横浜のほほん

横浜のはずれで、のほほんと暮らす男の見聞、考察、感想をつれづれに記す

地面に咲く黄色い花

2007-05-31 08:30:27 | 近所

コナスビ(サクラソウ科) 学名:Lysimachia japonica
道端や草地の地面を這うように咲く黄色い花が見られる。
その一つ、うっかりすると見落としそうな小さな花はコナスビだ。


コナスビは学名からも想像できるように昔から日本全国に分布するほか、
中国などアジア各地でも見られるという。
6~7㎜程度の花冠が深く切れ込んでいるので、5枚の花びらのようにも見える。
細長い萼や放射状に伸びた5本のオシベも面白い。


この実が茄子の小さい実に似ているのでコナスビと呼ばれたそうだが、
どうだろうか。


ツルマンネングサ(ベンケイソウ科)
同じぐらいの大きさの黄色い花でもコナスビとは対照的に
ツルマンネングサの花は猛烈な数で広がっている。
前に見たメキシコマンネングサとちがって朝鮮・中国原産で史前帰化らしい。


オシベ10本と先のとがったメシベが5本見えるが,
実ることはないそうだ。


そのかわりに茎が地上を這って繁殖するのだろう。
赤い茎に常緑の葉が3枚輪生するのもツルマンネングサの特徴だ。

ナワシロイチゴ

2007-05-30 08:36:43 | 近所

いまの季節、林の縁や道端でもよく見かけるピンクの花。


ナワシロイチゴ(バラ科)
蕾か、または花弁が散ったような姿が多い。


カジイチゴ(バラ科)
イチゴの仲間の花は、このように花弁もしっかりしたのが多い。


ナワシロイチゴの花弁の根元は、その間からオシベの根元が覗くほど細い。


そのせいか花弁が開く頃には次々と落ちるが、
虫のためにしっかりした萼が残っているように思える。

イチゴに関係ないけれど速報として。

ツユクサ(ツユクサ科)
今年になって初めて露草の開花を見た。

柿の花

2007-05-29 08:11:54 | 近所

先日、となりの緑区の新治市民の森を歩いた。
花は少なかったが、このような竹の道や上り下りがあって、
気持ちの良い汗をかいた。


森から畑地へ出る斜面のところに、ホタルブクロが一株だけ咲いていた。
もう少したつとたくさん咲くことだろう。


やはり森の縁で、苔むしながら日当たりの方へ幹を延ばした木。
その先の枝には花が咲いていた。


カキ(カキノキ科)
白くて内側が黄色い可愛い花は柿の雄花だった。
カキには雄花と雌花があって、種類によって雌雄異株と同株があるらしい。
雄花はいくつか固まって咲くが、上の二つが落ちたようだ。


オシベの確認のためにピンボケ写真を載せる。


こちらが雌花。
雄花と同じ木だったかどうか記憶にない。
撮ったときには雌雄の詳しい話を知らなかったのだ。


すでに小さなカキの実が出来始めているのもあった。

初夏点描

2007-05-28 08:03:21 | 近所

カメたちは年中のんびりしているようだが、
季節はしっかり動いている。


熱帯では年中咲くようだが、日本の睡蓮は初夏に池面を飾る。


今年になってオニヤンマを見たのは初めてだ。
と思ったがサナエトンボ科の仲間でヤマサナエというらしい。


まもなく開きそうな睡蓮もなかなかいい。


サワグルミは胡桃の仲間。雄花の房はこんなに長く垂れ下がる。


白い睡蓮のシベは聖火台の炎のようにも見える。


蟻くん、お邪魔しまーす。
卯の花さん、美味しい蜜をアリガチョウ・・・?


訂正:トンボについて
   昌ちゃんさんから、左右の複眼の様子からオニヤンマでなく
   ヤマサナエではないかとご指摘いただきました。
   調べてみたら、たしかにご指摘どおりと思われるので訂正します。
   ご迷惑をかけました。

イチヤクソウ

2007-05-27 08:53:15 | 近所

たくさんのオシベの間から飛び出したメシベが妙に湾曲して愛嬌がある。


イチヤクソウ(イチヤクソウ科)
森の木の脇でひっそりと咲いた花はイチヤクソウ。
根元の葉は常緑で、葉脈が薄い緑の模様になっているのが特徴的だ。


1cmちょっとの小さい花が下向きにつく姿は可愛い。
ランの仲間と同様、菌類と共生する腐生植物らしい。
仲間にギンリョウソウがいる。


シベの具合がどうなっているのか下から覗くと萼がすけて見える。
オシベが二つずつ組になっているようにも見えるが、よく分からない。
葯からこぼれた花粉が曲がったメシベについて自家受粉するらしい。

ここに、きれいな写真と説明が掲載されている。


キクノハアオイとツメクサ

2007-05-26 07:36:04 | 近所

キクノハアオイ(アオイ科)
市民の森の入り口の道端に、1cmぐらいの橙色の花が咲いている。


熱帯アメリカ原産で、葉っぱの形からキクノハアオイと呼ばれるそうだ。
菊に葵。外来なのに皇室と徳川家あわせてゆかりとは面白い花だが、
これまで見たアオイ科の花の中で一番小さいかもしれない。


ツメクサ(ナデシコ科)爪草
そこから少し離れたところで、
ほかの草に隠れるようにひっそりと白い花が咲いている。
白詰草や赤詰草でない爪草を初めて見た。


花の大きさは数mm。
日本在来だと思うが、ゆかりのご紋は思いつかない。
細い葉の形が鳥の爪か切った爪の形に似ているのでツメクサと呼ばれる。


メシベの様子は、こちらで何とかわかる。


一度見つけると目が慣れるのか、近くの公園でも見つけた。
いつも歩いているのに気づかなかったが、ほとんど土がない所で逞しいものだ。


イボタノキ

2007-05-25 14:02:33 | 近所

エゴノキ、ウツギに続く白い花はイボタノキ。
これは寺家ふるさと村の林の縁で撮ったが、近所でもよく見かける。


イボタノキ(モクセイ科) 別名:水蝋の木、イボトリノキ
樹皮に寄生するイボタロウムシが分泌する蝋は家具のつや出しに使われるそうだ。
イボを撮るのにも役立つのだとか。


ネズミモチの仲間なので花は似ている。
花にはイボタロウムシでなく普通の虫がやってくる。


合弁花であって、受粉すると花弁とオシベが落ちるのはエゴノキに似ている。

夏は来ぬ

2007-05-24 21:52:48 | 近所

ウツギ(ユキノシタ科)卯の花
ウツギの花が咲くと、まぎれもなく初夏。今日も暑かった。
枝先にかたまって下向きに咲くウツギの花は、エゴノキと趣きがちがう。


近くの林では、ひょろひょろ伸びた枝にまばらに咲いていたが、
垣根一面に白い花が咲くと素晴らしいことだろう。


ウツギはそんなに匂いがあるわけではない。
卯の花の匂う垣根とは何だろうか。


オシベは小さい短冊のような花糸の先に黄色い葯がついている。
(かなり トリミング)

卯の花が咲きウグイスが巣作りする頃、ホトトギスが来るらしい。
ウグイスは春先から来ているが、ホトトギスの声はまだ聞かない。
啼くまで待つとしよう。


エゴノキ

2007-05-24 07:13:06 | 近所

エゴノキ(エゴノキ科)
近所にはエゴノキが何本もあって、
いっぱい咲いた白い花が初夏のさわやかさを運んできた。。


アジサイの花が少し色づき始めると、地面に白い花がポタポタと落ちる。


きれいな花びらとオシベが役目を終えても柱頭だけは残って、
夏に丸く実って吊り下がる。


花びらのない花

2007-05-23 08:42:25 | 近所

フタリシズカ(センリョウ科)
市民の森に入ると、狭い範囲でひっそりとフタリシズカが咲いている。
ヒトリシズカに比べても地味な花だ。


花弁はなく、メシベもオシベに包まれて見えない。


フタリシズカとはいううものの三人静も見られた。
大きな葉の上に、花序が1~5本つくらしい。


ドクダミ(ドクダミ科)
森の広い範囲で咲き始めたドクダミは、緑の葉に白と黄色がよく目立つ。
これから道端でも公園や家の庭でも見かけるようになる。



ドクダミも花弁はない。
4枚の大きな白い総苞片の上に黄色いオシベが並ぶ。
花序の下部、総苞片との境目あたりを細かく見ると、
3本のオシベと白い小さなメシベと細長い苞で一つの花になっている。

フタリシズカとドクダミ、同じように花弁がない花でも対照的な雰囲気を感じる。


撫子には虫がつかない?

2007-05-22 09:54:54 | 近所

母の日が過ぎるとカーネーションが安くなる。
これで300円。


カーネーション(ナデシコ科)
ナデシコの仲間とは初めて知ったが、
江戸時代にはオランダセキチクと呼ばれたらしい。


セキチク(ナデシコ科) 
その石竹は平安時代に中国からきたので唐撫子とも呼ばれた。
大和撫子(カワラナデシコ)の写真がないのは残念。(昨年のカワラナデシコは、こちら


スイセンノウ(ナデシコ科)酔仙翁
この花やムギセンノウはヨーロッパから来た。
日本古来のセンノウは京都鳥居本の仙翁寺に由来しているそうだ。
仙翁寺は今はなく、センノウも私はまだ見たことがない。

前置きが長くなったのだが、今日の主役はもう少し小さな花。
先日 道端のピンクの花たち で取り上げたフクロナデシコと同じマンテマの仲間だ。


ムシトリナデシコ(ナデシコ科)
昨年に見た記憶がないのだが、このごろあちこちで咲いているのを見つけた。


これも江戸時代にヨーロッパから来たものらしい。
マンテマって何? 
ムギセンノウ属の学名Agrostenmma(アグロステンマ)に由来しているという説があるが、
私はハマベマンテマの学名 Silene maritima に関係している気がする。


茎の葉より少し下のところが、茶色になっている。
触ってみるとベタベタしていて、蝿とり紙のような感じだ。
食虫植物ではなく、地上から変な虫が花に近づくのを拒んでいるのだろう。

ハコベやミミナグサなどの小さな白い花もナデシコの仲間だ。

気になる木の花

2007-05-21 08:17:21 | 近所

この季節は街や林でフジ、バラ、ミズキ、エゴノキなど、
さまざまな木が姿や色の違う花を咲かせる。

その中でも、このあたりでは数の少ない2種類の花が気になる。


サラサウツギ(ユキノシタ科)
白くて外側が淡い桃色のふわふわした花びらが、青空にも緑にも映える。


サラサウツギはウツギの八重咲き品種だそうだ。


センダン(センダン科)
2年前の秋に広島・山口を旅行したときに、あちこちでセンダンの黄色い実を見た。
横浜では数が多くないようで、昨年見つけた木の花は高いところに咲いていた。


おととい境川の堤防で見たのは若い枝が枝垂れて、薄紫の花を間近で見ることが出来た。
合着した紫のオシベが特徴的だ。

これでもバラ

2007-05-20 08:37:14 | 近所

妻が友人からいただいた鉢植えで、一輪のミニバラが咲いた。


直径2cmほどだけれど、これでも立派なバラだ。


いくつか蕾もついているので、しばらく楽しめる。
葉の裏に小さな虫までついていた。


近所の小川の向こうでは、サンショウバラの花がたくさん咲いた。
一日花なので花後の萼も見える。


葉が山椒に似ているので山椒薔薇。
また箱根付近に多く自生していたので箱根薔薇とも呼ばれる。

我が家の地植えのバラも蕾がついているので、まもなく咲くことだろう。

フウロソウ

2007-05-19 08:46:51 | 近所

プロムナードの植え込みに、こんな花が咲いていた。
初めて見たが、調べてみるとローズ・ゼラニウム呼ぶものらしい。


ローズ・ゼラニウム(フウロソウ科)
ハーブの一種で、葉からバラの香りがするのでローズの名前がついている。

ゼラニウムの仲間は、ゲンノショウコと同じフウロソウ科だったのか。


ゼラニウム(フウロソウ科) 別名:天竺葵
すると我が家のこの花も同じなのだ。


ヒメフウロ(フウロソウ科)
フウロソウとは風露草と書くようだが、茶道の風炉とは関係ないのだろうか。
タチフウロ、ハクサンフウロ、チシマフウロ、イブキフウロ、アサマフウロなど
日本にも~フウロという花が何種類かある。
もともとは、それぞれの地方で単にフウロソウと呼ばれていたのかもしれない。


このヒメフウロは園芸的な花かもしれないが、
中部地方や四国の山地には自生種類のヒメフウロもあるそうだ。


アメリカフウロ(フウロソウ科)
ヒメフウロに遅れて最近咲きはじめたアメリカフウロは、
はっきりした帰化植物だ。


ヒメフウロに比べると立派な萼を持つ。

いつか山のフウロソウも見たいものだ。

草も木もマメの仲間

2007-05-18 13:09:09 | 近所

アカツメクサ(マメ科) 赤詰草
シロツメクサより少し遅れて、野原にアカツメクサが咲き出した。


シャジクソウ属だそうだが、シャジクソウという花を見たことがない。
日本でも山地に自生しているらしい。
シャジクソウ


ハリエンジュ(マメ科)
ミモザ、フジ、エニシダ、ハナズオウなど春に花咲くマメ科の木も多い。


ハリエンジュも、その一つでニセアカシアとも呼ばれている。
大変たくましいので日本固有種への影響を懸念して、
要注意外来生物から特定外来生物に指定される可能性がある。
養蜂家たちは深刻な影響を受けるとして反対しているそうだ。


ハナエンジュ(マメ科) 別名:ハナカシア
ピンク色の綺麗なハナエンジュもハリエンジュに近い花だ。


キングサリ(マメ科) 別名:キバナフジ
鮮やかな黄色の花が鎖のように垂れ下がるが、フジの仲間ではない。

このほかマメ科の木は、ネムノキ、デイゴ、ハギなどいろいろある。