なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

COVID-19で胃癌?

2022年07月18日 | Weblog

 木曜日に保健所から依頼があり、COVID-19の83歳女性が入院した。年齢と食欲不振があることで、ホテル療養ではなく入院になった。

 昨年10月に地域の基幹病院で甲状腺癌の手術を受けていた。胸部CTで、両側肺野に結節影が散在して、甲状腺癌の肺転移と判断された。COVID-19 としての肺炎像はなかった。結節はまだ小さく、今回の入院には影響はない。

 胸部CTだが、上腹部も描出される。胃底部~体部の胃壁は正常でも肥厚して写るが、不整肥厚が目立つようだ。そして胃の近傍(小弯側)にリンパ節腫脹と判断される腫瘤があった。一個のリンパ節というより、一塊になっているのかもしれない。

 放射線科の読影では進行胃癌疑い・胃周囲リンパ節腫大・肺転移となっていた。(甲状腺癌術後は後でわかったので、CT依頼の病名に記載していなかった)

 腫瘍マーカー(CEA・CA19-9 )は正常域だった。胃癌の場合は両者が上昇しないこともあるが、胃癌ではないのだろうか。胃悪性リンパ腫?。

 発症10日経過しないと隔離解除にならないので、精査はできない。入院日にまったく食事摂取できず、点滴をしたが、翌日からは少し食べられるようになった。食欲不振は数日前からで胃疾患の影響というより、コロナ関連と判断されるような経過ではある。

 甲状腺癌術後で外科フォロー中なので、退院後は基幹病院の消化器内科に紹介することにした。このまま無事に隔離期間を過ごしてほしい。

(後日記) 無事に退院となって、2週間後に基幹病院消化器内科の外来を予約した。返事が来て、胃癌(スキルス胃癌)・腹腔内リンパ節転移と診断されていた。手術適応はなく、腫瘍内科に紹介となるそうだ。

 

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