横浜のほほん

横浜のはずれで、のほほんと暮らす男の見聞、考察、感想をつれづれに記す

タカサゴユリとノシラン

2006-08-31 21:35:00 | 近所

近所の地区センターの裏手へ回ると、いろんな草木が植栽されている。


タカサゴユリ(ユリ科) タイワンユリ
台湾原産の帰化植物でテッポウユリによく似ている、


花の外側が赤褐色を帯びるのと、葉が細いのが特徴だ。


その脇には、ヤブランのような葉だけど白い花。


ノシラン(ユリ科) 熨斗蘭
学名が ヤブラン(Ophiopogon jaburan)になっているが、
ヤブランの仲間ではなくてジャノヒゲの仲間だそうだ。


たしかに一つ一つの花はジャノヒゲによく似ているし、
秋にはきれいな青い実が出来る。

タカサゴユリの種も面白いらしいし、秋の楽しみができた。

掃き溜めに

2006-08-30 21:28:57 | 近所

クズにホウキと続けば、行き着く先は掃き溜め。

去年はハキダメギクという名前の花を探し、
シロノセンダングサをそうかもとしれないと思ったりして、
きちんと分かったのは10月だった。
今年は、初夏からあちこちで咲くのを見てきた。


ハキダメギク(キク科)
直径5mmぐらいの可憐な花だが、
大正時代に南米から帰化したのを掃き溜めで見つけた
牧野富太郎博士が、掃溜菊と命名したそうだ。


ハキダメギクのギの肩からニを降ろしてメとキの間に入れれば、
ハキダメニキク(掃き溜めに菊)となって掃き溜めに鶴と同じだ。
これで、変な名前をつけたとそしられる牧野博士の肩の荷も降りるのではないか。
お後がよろしいようで・・・

ホウキグサ

2006-08-30 08:29:59 | 近所

ホウキグサ(アカザ科) コキア
そば畑の脇で写真を撮っていると、散歩中のお年寄りが話しかけてきた。
子供のころ上飯田(泉区)のほうの農家だったので、これを枯らせて箒にしたんだよ。
農家は広くてたくさんゴミが出るので、大きい箒に重宝したんだ。
1本植えると種が飛んでどんどん増えるよ。

勤めをやめて食が細っていたが、歩くようになってご飯が1膳増えたとか。


小さな花が実になって、トンブリの素にもなる。
もう1膳増えるかもしれない。

そのころには紅葉してきれいだ。
紅葉の様子は 畑のキャビア を参照。


蛇足:箒草は別名を箒木ともいうが、源氏物語の帚木は別の木のようだ。
源氏「帚木の心をしらでその原の道にあやなくまどひぬるかな」
空蝉「数ならぬ伏屋に生ふる名のうさにあるにもあらず消ゆる帚木」


屑じゃないよ

2006-08-29 09:50:57 | 近所
横浜のはずれ、畑の中にできた市営上瀬谷住宅。
お盆の15日、酔っ払った男が14階から消火器を噴射させたうえ、
地上に投げ落とした。
どんな事情があったのだろうか。

クズ(マメ科)
地面を這い草木でもフェンスでも絡まって伸びていく蔓は、
あちこちに根をおろし芋状の葛根を作る。


葛根から出来る葛粉はクズ湯、クズ餅、クズ切りなどで昔から親しまれている。
最近は馬鈴薯澱粉の混ざったものが多く、
100%葛粉は本葛と呼ばれ高級品だ。
近所の至る所で見かけるのに変なものだ。

              ま葛延ふ 夏野の繁く かく恋ひば 
                     まこと我が命 常ならめやも

万葉集の時代から歌に読まれ、秋の七草のひとつでもあるが、
繁殖力の強さから嫌われて、この花の姿を見せず刈り取られることも多い。

高ボッチ高原 つづき

2006-08-28 08:41:59 | 旅行

花や赤トンボや蝶を観察しながら、1929mの鉢伏山頂へ向かう。
もやの向こうになにか見たことがありそうな山が見える。
たぶん、学生時代に行ったことのある美ヶ原だろう。


歩く道から草花たちの中へは入らないので、道に近いところの花を見ることになる。
ハクサンフウロやイタドリ、アキノキリンソウは多く見かけた。


ハクサンフウロ(フウロソウ科)
先生の話だと、昔に比べて土が乾いている。
そのせいか、花の数がかなり少なくなっているそうだ。


イタドリ(タデ科)
イタドリは白い花と赤い花の両方を見たが、この写真はすでに実をつけている。


イブキトラノオ(タデ科)
タデ科としてはママコノシリヌグイも咲いていた。


ウメバチソウ(ユキノシタ科)
なにげなく撮ったが帰って見ると花弁もシベも面白い。
5本のオシベはメシベの柱頭を抱いているが、
1日に1本ずつ立ち上がって花粉を出す。
そのほかに仮オシベがあって、細く分かれた先端に腺体がある。


分かりにくい写真が残念なので、ちょっと加工してみた。

鉢伏山頂について塩尻市街や諏訪湖を眺めていると、
遅れてきた女性の両足がハンカチでくるまれている。
どうしたのかと聞くと、靴底がはがれたのだと言う。
少し前に同じような例をブログで読んだことがあるが、身近に見てしまった。
しかも両足同時とは。


マツムシソウ(マツムシソウ科)
キク科の花のように筒状花と舌状花からなるが、
舌状花のほうは唇弁になっていて下唇が3裂しているのが面白い。


タチコゴメグサ(ゴマノハグサ科)
とても小さく、コゴメと呼ばれるのが納得できる。
下の唇弁に黄色い斑紋が入っている。

ほかにもいくつかゴマノハグサの仲間が咲いていた。


ルリトラノオ(ゴマノハグサ科)
クガイソウにちょっと似ている。


シオガマギク(ゴマノハグサ科) 塩竃菊
葉の形が菊に似ているが、菊の仲間ではない。
浜で海水を煮る塩竃は『浜で美しい』」ということから「葉まで美しい」にかけて
「塩竃菊」の名がついたという。
茎のあちこち何段かに巴に近い形の花をつける。


トモエシオガマ(ゴマノハグサ科) 巴塩竃
トモエシオガマはシオガマギクの変種で、
茎の先端だけに巴状に花をつける。

ほかにもユウスゲやヨツバヒヨドリなども咲いていた。


帰り道、諏訪大社にお参りし名物の塩羊羹を買って帰った。

高ボッチ高原

2006-08-27 08:09:41 | 旅行

金曜日、あるグループに飛び入り参加で高ボッチ高原・鉢伏山へ行ってきた。
高ボッチ高原は長野県塩尻市にあり、松本や諏訪湖に近い。

45名が2台のマイクロバスに分乗して朝7時に出発した。
途中1台がエンジントラブルに見舞われて代車に交換したりで
到着は2時間近く遅れてしまった。


鉢伏山荘の駐車場から下を見ると、
黄色い花と青紫の花が目につく。


マルバダケブキ(キク科)丸葉岳蕗
まず、黄色い花はマルバダケブキで、直径7,8cmの大きな花だ。
根生葉が丸く大きくて,フキ(蕗)に似ている。


ツクバトリカブト(キンポウゲ科)
そして青紫のほうはトリカブトのようだ。


前にはヤマトリカブトと考えられていたらしい。
詳しい差異は知らない。
この日は日が差したりかげったりしたので色が難しい。
前の写真のほうが実際に近い。


鉢伏山を目指して歩いていくと、いろんな花が見つかる。
花の名前や生態は同行の先生に教えてもらいながら進む。
このヤマハハコもそうだった。


ヤマハハコ(キク科)
ハハコグサの仲間で黄色い部分が花だ。
球形の総苞が光沢がある白色で綺麗なのだが、色が飛んでしまった。


オヤマリンドウ(リンドウ科)御山竜胆
開花時も先がチョット開くだけで全開しない。


ハナイカリ(リンドウ科)
色が違うがリンドウの仲間。


春に見たメギ科のイカリソウとは別なのだが、花の形が船のいかりに似ている。


ヤナギラン(アカバナ科)
ヤナギランは茎が2メートルにもなり、20~40センチの花穂を出すそうだが、
この日見たのは丈が低く花穂も小さかった。


ノハラアザミ(キク科)
春に咲くノアザミに似ている。
総苞が鐘形なのと触ってベタベタしないので区別できるらしい。

45名中、男性は8名のみ。
のんびりした高原散策は明日につづく。

田んぼの畦で

2006-08-26 07:50:45 | 近所

上瀬谷の田んぼにカカシが立った。


ここは、区役所の企画で区民米作り体験の田んぼだという。
カカシ作りも体験の一つだ
この時期、田んぼの周囲は薄い網で覆われている。


アゼナ(ゴマノハグサ科)
畦道にはいろんな花も咲いているが、小さくて名前を知らないものが多い。


トキワハゼ(ゴマノハグサ科)
アゼナよりちょっと大きいぐらいでムラサキサギゴケによく似ている。
花期はかなり長いらしい。


オモダカ(オモダカ科) またはアギナシ
このように葉が細いのはアギナシではないかと指摘する人もいる。
オモダカとアギナシの区別点を参照してもよく分からない。
秋になると繁殖のためアギナシは葉柄の付け根の内側に球根を抱き、
「オモダカ」は地下茎を伸ばしその先に塊茎を作ることで区別できるらしい。


2cmぐらいの大きさの花が3個ずつ数段つくようだ。

水田は植物以外の生物も豊富で、ひとつの世界を作っている。


猩猩と初雪

2006-08-25 05:29:51 | 近所

去年の秋に近所のお寺から頂いて植えておいたショウジョウソウが色づいた。


ショウジョウソウ(トウダイグサ科)
紅くなっているのは花弁ではなく苞だという。
仲間のポインセチアも真っ赤な苞が目だちショウジョウボクとも呼ばれる。
前に 蜜腺で誘惑 で タカトウダイの花を見た。
真ん中についた小さな花にはオシベ、メシベのほかに
タカトウダイと同じように蜜腺(楕円形のもの)がある。


派手な色と蜜腺に誘われて、シジミチョウの仲間がよく来ている。


ハツユキソウ(トウダイグサ科)
夏に初雪のように涼しげな姿を見せる、この花もトウダイグサの仲間だ。


トウダイグサの仲間で花のように見えるのは杯状花序と呼ぶそうで、
雌花ひとつと雄花が数個、それに蜜腺がついている。


もうすでに実が出来始めていた。

ふわーっと

2006-08-24 08:29:46 | 近所

蕎麦畑の近くから境川の対岸をふと見ると、
何か白いものがふわーっと広がっている。


センニンソウ(キンポウゲ科)
橋を渡ってぐるっと回ってみると、
そこには甘い香りがふわーっと広がっている。
蜜蜂が集まるのもよく分かる。

ほかの草木にからんでフェンスの両側に蔓を延ばしている。
前に見た生垣の一部に這っているのとは大違いの様相だ。


一部は川のほうに向かっている。
秋に仙人の白い髭が伸びたときは、どんな光景になるのだろうか。


虫眼鏡で見るとオシベとメシベの色も淡く、遠目には真っ白に見える。


仙人も過密都市に住むかと、ふと思った。

アニソドンテアとワタの花

2006-08-23 08:44:48 | 家族

数年前にお隣からいただいた鉢の木が
毎年ピンクの花をたくさん咲かせてくれる。
ずっと名前が分からなかったので、昨年のブログにも載せていない。
最近やっと調べがついた。


アニソドンテア(アオイ科)
2cmぐらいの小さい花だが、なるほどアオイ科の仲間と思える姿だ。
これも一日花で、つぎつぎと咲く。


今年の我が家にはハナオクラとワタが加わった。
ハナオクラの花はもう少し先になりそうだ。
4月に蒔いたワタが、5月19日に発芽した。


5月31日には双葉になり、画面下のほうにもうひとつ発芽した。
6個蒔いた種のうち2個が発芽してくれた。


その後すくすくと育って、8月11日ごろ蕾に気づいた。


ついに昨日開花した。
クリーム色の花弁に、シベも可愛い。
これからしばらく楽しみになる。


夕方には薄いピンク色になり、今朝はすっかりしぼんで紅くなっていた。
酔芙蓉と同じようなことだ。

なお、この花は昨年見た花の子孫だ。 昨年のワタの花
お正月ごろに種を拾ってきておいた。 ワタの種


ちいさい花、秋へ

2006-08-22 08:08:51 | 近所

ヤブラン(ユリ科)
お盆の前後からヤブランをたくさん見かけるようになった。
ランとはいうが蘭ではなく百合の仲間だ。


長い花序はたくさんの花をつける。
花序の軸も花と同じ紫色に染まっていてきれいだ。


ヒメヤブラン(ユリ科)・・多分
林の大きな木の根元に10cmぐらいの高さで、ヒメヤブランがひっそり咲いていた。
ヤブランのほどの花序ではないが花はよく似ている。


細長い葉より低いところに花が咲きジャノヒゲに似た姿だが、
ジャノヒゲの花は下向きに咲くのに対してヒメヤブランは上向きに咲く。


ツルボ(ユリ科)
やはり穂状に咲くツルボも秋の訪れを催促するように咲き始めた。


別名、参内傘(さんだいがさ)
公家が宮中へ参内するときにさしかけられた傘も、
日陰の林あたりでは使うことなく畳んであったのだろう。


ヒグラシと・・・

2006-08-21 08:59:35 | 近所

ツリガネニンジン(キキョウ科)
瀬谷市民の森には小さな源流がいくつかあって、
小川が森から抜けたあたりに小さな原っぱがある。
そのあたりは季節ごとに豊富な野草が咲くことを、最近知った。


ツリガネニンジンもそんな一つだ。
群生とはいえないが何株か咲いている。


タカサブロウ(キク科)
ここにはいろんな草が入り混じっているので、
よくよく気をつけないと見すごすものも多い。


タカサブロウは初めて見る花で、
教えてもらわなかったら目に留めることも無かったと思う。


ヒグラシ
明るい原っぱから森へ入っていくと、ヒノキ、杉、ミズキさまざまな雑木で
セミたちが短い夏を過ごしている。
木漏れ日がさして、薄い羽を通して羽の影を映す。


森の中をさらに進んで意外なものを見つけた。


日本蜜蜂だった。
木の幹に出来た穴に巣を作ったようで、野生を見たのは初めてだ。

ハマこい踊り、炎舞2006

2006-08-20 08:24:05 | イベント

きのうと今日、横浜駅西口を中心にヨコハマカーニバル・ハマこい踊りが開催されている。
ハマこい踊りは1998年、第20回ヨコハマカーニバルから「高知よさこい」をアレンジして始まった。
今年は73チーム4000人の参加だそうだ。

横浜駅西口からちょっと歩いた公園で、コンテストが行われていた。
まさに炎舞 叫ぶ 笑顔、笑顔 世代を越えて 私の行くジムからも いい動きに笑顔はじける
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この「ハマこい踊り」のルールは、
(1)30人以上のチームで参加 (2) 楽曲に「赤い靴」を入れる (3)手に「鳴り物」を持って踊る
この三つを守れば衣装も振り付けも自由だ。
まさしく老若男女が生き生きと踊っている。
エキシビションで何回も踊っているのに、暑さのそぶりを見せず元気いっぱいだ。


踊り終わって、ほっと一息。


猛暑で冷たいものは欠かせない。
ほかに鳴子やカンザシなどのグッズも販売していた。

きのうはコンテストに加えて、
横浜高島屋、横浜美術館、二俣川駅など5ヶ所でエキシビションが行われた。
気持ちをこめて 駅ビルチーム 般若のごとく 中学生たち おばあちゃんも お坊さんも
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最後の2枚はお寺さんのチームの念仏踊り。
美しき弥陀の六字と振袖に 心ありたけ惚れられてみよ と読める。


横浜駅へ向かう途中のカフェはフラダンスで人々の足を止めていた。
きょうは神輿も出て、5会場でエキシビションが繰り広げられる。

ヨコハマカーニバル 公式HP
コンテストの結果も出ている。


キク科の花、いろいろ

2006-08-19 08:33:32 | 近所
今日も暑くなりそうだ。
台風の影響で九州や四国は大変なようだ。
被害の少ないことを祈る。


キバナコスモス(キク科)
夏はヒマワリ秋はコスモスだけど、最近は早くから咲くコスモスも多い。
このキバナコスモスは、もともと梅雨時から秋まで咲く花だ。


黄色い花と橙色のをよく見かける。


タンジー(キク科)ヨモギギク
ヨーロッパ原産ゆえか、ずいぶん背が高くなる。
日本自生でエゾヨモギギクというのがあるらしい。


英語ではゴールデンボタンズ(金の釦)とも呼ばれるそうだ。
その香りから防虫作用があるという。


イヌキクイモ(キク科) キクイモかも?
道端や空き地にたくさん蔓延る。
キクイモとイヌキクイモの区別はよく知らない。


太陽の光をいっぱい受けるところでは黄色い花もしっかりしているが、、
林の中に入ると様子が変わる。


ガンクビソウ(キク科)
舌状花がなく総苞片につぼめられて、キセルの雁首のような形で咲く。
花の時期には根生葉が残っていない。
この近くにはサジガンクビソウやヤブタバコも生えているようだ。
サジガンクビソウは根生葉が残っている上、総苞片が反り返っている。


すると、これは何だろう。
ガンクビソウは上に伸びた枝につく花はややうつむく形で咲いていたが、
こちらの短い茎から横に伸びた枝につく花はどれも下を向いている。
根生葉は残っていない。


何重にもなった総苞片は反り返っている。
はてさて。


モミジガサ(キク科)
これは上を向いているが花としては寂しく、
咲いてもほとんど気づかないほどだ。


しかし真っ直ぐ伸びた茎に白いつぼみがつく姿は美しい。
芽吹きどきの様子が破れた傘のように見えることからヤブレガサと呼ばれる花がある。
こちらの葉は破れ傘まではいかず、モミジの葉っぱに近い。

オミナエシと・・・

2006-08-18 13:46:05 | 近所

オミナエシ(オミナエシ科) 女郎花
萩の花尾花葛花なでしこの花 女郎花また藤袴朝がおの花
と、秋の七草を読んだのは 山上億良。


わが郷に今咲く花の女郎花 堪えぬ情になほ恋ひにけり  
作者不詳
万葉集には、オミナエシを詠んだ歌は十四首あるそうだ。


オトコエシ(オミナエシ科) 男郎花
万葉の花オミナエシも今や園芸的な花になったようで、
庭や公園で多く見かける。
対してオトコエシは見ることが少なく、昨年は苦労して見つけた。


しかし、なんのことはない。
今年は、林に入れば自生のものが見られることを知った。