国際空手道 修徳会 北海道本部 札幌道場稽古日記

北広島市輪厚地区で空手の稽古をしています。練習の内容や、イベント、雑多な情報などを画像で紹介します。

桃太郎

2014-01-10 08:49:55 | Weblog
「ボクのおとうさんは、桃太郎というやつに殺されました」というコピーと子供の鬼が泣いているイラスト。2013年度新聞広告クリエーティブコンテスト最優秀賞に輝いた作品だ。ひとつの事案を対極から見ると全く違って見える。情報(新聞)に潜む罠を著したものなのだろう。子鬼にとっては突然の悲劇、親の生業を承知していたかどうかは分からないが、一族で幸福に暮らしていたところに桃太郎という殺戮者がやってきて親も親族も皆殺しにした。しかもお供との契約は殺戮加担にしてはあまりにも安価なきび団子、まるでゲーム感覚だ。子鬼が「おとうさんの命は団子より軽かったのか」と慟哭しても無理はあるまい。こんな話ではなかった。
さて、この文字には思わず”にやり”とさせられる。妻と娘が単身赴任の夫のアパートに行き置手紙を書くTVCMがある。5歳ほどの娘が書いた「ともだちできるといいね。」という文字があまりにも美しく「表現者としてどうなの?」とずっと気になっていた。監督も「そこをつっ込んでくるの」と心外だろうが、あの文字は明らかに小生よりは上手い。さらに言えば文字を書き慣れた編集者のもの。文字というのは不思議なもので上手く書くこともできないが、意識して下手に書くこともまたできない。試しに小学生が書くような文字を書いてみるといい。どこか嘘くさくなるものだ。ところがこの広告の文字にはリアリティーがある。多分本当に子供に書かせたものなのだろう。そこがポイントがと感じたクリエーターのセンスの良さに賛辞を送りたい。
さてもう一つの絡みが。一昨年の同コンテストの優秀賞に選ばれた中に、同じく桃太郎を題材とした作品があった。「きび団子のため、だけじゃあない」犬、猿、雉が桃のイラストをプリントした鉢巻きを締めて彼方を見つめている。この作品があることは当然承知していたはず。でもあえて同題材で勝負してきたことにかなりの自信があったことが窺える。受賞作を見るだけでも結構楽しめる。