横浜のほほん

横浜のはずれで、のほほんと暮らす男の見聞、考察、感想をつれづれに記す

キヌタソウとハエドクソウと虫

2012-06-30 06:16:30 | 近所



キヌタソウ(アカネ科)
瀬谷市民の森の奥のほう暗い所でキヌタソウが咲いている。
直径2~3mmぐらいの小さな合弁花で先端が4つに分かれていて。
道端で広がるヤエムグラの仲間だけれど見られる場所は少ない。







4枚の葉が偽輪生するところはアカネと同じだが葉柄はない。
(偽輪生:2枚の葉が対生し他の2枚は托葉が大きくなったもの)







小さな花の陰になにやら怪しいものが潜んでいた。







葉のほうに出てきてもらうとアズチグモのようだった。

葉にしっかりした3本の脈があるのもキヌタソウの大きな特徴だ。







ハエドクソウ(ハエドクソウ科)
ひょろっとした茎の上の方に小さな花がならぶハエドクソウは森全体で見られる。







7~8mmの合弁花がなかなか可愛い。







ハエドクソウはハエトリソウとも呼ばれ、むかし根を煮詰めたものを塗って蝿取り紙を作った。

ハエが止まっても花や茎の毒にやられることはない。
しかし思わぬところに潜んでいるクモには要注意だ。








ムラサキニガナ

2012-06-28 06:19:25 | 近所



ムラサキニガナ(キク科)
瀬谷市民の森に今年もムラサキニガナが咲いた。






色は違うけれど花の形はニガナに似たところがある。






細い茎が2mほど延びて上部に小さな花を咲かせる。







しかし先日の台風で大半は斜めになっていた。







ニガナという名前がついているけれどアキノノゲシ属に分類されている。







葉の形を見ればなるほどと思う。







アキノタムラソウ(シソ科)
もう少し背が低いけれど紫いろの花のアキノタムラソウも咲き始めた。
季節感のない名前なので毎年戸惑う。






茎にいたのはジョロウグモと違って水平網を張るオオシロカネグモ。
どんな網を張ろうかと思案中だろうか。


ホタルと坂

2012-06-27 06:49:44 | 近所



オオバジャノヒゲ(ユリ科)
瀬谷市民の森にオオバジャノヒゲの白い花がたくさん見られる。







ジャノヒゲに似ているが大きな葉の間から茎をしっかり伸ばして咲いている。







珍しくイチモンジチョウが飛んでいた。
ルリタテハの幼虫も見つけたが、なかなかの毛虫なのでここでは割愛したい。







林縁にはアジサイも多い。ここでは雨に濡れたちょっと小振りなのを・・・







この小さな流れは森の中が源流なので大変きれいでホトケドジョウを見たこともある。







今年は夜にホタルがたくさん飛んで見に行った子供たちも喜んだらしい。
昼間に葉陰で見つけたのはゲンジボタルだった。来年は夜に見たいものだ。







市民の森から瀬谷駅方面に向かうとき二つほどうねりがあって小高い所に臨済宗の長天寺がある。
長天寺に祀られている達磨大師を七福神に加えて瀬谷八福神めぐりが行われる。







その長天寺のちょっと北側に坂がある。実はこれが横浜一の急坂らしい。

横浜には目立って高い山はないけれど起伏があって坂道が多い。
はまれぽ.com というWEBページのスタッフが横浜市内の坂道の傾斜を計測した結果が報告されている。
横浜で一番急な坂はどこ? クリック

認定基準は「車が通行できる」「公道」「行き止まりにならない」「短すぎない」の4つだそうだ。

昨年半年ほどかけて計測を行った結果、この坂が20度で第一位となった。







日傘の女性がいるあたりが20度、やや緩やかになってカメラの位置あたりも20度だったとか。
自転車ではとても上りきれない。


大角豆?

2012-06-26 06:56:37 | 近所



トキワマンサク(マンサク科)
小石川植物園ではいろんな種類の木が大木になっているのを見ることができる。







トキワの名前の通り常緑だから生垣で見ることも多いトキワマンサクだが、
この大きな木は四方に太い枝を延ばし葉を茂らせているのでドームのようになっている。







細い枝と葉が地面近くまで垂れさがってカーテンみたいだ。








ヤマボウシ(ミズキ科)
ユリノキの大木は花が終わった後で残念だったが、ヤマボウシが白い花をつけていた。







と言っても白いのは花弁ではなく総苞片で中心にある花序にそれぞれ小さな花弁がある。








ハナキササゲ(ノウゼンカズラ科)
ササゲ(大角豆)は莢が長く湾曲する豆の一種。
ノウゼンカズラ科の木だけれど莢が長くなるキササゲ。近所にあるのは高さ10m足らず。








対してハナキササゲは樹高15m以上の大木になるらしい。
ところがこのハナキササゲは何かの加減で比較的低い所で枝を横に延ばしてしまっていた。








なにやらハチの仲間が花の奥にもぐり込んでゆっくりしていた。





麝香はどんな匂い?

2012-06-23 06:29:41 | 近所



アザミゲシ(ケシ科)
小石川植物園に咲いていた変わった花。メキシコあたりが原産らしい。






見るからにケシの花だけれど葉っぱにはアザミのようなトゲがある。







シロアザミゲシ(ケシ科)
白花も葉っぱにトゲがあるところは同じだ。







イブキジャコウソウ(シソ科)
麝香はジャコウジカから採れる香料、生薬。
ジャコウソウはタイムの仲間で。その香りから名づけられたものだろう。







茎が地を這いよく広がる。







ウマノスズクサの葉っぱの裏にジャコウアゲハの幼虫がいた。
ジャコウアゲハの雄の成虫は麝香のような匂いをだすらしいが、まだ確認したことがない。






残念ながらジャコウアゲハは見なかったがキマダラセセリ、コミスジ、アゲハなどが飛んでいた。


ノリウツギやトウフジウツギなど

2012-06-21 06:38:55 | 近所



ウズアジサイ(ユキノシタ科)
先日行った小石川植物園では季節がらアジサイもたくさん咲いていた。







ノリウツギ(ユキノシタ科)
ノリウツギもアジサイに近い仲間で樹液が和紙を漉くときの糊に利用されたそうだ。







両性花はまだ蕾のものが多かったが白い装飾花が目を惹いた。







トウフジウツギ(フジウツギ科)
名前にウツギとつく花はユキノシタ科、スイカズラ科、バラ科などにあるが、フジウツギというのもあった。








フジウツギというのはブッドレアとも呼ばれる仲間だ。合弁花にやってきたアゲハが吸蜜している。







ずんぐりしたクマバチもやってきた。







オカトラノオ(サクラソウ科)
トウフジウツギと同じようにオカトラノオも長い穂にたくさんの花をつける。







ちょっと五弁の花のように見えるがオカトラノオも合弁花で花冠の先が5裂しているのだという。








コハナバチの仲間だろうか。いろんな虫に人気があるようだ。



破れ傘、河原

2012-06-19 06:59:44 | 近所



ヤブレガサ(キク科)
ヤブレガサは葉が展開し始めたころの姿が破れ傘のような風情を見せるので名付けられた。







小石川植物園でいまちょうど花が咲いていた。筒状花ばかりだ。







ヤブレガサは雄性先熟で、多くは雌性期となってクルリンとした柱頭が目だつ。







小さな花だけれどハナバチなど虫たちもたくさんやってくる。







カワラマツバ(アカネ科)
小石川植物園の標本園ではたくさんの種類の草花が見られる。







名前の通り葉っぱは松葉のようだ。







花はアカネの仲間らしく白い十字花だ。河原に多いのだろうか。








カワラサイコ(バラ科)河原柴胡
これまた河原に多いかどうか知らないカワラサイコは薬用になるらしい。







実はキジムシロの仲間だそうだ。花の形を見てなるほどと思う。



腐生植物

2012-06-16 07:25:02 | 近所



イチヤクソウ(イチヤクソウ科)
市民の森にイチヤクソウが咲いていた。高さは20cmないぐらい。
昨年あたりまで一時より衰退している感じだったが、今年はけっこう戻ってきた。







長くてちょっと曲がった雌しべが目立つ。
奥の方にたくさんある雄しべの先に葯が二つある。
この葯は孔開葯と呼ばれてその先端の孔から花粉を出して下の雌しべで自家受粉をするのだとか。







梅の花にも似て花弁が5枚あるようだが、実は合弁花なのだ。
大きな葉っぱは付近を這っているキヅタのもので奥の方の小さいのがイチヤクソウの葉だ。







イチヤクソウはちゃんとした緑の葉っぱがあるけれど腐生植物の性質もあるそうだ。
つまり腐葉土などにいる菌類から栄養をもらっているということになる。







ギンリョウソウ(イチヤクソウ科 または シャクジョウソウ科)
市民の森の別のところではギンリョウソウが見られた。
ギンリョウソウは完全な腐生植物で葉や茎に緑が全くない。







中央の青っぽいのが雌しべの柱頭で、周りを雄しべが取り囲んでいる。
どんな虫がやってくるのだろう。





ホタルブクロなど

2012-06-14 07:00:32 | 近所



ホタルブクロ(キキョウ科)
仁ヶ久保林道の草花は期待したほど多くなかった。
ホタルブクロ、タツナミソウ、クララのほかはノアザミ、ヒメジョオンぐらいだった。







萼と萼の間の付属片が反り返っている様子からヤマホタルブクロではないようだ。







ピンクが多く、やや白っぽいホタルブクロもいくつか見られた。







タツナミソウ(シソ科)
やや暗いところではタツナミソウが咲いていた。







2、3種類あったように思うがタツナミソウの仲間はよく区別できない。
これはホナガタツナミソウのような気もするが・・・?







クララ(マメ科)
長い穂を伸ばしてクララが咲き始めていた。
このときから1週間ほどたった今はもっと数が増えていることだろう







タラノキ(ウコギ科)
花じゃないけれど・・・タラノキのトゲはいつ見てもすごい。
たらの芽をたくさん食べると、もしかしてお腹の中で成長してトゲが出てこないだろうか。




ジャコウアゲハ

2012-06-12 06:22:55 | 近所



仁ヶ久保林道の斜面はくずれやすく落石もあるのでモルタルで固めたり金網で防護されたりしている。

そんなモルタルのわずかな隙間からいろんな草木が生えている。







シモツケ(バラ科)
ウツギ、スイカズラ、ノイバラなどの白い花が多い中でシモツケのピンク色が目立った。






先日の「ウツギに来るチョウなど」では割愛したが、ジャコウアゲハもたくさん見かけた。







ジャコウアゲハはノアザミも好きな花のようだ。







飛ぶ姿は優雅だけれど翅の一部が壊れていたりしてけっこう苦労もあるのだろう。







帰り道、花のないところで飛びまわってときどき葉っぱに止まるのがいた。







その葉を裏返して見ると小さな卵があった。
ウマノスズクサの葉っぱに産卵して回っているのだった。



最近見た昆虫たち

2012-06-11 06:43:11 | 近所



これは何の写真だか分かりにくいが、よく見ると土の上に白いチョウが4、5頭いる。
モンシロチョウが湿ったところで吸水をしているのだ。







こちらは草の上で休むモンシロチョウのカップル。

最近見たいろんな昆虫を並べておこう。








ヤマトシジミといえばカタバミの周りで見るがオヤブジラミの実に止まってるのがいた。
単に休んでいるだけなのか、ほかに理由があるのか気になった。








林の縁ではコジャノメがヒラヒラと飛びまわっていた。
ふいに枯れ葉の上に止まって翅を広げたのはヒカゲチョウだろうか。
この手のチョウが翅の表側を見せてくれるのは珍しい。







こちらはヒトツメカギバという蛾の仲間。なるほど一つ目、いや一対?だ。







ヒメジョオンにいた初見の蛾はシロモンノメイガというものらしい。
白紋螟蛾の螟とは「ずいむし」の意味らしい。







アケビコノハという蛾の幼虫はいつ見ても愉快な姿だ。







林道をヒョコヒョコ歩いていたヒメホシカメムシも初めて見た。
シイ、クワ、アカメガシワなどの花や実を好むそうだ。







最後に、ヤブマオの葉の上に止まっていたラミーカミキリ。
ラミーとはカラムシのことで、ラミーカミキリはカラムシなどイラクサ科の植物を食草とする。






なんかタキシードに黒い帽子をかぶっているような愉快な姿だ。




ヒメジョオン

2012-06-10 07:06:22 | 近所



ヒメジョオン(キク科)
6月に入ってハルジオンよりヒメジョオンの花のほうが目だつようになった。
ハルジオンに比べるとずっと背高になる。







ハルジオンに比べると花弁がしっかりしている。細いながらも幅を感じる。







ハルジオン(キク科)
一方ハルジオンの花弁は糸に近い細さで、つまりはハルジオンの方が舌状花の数が多い。






葉っぱの肩のあたりが張って茎を抱くハルジオンに比べヒメジョオンの葉は細めで鋸歯がある。







ヒメジョオンもさまざまな虫たちに人気がある。
ハルジオンで見たコアオアハナムグリもやっぱり来ていた。







あまり動かないで目だたないようにしているのはコハナグモの仲間。
花の蜜が狙いではなさそうだ。







別のところでヒメウラナミジャノメが捕まっていた。

レストランに行ったら自分が食べられてしまうとは・・・自然界は油断がならない。


畑のまわりの風景

2012-06-09 06:58:59 | 近所



近所の畑はさまざまなものが栽培されて季節を感じる風景が多い。
麦がきれいに色づいたころ、田んぼには水が張られ一部では田植えが始まっている。






ナヨクサフジ(マメ科)
畔道の草も色とりどりの花を咲かせる。






ナヨクサフジの花には必ずヒゲナガハナバチが来ている。






コモチマンネングサ(ベンケイソウ科)
星のような形の黄色い花が広がっているのはコモチマンネングサ。
ツルマンネングサやメキシコマンネングサの仲間だ。






葉腋に小さなムカゴをつけるので子持ちと呼ばれるのだろう。







田んぼへ向かう道路わきでは桑の木が枝を伸ばしていて葉陰に実が見える。







紅い実が熟して黒くなったら食べごろで甘くて美味しい。






ウツギに来るチョウなど

2012-06-07 07:09:02 | 近所



大山のふもと仁ヶ久保林道を歩いてきた。
ふもとと言ってもかなりのところまで上がっていく。
すぐ下に見えるのは日向薬師から七沢あたりで向こうは厚木方面だ。







ウツギ(ユキノシタ科、アジサイ科)
木の花として、ウツギ、ニシキウツギ、スイカズラ、イボタノキ、ノイバラなどが咲いていた。







ウツギはいろんなチョウに人気がある。






アサギマダラはヒヨドリバナを初めキク科の花でよく見かけるがウツギの蜜も好きなようだ。







カラスアゲハやジャコウアゲハもウツギに来ていたが、このカラスアゲハはニシキウツギのところで撮った。







ニシキウツギ(スイカズラ科)
ニシキウツギは白い花がピンクから赤色に変わる。
スイカズラが白から黄色に変わるのと同じで、雄しべの葯が亡くなったことを虫に知らせる。







アサギマダラやアゲハの仲間が大きくて派手に動くのでダイミョウセセリはうっかりすると見落とす。







アカタテハも派手な姿の割におとなしく吸蜜している。







チョウばかりでなくツマキシロナミシャクのような蛾の仲間も来る。






もちろんハチやアブなどにも好評なようで・・・
クロベッコウハナブというのと初めて会うことが出来た。

どんよりした気温の低い日だったので活動するチョウが少なかったような気もする。
もう一度訪れたらまた違うチョウに会うことができそうだ。



野のイチゴ

2012-06-06 07:08:52 | 近所



クマイチゴ(バラ科)
林道で実が出来始めていたキイチゴはクマイチゴだ。
ちょっとモミジみたいな葉っぱで葉柄には小さな鋭いトゲがある。






咲きのこった花にはクロオオアリが来て盛んに蜜を吸っていた。






ナワシロイチゴ(バラ科)
ナワシロイチゴの方は今が花期だ。
クマイチゴと違ってナワシロイチゴの花弁はあまり開かないで雌しべだけが覗いている。







そこにダイミョウセセリがやってきて







狭い所から奥にうまく口吻を挿しこんで蜜を堪能している。







しばらくして花弁が落ちると雄しべが活動的になるようだ。