評価=
幼稚園の送迎バスの運転手が連続して少女を誘拐し殺害するというショッキングな事件。ジキル博士とハイド氏のように昼と夜の二つの顔を持つ男、逮捕当時はそのような感想を持った。しかしこの記者の執念による取材・調査によって、有罪の決め手なったDNA型鑑定さえも、検査精度に著しい疑問が残るばかりか、その後データの操作さえ発覚する。再鑑定の結果、無期囚は放免される。だが、裁判官や検察官がいくら謝罪しても、彼を拘束した17年の歳月は当然戻ってくるはずもない。ここで話は終わらない。警察がかたくなに当時の検査データの間違いを認めない背景には、同じ鑑定ですでに死刑が執行された事件が存在するためだった。ここまでならよかったのだが、著者は真犯人まで特定してしまったのだ。もちろん氏名までの記述はないが、人着や行動パターンをみればある程度の人物特定は可能。なぜ著者は一線を越えてしまったのか。
幼稚園の送迎バスの運転手が連続して少女を誘拐し殺害するというショッキングな事件。ジキル博士とハイド氏のように昼と夜の二つの顔を持つ男、逮捕当時はそのような感想を持った。しかしこの記者の執念による取材・調査によって、有罪の決め手なったDNA型鑑定さえも、検査精度に著しい疑問が残るばかりか、その後データの操作さえ発覚する。再鑑定の結果、無期囚は放免される。だが、裁判官や検察官がいくら謝罪しても、彼を拘束した17年の歳月は当然戻ってくるはずもない。ここで話は終わらない。警察がかたくなに当時の検査データの間違いを認めない背景には、同じ鑑定ですでに死刑が執行された事件が存在するためだった。ここまでならよかったのだが、著者は真犯人まで特定してしまったのだ。もちろん氏名までの記述はないが、人着や行動パターンをみればある程度の人物特定は可能。なぜ著者は一線を越えてしまったのか。