第101回神戸住吉「尚歯会」会場風景
江嵜企画代表・Ken
第101回神戸住吉「尚歯会」が、一般財団法人住吉学園主催で、9月20日、午後1時半から、神戸市立住吉小学校体育館で開かれ、楽しみにして出かけた。開始10分前に会場に着いた。ほぼ満席、係の人に前の方が比較的すいていると促されて席に着いた。
舞台上と舞台前には、式次第が終わり次第即演奏する神戸市立住吉中学校吹奏楽部の面々が座っていた。会場の様子をいつものようにスケッチした。
「尚歯」の「歯」は年齢を表す。「尚歯」は、敬老を意味する。明治44年(1911)12月、住吉村が主催し、村の繁栄を支えてきた村民の長寿を祝い、敬い尊ぶことを目的として、70歳以上の高齢者を住吉小学校に招待し始められた。毎年9月の第3土曜日開催と決まっている。
昨年は9月18日にひらかれ、百周年にあたった。石川さゆり、矢代亜紀をゲストに迎えて神戸ワールドホールで盛大に行われた。浜村淳さんが司会した。「二百周年の司会者は既に決まっています。浜村淳さんです。みなさんご一緒に、長生きしましょう、」と尚歯会会長さんの挨拶に会場はどっと沸いた。
「尚歯会」は第二次世界大戦で2回、先の阪神淡路大震災で1回抜けた。今回第101回目だが、明治44年生まれだから実際は104歳になる。昭和25年4月に神戸市に合併される前は「住吉村」、合併後は、神戸市東灘区「住吉地区」に住む数え70歳以上7千数百人に案内状が配られる。今年、6月1日時点で百歳以上の方は13名、女性12男性1と説明があった。
住吉中学吹奏楽部演奏は、NHK朝ドラ「花子とアン」のテーマ曲、懐かしのメロディーの中から「赤いリンゴ」、「北の宿から」など親しみのある曲の演奏が続き、演奏に合わせて手拍子、会場は大いに盛り上がった。休憩10分のあと第2部では、コーラス、講談、漫才が予定れていたが、所用があり帰路についた。
「尚歯会」がすごいのは、案内状を持参すれば例年お土産がいただける。お土産だけいただいて帰る人は結構多い。高齢者が多く、手持ちできない。キャリーカートに移し替えてゴロゴロひっぱって帰るお年寄りの姿を目にすることが、尚歯会お馴染みの光景となった。
お土産は紙袋に入っている。しかし、中身は生易しい代物でない。人気の目玉は上物の梅干し2ケースと梅茶の缶がついている。年によって多少違うが、今年は、キャンディ、煎餅、甘納豆など、ひと品ごと包装されて、合計6種類ほどあった。
膨大な山林と土地を持つ住吉学園だからこそ出来る話と云うなかれ。いただきものをしておきながら感謝の一言もない、せちがらい世の中に成り果てた今の日本であるが、ご先祖さんからの申し送り事項を、子子孫孫にまで黙々と守り続ける神戸住吉「尚歯会」、いや栄えあれと祈らずにおれない。(了)