横浜のほほん

横浜のはずれで、のほほんと暮らす男の見聞、考察、感想をつれづれに記す

オオデマリ・コデマリと仲間

2006-04-30 19:47:39 | 近所

オオデマリ(スイカズラ科)
街のあちこちで、手毬のような花をいくつも見るようになった。
アジサイに似ているがユキノシタ科ではなく、
ガマズミに近いスイカズラ科だそうだ。


少し黄緑のかかった白い花だが、すべて装飾花なので果実は出来ない。


ヤブデマリ(スイカズラ科)
オオデマリはヤブデマリの変種。
こうなるとますますアジサイに近いものを感じるが、
アジサイの装飾花は萼であるのに対して、ヤブデマリの装飾花は花弁だ。
5枚のうち1枚が極端に小さい。


コデマリ(バラ科)
オオデマリより毬の大きさも、一つ一つの花もずっと小さい
コデマリもあちこちで咲いている。ここは泉の森の入り口前の道路。


名前は似ているがオオデマリとは仲間ではない。
花を見ると桜や梅に近いことがよく分かる。


ナシ(バラ科)
ナシやリンゴもバラ科なので花の感じは似たところがある。
ナシの花は近所の梨畑に少し前に咲いていたが、もう受粉作業も終わった。


リンゴ(バラ科)
ナシにかなり近い仲間のリンゴも境川沿いに数本あって、
昨年リンゴがなっているのを見たことがある。

ボタンやツツジの色とりどりにも負けずに、
白い花たちも咲き競っているのだ。


小さなユリ

2006-04-29 17:22:37 | 近所

徳善寺の宝鐸

今の季節、小さなユリの仲間たちが咲きはじめた。


チゴユリ(ユリ科)稚児百合
文字通り、小さいユリだ。
普通は一輪だがときには二輪が並んで咲く。


ユリ科の仲間は6枚の花弁を持つように見えるが、
内側3枚の花弁と外側3枚の萼片を合わせて花被片と呼ぶ。


ホウチャクソウ(ユリ科)宝鐸草
チゴユリの仲間のホウチャクソウはほとんど全部二輪ならんでいる。


名前の由来の宝鐸は、お寺の軒先に吊り下げられている小型の鐘(風鈴)だ。
花の裾を少し緑色にしいるのがお洒落だ。


アマドコロ(ユリ科)甘野老
ホウチャクソウに似ているが、これはまた2輪ずつたくさん並んだものだ。
野老をトコロとは読めないがヤマイモの一種で、
アマドコロの地下茎は形が野老に似ていて甘いという。


ナルコユリというのもよく似た花だが、
アマドコロの茎は角ばったところがあるのに対して、
ナルコユリの茎は丸い。
またナルコユリは3から5個の花が一緒につくらしい。


スズラン(ユリ科)鈴蘭
白いかわいい花がおなじみのスズランも小さいユリだ。
花に比べて葉がずいぶん立派に見える。


追記: スズランやアマドコロの仲間をスズラン科として独立させる分類もあるらしい。

畦に座して

2006-04-28 19:40:31 | 歳時記


      畦に座して       
          
紫雲英たんぽぽ
               
こんにちは      (弦四朗)


紫雲英(ゲンゲ)はレンゲとかレンゲソウと呼ばれることが多い。
ゲンゲは漢名・翹揺の音読みともレンゲがなまったとも言われる。
室町時代あたりに中国から来て以来、ながらく田んぼの春の風景だったが、
平成に入って見ることが稀になった。



ボタンとシャクヤク

2006-04-28 08:30:45 | 近所

ボタン(ボタン科)
昨夜の雨に濡れた、
今朝の我が家の牡丹。
まもなく多岐な大きな花を見せてくれそうだ。


ボタン・緋の司
先日行った泉の森ではすでに何種類かのボタンが咲いていた。
ボタンもシャクヤクも多くの栽培品種がある。


ヤマシャクヤク(ボタン科)
木本のボタンに対して草本のシャクヤクは花期が遅いらしい。
しかし泉の森、イチリンソウの林の中にヤマシャクヤクが咲いていた。


いかにも日本の自生のシャクヤクらしい姿だ。


追記:明日にも開花するかと思っていたら、9時前に開き始め昼前にはこのようになった。




総状花序の桜

2006-04-27 08:48:15 | 近所

ウワミズザクラ(バラ科)上溝桜
横浜ではソメイヨシノの花見に続き咲いていた
山桜や八重桜もすっかり盛りを過ぎた。
いま近くの中央公園の林に、あまり注目されずひっそりと咲く桜がある。
大きな木の上の方に、総状花序をたくさんつけているウワミズザクラだ。


下から目をこらして見ると、
すぐには桜と分からない花の形だ。


イヌザクラ(バラ科)
ウワミズザクラによく似ているイヌザクラも大きい木だが、
泉の森で低く咲くのを見つけることができた。


おかげで長いオシベなどの花の形がよく分かる。
イヌザクラはウワミズザクラに比べて花序が小さい。
また葉の縁が波打っているし、花序の下には葉がつかない。
ウワミズザクラの花序の下には数枚の葉がついている。

このサクラたちが散れば、いよいよ初夏に入るのだろう。

甘い誘惑

2006-04-26 14:27:49 | 近所

ライラック(モクセイ科)ムラサキハシドイ、リラ
ジャスミンやキンモクセイなどモクセイ科の花は、
香りの良いものが多い。
ライラックの花言葉は、甘い誘惑または初めての恋だとか。


寒さにも強く札幌の「市の木」になっていて、
5月19~21日に大通公園でライラックまつりが開かれるそうだ。



ライラック・センセイション(モクセイ科)
フレンチライラックと呼ばれる小種別があるそうだが、
どのような区分なのか良く知らない。
ご近所の鉢植えのライラック・センセイションもそのひとつらしい。


赤紫の花弁の白い縁取りが面白い。
ライラックの花弁は普通4枚だが、
ときに5枚のものがあって、ラッキーライラックと喜ばれる。



カロライナジャスミン(マチン科)
蔓性でフェンスに絡んで咲いているカロライナジャスミンは
モクセイ科ではないが香りからジャスミンの名を得ている。


カロライナジャスミンには毒があるので、
甘い香りに誘惑されてジャスミンティーにしてはいけないようだ。

石神井公園

2006-04-25 16:08:04 | 近所

ハナイカダ(ミズキ科) 雄花
きのうの 山椒と花筏 の記事には雌花しか載せられなかったが
その後すぐに、石神井公園で見つけることができた。

この葉には雄花が4個咲いている。通常雌花はひとつだが雄花は数個つく。
ハナイカダの花弁は3枚であったり4枚であったりするらしい。



三宝寺池
きのう牧野記念庭園を出てから、
2~3km先にある石神井公園まで歩いた。
広い池の周りに遊歩道や神社などがあって、
植物や鳥など生き物も豊富で落ち着いた公園だ。
湿生植物や野草を保護しているような場所もあり、
いろんな花を見ることができた。


ミツガシワ(ミツガシワ科)
沼地に群落をつくるミツガシワは京都の深泥池にもあるというが、
住んでいるころには無頓着で知らなかった。


チョウジソウ(キョウチクトウ科)
こちらも湿地に群生する。

あまりはっきりした写真ではないが花姿の雰囲気だけを・・・


オオバウマノスズクサ(ウマノスズクサ科)
馬の鈴かというユニークな形の3~4cmの花も、
この大きい葉の前では小さく見える。


クサノオウ(ケシ科)
これから夏まで花期は長いが、すでに花のそばに莢状の実もなっている。


ラクウショウ(スギ科)
三宝寺池から井草通を渡ると石神井池になる。
こちらはボートが浮かんでいたりして、少し雰囲気が違う。
このあたりにはラクウショウがたくさん植えられていて、
地面のあちこちに気根(膝根)が出ている。
沼地に生えるラクウショウの特性だそうだ。

また行ってみたい公園だった。


植物学の日

2006-04-24 23:39:40 | 近所

今日4月24日は、植物学の日だ。
その由縁は、1862年4月24日に
牧野富太郎博士が高知県佐川町(現)で誕生されたことである。

思い立って大泉学園近くにある牧野記念庭園へ行ってきた。
ここは大正15年に博士が居を構え植物の研究に没頭されたところで、
昭和32年に94歳の天寿を全うされた後、
牧野記念庭園として開園されたものである。


書斎・鞘堂が保存され机や調度品など見られるほか、
陳列室には植物の押し葉、博士による植物スケッチ、植物の書物などが展示されている。

園内には340余種の草木が植栽されている。
ちなみに最初の写真の牧野像の前にあるのはスエコザサと言い、
博士が昭和2年に仙台で発見され翌年なくなられた寿衛子夫人を偲んで名付けられたものだ。


クマガイソウ(ラン科)
今日もヤマブキソウ、ニリンソウ、チゴユリ、ホウチャクソウ、
その他多くの花が咲いていたが、代表としてクマガイソウの写真を載せておく。

山椒と花筏

2006-04-24 08:04:08 | 近所

サンショウ(ミカン科)
これは22日の「ピリリと」に載せた
サンショウの写真をトリミングしたものだ。
この時、黄色い花には触れなかったが、
その後サンショウは雌雄異株であることに気づいた。
黄色い花は雄株なので、この木に実はならないはずだ。


雄花には黄色いオシベが5本。
雄花は花山椒として食用にもされるという。

雌花には花柱が2本で、あまり目立たない。
これが実になり、未熟なのを実山椒として利用する。



ハナイカダ(ミズキ科)花筏
サンショウと関係ないが、ハナイカダも雌雄異株だ。
葉の真ん中に、小さく色も地味な花が咲いている。


これは雌株で花が1個だけついているが、
見つけられなかった雄株には、1枚の葉に数個の花がつくらしい。

葉はアクがなく、おひたし、あえもの、天ぷらなどで食べられるという。

追記:その後、石神井公園で、雄花を見つけることができた。

イチリンソウなど

2006-04-23 09:45:40 | 近所

広葉樹の林でムラサキケマンやジロボウエンゴサクにまじって
イチリンンソウを見つけた。


イチリンソウ(キンポウゲ科)
ニリンソウに遅れて真っ白なしっかりした花が咲き始めた


花はニリンソウに比べるとかなり大きく、
葉の切れ込みも深い。


セリバヒエンソウ(キンポウゲ科)
このスマートな花の名前はしばらく分からなかった。
セリバヒエンソウはデルフィニウムに近い仲間らしい。


距を持っていて、横から見ると
燕が飛んでいる姿に似ていることから名付けられたらしい。


ヒメウズ(キンポウゲ科)
ヒメウズは直径5ミリぐらいの小さな花で
林の中で咲いていても見つけるのは難しそうだ。


無理やり下から覗かせてもらうと、
オダマキの仲間だというところもうかがえる。


ホタルカズラ(ムラサキ科)
少し前に見たキュウリグサや、まだ見ぬヤマルリソウはムラサキ科。
その仲間のホタルカズラは直径2cm弱の比較的大きい花だ。


花弁の色はブルーに近いものから紫に近いものも見られるらしい。
品種なのか時期なのかよく知らない。
実際の色を写真にするのは難しいものだ。



ピリリと

2006-04-22 08:20:36 | 近所


昨日は晴れたが強い風が冷たかった。
朝には大きな雲がモクモクとして、気流の激しい動きを感じさせた。



泉の森の水辺にはクレソンが広がり始めた。
ピリリとした辛さが料理の味を広げる。

クレソン(アブラナ科)オランダガラシ、ウオータークレス


明治時代にやってきたオランダガラシに対し、
山椒の実は昔からいろんな料理をピリリと引き立ててきた。
今の季節、新芽を筍に添えて香りも楽しめる。

サンショウ(ミカン科)

山吹の花たち

2006-04-21 09:37:35 | 近所

ヤマブキ八重(バラ科)
森の散歩道にヤマブキが咲いて、
まわりが明るくなっている。


八重のヤマブキはオシベが花びらに変わってしまっているので、
実がならない。


ヤマブキ(バラ科)
家の近くの林のところどころには
一重のヤマブキがひっそりと咲いている。


花弁が5枚で、メシベも5本あるそうで、
最大5個の実がなる。



シロヤマブキ(バラ科)
ご近所の庭などでよく見かけるシロヤマブキは、
ヤマブキとは異なる品種だ。


ヤマブキに比べると開ききらないように見える花弁が4枚、メシベも4本。
昨年つけた4個の黒い実が残っている。


小さい花

2006-04-20 12:49:24 | 近所

ニワトコ(スイカズラ科)  クヌギ(ブナ科)
木の花でも、桜や桃のようにしっかりした花ばかりでなく、
かなり小さな花も多い。
クヌギの枝に下がる雄花序の向こうに、
白い花が噴出しているようなのはニワトコだ。


白と見えたがメシベは赤くオシベは淡黄色をしている。


オオバベニガシワ(トウダイグサ科)
赤い葉っぱばかりが目立つオオバベニガシワにも、
ちゃんと花が咲く。


幹からすぐに、たくさんの蕾や黄色い花が顔を出して面白い。


メギ(メギ科)
メギは小さいとはいえ、しっかりした黄色い花弁を持っている。


先日の、カジイチゴが生えていた場所にはニワトコも咲いていた。
さらに、こんな実のようなものを見つけて、
カジイチゴの実かと混乱したがカジイチゴとは別の木だった。


ヒメコウゾ(クワ科)
このものの正体が分からず悩んでいたら、
家の近くの林にも同じものがあった。
よく見ると、黒褐色のツブツブは実ではなく蕾で、
一部は花が咲きだしている。
そしてその少し上にも赤い花が見える。
もう一度調べなおして、ヒメコウゾらしいと分かった。
もしかするとコウゾかもしれない。差異をよく知らない。
コウゾはヒメコウゾとカジノキとの雑種で、
カジノキ(雌雄異株)に近い種類とヒメコウゾ(雌雄同株)に近い種類があるそうだ。
紙の原料になるのはカジノキに近い種類だという。


小さくて観察も難しいが、雄花は黄色いオシベを持っている。


雌花は丸い芯から赤いメシベがいっぱい出ている。


ヤマグワ(クワ科)桑の木
ヒメコウゾの近くにはヤマグワの木もあった。
ヤマグワの葉は変異が多く、このように3裂・5裂するものもある。


雌雄異株で、これは雌花だと思うが
雄株を見つけていないので比較できなかった。


チューリップ

2006-04-19 20:48:09 | 近所







風の冷たい日が多いとはいえ

やはり4月半ば。

あちこちで、いろとりどりの

チューリップが花盛り。






チューリップはどんどん品種改良されて、
花の色も豊富だし、
花びらの形もさまざま、
茎が低い矮性のものもあるという。


近所の玄関先に咲いていた高さ20cmぐらいの、
この花はチューリップの原種で、
ベアケリ・ライラックワンダー というらしい。