直下にすりガラス陰影が散在していた。

 これまでもっと陰影が広がった患者さんも当院で診てはいた。悪化した時は高次医療機関に搬送となるが、低流量酸素でみれる場合は、抗ウイルス薬や抗炎症薬(デキサメサゾン)を使用して反応をみていた。

 

 この患者さんは気になる点があった。まずこの日発症5日目で、7日目~10日目にかけて悪化してゆく可能性がある。また血液検査で白血球11500・CRP18.7と炎症反応が高値だった。リンパ球も5.3%と大分低下している。

 細菌感染症ならば普通の値だが、COVID-19 としてはかなり悪い。COVID-19では大抵は白血球は減少か正常域で、上昇することは少ない。またCRPもCOVID-19としてはかなり高い。軽症だと1~2くらいで高くても5くらいだ。中等症以上だと10以上になるが、18は高い。

 酸素投与はまだ2L/分程度だが、進行が危惧される。このくらいで搬送かといわれるかもしれないが、悪化の予感を優先した。

 保健所に連絡して地域の基幹病院の感染病棟にお願いすることにした。(当院は、軽症だが介護の手がかかる超高齢者を引き受ける方が向いている)

 

 オミクロン株のBA.5は肺炎になりやすいというニュースが出ていた。ずっと肺炎のないCOVID-19症例が続いているので、典型的なコロナの肺炎像をみるのは久しぶりだった。

 

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