ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

脳卒中に対する針刺法-醒脳開竅針刺法・講師:松田篤人先生

2014-07-21 09:38:00 | 診断即治療と虹彩学
松田篤人先生プロフィール

蓬松鍼灸治療院院長、醒脳開竅法認定医師、一般財団法人七星界理事、王醫塾講師

ご経歴:東京衛生学園専門学校卒業後、天津中医薬大学第一附属医院にて一年間
臨床研修。その後も定期的に研修を継続。

帰国後、漢方クリニック・自治医科大学附属病院麻酔科ペイン外来で鍼灸を担当。

現在、東京池袋の蓬松(ほうしょう)鍼灸治療院にて診療。


松田先生とは、10何年前からの交流ですが、松田先生は勉強家であり、経歴で見てもわかるように努力家で、現在でも毎年天津に出かけて勉強を続けています。
さらに、台湾にも多分、毎年出かけて勉強していますし、国内においても出かけられるだけの勉強会に出席しています。

私が東京出張のとき、治療院にお邪魔しようと何度か連絡を取ったのですが、そのたびに松田先生の都合が悪く、未だに治療院訪問は実現していません。(^_^;)

8月には、松田先生十八番の一つである「醒脳開竅法」を講義してもらうようにお願いしましたら、快諾して頂きました。

醒脳開竅法(せいのうかいきょうほう)は、中国・天津中医薬大学第一附属病院の石学敏先生を中心として開発されたもので、中国では有名な治療法で、脳卒中の後遺症である、片麻痺、言語障害、嚥下困難、視覚障害、情緒障害や顔面麻痺、便秘、尿失禁、褥瘡(床ずれ)などに効果が望まれています。
醒脳開竅法は、巨鍼療法と並んで高い技術が要求されるため、日本では限られた鍼灸師しか修得した人はいません。

本場の天津中医薬大学第一附属病院で学び、現在なお勉強に通っている松田先生の講義は、きっと日本の鍼灸斯界を鼓舞することになると思います。

当日は、家族や知人に脳卒中の後遺症で悩む方々のために、参加制限をせずに開催する予定です。

但し、専門用語が頻繁に使われますので、その点はご了承いただかなければなりません。
専門用語への解説や質問されたら、講義が前に進まないので、ご理解のほどをお願い致します。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

認知症を正しく理解する:現状と備え;森啓先生大いに語る(スケッチ&コメント)

2014-07-21 08:30:48 | スケッチ


認知症を正しく理解する:現状と備え;森啓先生大いに語る

江嵜企画代表・Ken


『認知症』を正しく理解する~現状と今後の備え~と題して、森啓先生(大阪市立大学大学院医学研究科、脳神経科学)の講演会が、地元、神戸市東灘区民センター・うはらホールで7月18日(金)午後6時から開かれ、楽しみにして出かけた。講演開始10分前には会場上段にしか空席がなく見下ろすような形でスケッチした。

講演は「認知症」とはどんな病気か?発症の理由と症状について説明があった。一口で言えばアルツハイマー病のことですと森先生の話は明快だった。無症状(プレクリ二カル)段階から認知症の疑いが出る「MCI」という段階を経て、初期の症状に入る。

「初期症状」の中で特徴的な現象としては「何度も同じことを聞いたり繰り返すようになる。やがて時間や場所が分かりにくくなる段階を経て、末期症状としては、例えば奥さんや旦那さん、家族を見て、「おまえは誰か」と聞くようになる。やたら怒りっぽくなるなどと説明した。

アルツハイマーとは、脳の一部の「海馬」に出る症状である。それが2~5年の時間的経過を経て脳全体に広がる。アミロイドタンパクが増殖し、脳神経の機能を低下させ、神経活動のコントロールが不能に陥り、脳神経のネットワークが崩壊に至る病気だと話が続いた。

脳機能の低下によって障害が出易いものは、新しいことの記憶低下、段取り,要領が悪くなる、意欲がなくなる、いつ、どこ、だれの識別ができなくなる現象に現れる。一方、脳の機能が低下しても、①感情、②単に見えること、③運動機能には障害は現れない。アルツハイマーの特徴的症状として徘徊が挙げられるが、運動機能には障害が現れないからだと、森先生が話した時、会場はどっと沸いた。「感情」にも脳機能が低下しても、障害は現れない。そのため①目を合わせる、②話を聞き、相づちする、③声をかけ、体に触れる、④時々、好きなものを与えることがアルツハイマー患者にはきわめて重要と話された。

アルツハイマー病予防・進行を遅らせるにはどうしたらいいか。薬による治療がある。糖尿病、高血圧などの生活習慣病との関連性から抗脂血症薬(スタチン剤)の服用で、血中脂肪をさげてくれる。高血圧薬は、血管弛緩と血流の促進をはかることでアミロイドの脳外排出を促進する。糖尿病治療薬のインシュリンはアルツハイマー病原因分子(アミロイドタンパク)の活動を抑制する効果があるとの研究報告があると紹介された。

薬の服用以外のとして方法として、病気の予防効果があるものとして、絵画法、音楽療法、犬療法などが紹介された。絵を描いたり音楽を聴いたりすることで、アルツハイマー病の原因であるアミロイド排出に効果があるとの研究報告があると聞くと誠にこころ強い。適度の運動も予防効果がある。ウォーキング、ダンスを挙げた。昼寝も30分程度ならいい。ただし、寝すぎるとよくないそうだ。

最後にアルツハイマー患者の家族、介護者の奥義として、①後悔しない介護、②残された能力を活用するが指摘できるが、③手を抜くが一番大切だと、森先生が話した時も会場はどっと沸いた。世話を焼きすぎるのがいけないそうだ。たとえば、洗濯物の片づけなどはどんどんやらせたらいいという話の時も会場は沸いた。

この日の講演会で一番印象に残った話は、日本に現在、認知症患者が462万人、予備軍入れると現在800万に上る。日本の国家予算100兆円のうち、医療費30兆。うち半分の15兆円が認知症関係で占める。アルツハイマー患者一人に国は年間550万円負担している。さらに、認知症問題が、紛争解決や地球温暖化対策と並んで昨年末G7サミットで初めて取り上げられた。

最近、日本では食べていけなくなった病院が増えてきた。そのため認知症患者の入院を断るケースが増えてきた。認知症患者にはコストがかかりすぎるからだという。救急車でたらいまわしにされた挙句、入院できないケースが増えている。認知症問題が、現状、国民的経済問題になって来ていることを改めて教えられた次第である。(了)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする