なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

大学病院退院直後の発熱

2022年07月05日 | Weblog

 昨日の夕方に消化器科医から連絡が来た。頸部食道癌の80歳男性が発熱で受診して、新型コロナの抗原定性検査で陽性に出たという。どうしたらいいか、といわれた。

 この患者さんは4月に市内のクリニックから当院の消化器科に紹介となった。げっぷが出やすいという症状だったらしい。上部消化管内視鏡検査で頸部食道癌を認めた。

 地域の基幹病院ではなく、県内有数の市立病院へ紹介していた。そちらでの内視鏡検査で下咽頭にも病変を認めたことから、さらに大学病院へ紹介された。

 大学病院での診療科がよくわからないが、放射線科で放射線化学療法を行うことになった。5月下旬から入院して、1か月以上治療して、7月1日に退院となった。

 白血球減少(好中球減少)を認めて、退院日には37℃台の微熱があった。その日胸部CTが施行されていて、右中葉の肺炎が疑われていた。入院中に夜間せん妄があったことから、抗菌薬内服(レボフロキサシン)が処方されて、予定通りに退院としていた。

 当院消化器科へ、発熱で貴院を受診した際にはよろしく、という診療情報提供書を持たされていた。大学放射線科の外来予約は入っていた。

 

 月曜日の発熱外来担当は大学病院総合診療科からバイトで来ている先生だった。消化器科への診療情報提供書を持たされていたことから、コロナ陽性判明後に消化器科医に連絡していた。

 患者さんは退院後は自宅にいて外出はしていない。妻と二人暮らしだが、月曜には東京から息子さんが来ていた。発熱があるので、息子さんが車を運転して受診していた。後部座席に夫婦が載っている。

 病院の駐車場に行って、酸素飽和度を測定すると94%だった。普通に座っていて、それほど困っているようではない。大至急入院というほどではないようだ。

 保健所に患者発生届けを出して(FAX)、直接消化器科医が電話した。重症化リスクが高く入院適応だが、当院の感染病棟ではなく、できれば大学病院の感染病棟に依頼したいと伝えた。

 消化器科医が大学病院放射線科の主治医にも連絡した。放射線科の外来を受診した患者さんでコロナと判明した方がいて、放射線技師も罹患して、という事情があったらしい。コロナで間違いなければ、大学病院での罹患かもしれない。

 保健所で手配するということになり、その日は帰宅して翌日の入院指示待ちとなった。

 

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