なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

尿道結石(嵌頓)

2024年07月03日 | 泌尿器科疾患

 6月30日(日)の日直の時に地域の当番医の内科医院から連絡が入った。71歳男性が尿閉で受診したが、尿カテーテルを挿入しようとしたが入らないという。

 地域の基幹病院に連絡したが、近くのたとえば当院で診てもらうようにといわれたそうだ。尿カテーテル挿入に特別な工夫ができるわけでもないので、紹介されてもと思ったが、「よろしく」ということだった。(当院の常勤医だった先生のお兄さん)

 

 患者さんが紹介状を持って受診したきた。これまで尿が出にくいことはなかったらしい。急な尿閉だった。特に尿閉を来すような薬を飲んだわけでもない。

 腹痛や陰部痛はない。下腹部に圧痛というほどの所見はないが、腹部エコーを当てると、膀胱内の中等度の尿貯留を認めた。

 普通に16Fr.の尿カテーテルを挿入していみると前立腺部で止まってしまう。細径の12Fr.の尿カテーテルでも入らなかった。前立腺肥大ではなく、前立腺癌の浸潤だったりするとまずいと思った。(最近の消化器病研究会で前立腺癌の直腸浸潤の症例があった)

 最初から腹部CTで確認すればよかったと思いながら、撮影してもらった。尿道の前立腺部に結石があった。両側腎結石もあり、一部は珊瑚状になっている。尿管結石の既往もある人だった。

 これは泌尿器科に対応してもらうしかない。泌尿器科常勤医のいる基幹病院に連絡すると、外科系の日直医は耳鼻咽喉科の先生だったが、受けてくれた。

 内科医院から連絡があったかもしれませんが、と伝えた。すると、心肺蘇生術をしていた患者さんが安定して病棟に上がったので、今なら診られるということだった。

 内科医院から連絡がいった時は、心肺蘇生術の真っ最中だったらしい。内科医院への返事にはそのことも記載しておいた。

(後日記)

 泌尿器科からの返事は。「ブジーで尿道結石を膀胱内まで押し戻し、尿カテーテルを留置しました。膀胱結石除去術を予定します。」だった。

 

 

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