元来人間の血液型は全てO型だったが腸内細菌のトランスフェクション(遺伝子移入)によりA型、B型に分化した。AB型が出現したのは1100年ほど前。墓の発掘調査にさいしそれ以前のものからは一切確認できないことが証拠とされている。人類を襲った数々の伝染病は民族の血液型分布にも影響を与えている。各血液型に見る感染症の罹患率、死亡率は明らかな有意差が見られ相関関係を表している。O型は梅毒に対する抵抗力が高く、O形以外との比較で感染率は60%を切り、特にAB型は重症化しやすい。1500年以降猛威を振るった梅毒により欧州ではAB型が極端に減少した。比較的被害が少なかった日本では全体の約9%だが米大陸、欧州では2~3%。他の疾病の罹患率はA型が高く、O型、B型が低いことが確認されている。これが性格に反映されないとは言い切れないのではないかーとしている。著者は以前「笑うカイチュウ」を出版する日本寄生虫学の第一人者。タイトルは軽いがバッタもんではない。