先日の衆院予算委で民主党前原元代表にアベノミクス効果の危険性を指摘された安倍首相は、現状をゴルフに例え「今バンカーに入ってしまった。グリーンの先に崖があるんじゃないかと心配してですね、ずっとパットで打ったって、これ出ないんですね。バンカーから出るためには、サンドウェッジなんですよ。われわれは、サンドウェッジを持ったんです。そして、ボールはグリーンに、まさに乗ろうとしてるわけですから」と民主党政権の経済政策を批判しつつ現政策の正当性を主張した。
この時ふと思った。1994年日本プロゴルフ選手権。最終日最終組で回ったのは、当時脅威的な強さを誇った尾崎将司選手とこれまで優勝経験のない無名の合田洋選手。息詰まる接戦の中、合田選手1打リードで迎えた最終18番パー5。尾崎選手は飛距離に物を言わせ楽々2オン、バーディーが確実な状況。しかし一方の合田選手は手堅く3オンを狙ったものの手前のガードバンカーにつかまった。サンドウェッジを手にした合田選手はバンカーの外で素振りをしながらイメージ出しをしていたが、なぜかキャディのところに一度戻り、手にしたのはパターだった。観衆のざわめきの中バンカー内を転がったボールはラフを越えてグリーンに乗りカップから約1.5メートルのところでぴたりと止まる。合田選手の選択はその後「プロのプライドはどこに行った」という否定派。「いや、勇気ある選択だった」という肯定派と賛否を巻き起こす。だが、その選手権を制したのは合田選手が既成観念にとらわれずパターを選んだためだったことに間違いない。
安倍首相が振りぬいたサンドはデフレスパイラルというバンカーの砂を切り裂きボールは見事にグリーン方向に飛んで行った。しかし今後ボールをグリーン上に留め置くためには、消費増税を含む財政引き締めという真逆のバックスピンが必要になる。だがこれも強すぎればバンカーに逆戻りしてしまう。さてクラブは振られた。「パターで打っておけば」という結果にならないことを願う。
合田選手のその後であるが、イップスに陥るなど以降1勝もしていどころか、シード権も取れていない。さて。
この時ふと思った。1994年日本プロゴルフ選手権。最終日最終組で回ったのは、当時脅威的な強さを誇った尾崎将司選手とこれまで優勝経験のない無名の合田洋選手。息詰まる接戦の中、合田選手1打リードで迎えた最終18番パー5。尾崎選手は飛距離に物を言わせ楽々2オン、バーディーが確実な状況。しかし一方の合田選手は手堅く3オンを狙ったものの手前のガードバンカーにつかまった。サンドウェッジを手にした合田選手はバンカーの外で素振りをしながらイメージ出しをしていたが、なぜかキャディのところに一度戻り、手にしたのはパターだった。観衆のざわめきの中バンカー内を転がったボールはラフを越えてグリーンに乗りカップから約1.5メートルのところでぴたりと止まる。合田選手の選択はその後「プロのプライドはどこに行った」という否定派。「いや、勇気ある選択だった」という肯定派と賛否を巻き起こす。だが、その選手権を制したのは合田選手が既成観念にとらわれずパターを選んだためだったことに間違いない。
安倍首相が振りぬいたサンドはデフレスパイラルというバンカーの砂を切り裂きボールは見事にグリーン方向に飛んで行った。しかし今後ボールをグリーン上に留め置くためには、消費増税を含む財政引き締めという真逆のバックスピンが必要になる。だがこれも強すぎればバンカーに逆戻りしてしまう。さてクラブは振られた。「パターで打っておけば」という結果にならないことを願う。
合田選手のその後であるが、イップスに陥るなど以降1勝もしていどころか、シード権も取れていない。さて。