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「強い通貨は日本の国益である」と日本はなぜ言えないのか(学校で教えてくれない経済学)

2009-01-23 08:44:27 | 経済学
 「英ポンド〈下落〉は米ドル〈下落〉の前触れ」というタイトルでWSJ紙(1月22日)にジョアンナ・スレーター記者が記事を書いた。英国ポンドの急落は9月15日のリーマンブラザーズ破綻から事実上はじまった。その後下げ足を早め、下げ止まる気配がない。

米国も英国も共に、住宅問題をかかえる金融機関救済に忙殺されている。もがく金融機関に政府が資金を供給し、資金手当て〈ファイナンス〉を海外からの資金に依存している。利下げにより景気を刺激しようとしている点でも米英は共通していると記事は書いた。

ところが、現状見る限り、相場は正反対に動いた。米ドルは対円を除けば、ドル相場は値上がりし、英ポンドは23年来の安値を更新している。米ドルの値上がりは特に対英ポンドと対ユーロで顕著に見られると同記事は続く。

米ドルに見られる奇妙な現象として、景気が悪化すればするほど、避難先として「安心」を求めてドル保有の動きが世界的に進む。結果としてドル相場は値上がりしている。米ドルと比べて英ポンドもユーロも保有通貨として安心できないと投資家は考えているからだ。

米国政府は、景気刺激策の一環として、安易に公的資金の投入を続けていけば、現在、英国が直面している同じような状況が米ドルにも今年後半に訪れる可能性が高いと指摘した。

WSJ紙は、「日本円、ライバル通貨に対して上昇」とのタイトルで、リヴァ・フロイモヴィッチ記者が、円独歩高の現状をレポートしてる。日本円がなぜ買われるのか。日本は巨額の外貨を保有しており、経常黒字国であるからだと一言で片付けた。

NY外国為替市場で、1月22日、1ドル=88円台で取引された。米労働省による直近の新規失業保険申請件数が62,000件増加し589,000件を記録したとの発表と米商務省の12月の米新規住宅着工件数が年ベースで15.5%減との発表がドル売り材料に使われた。

英ポンドは今週だけで9.3%値下がりした。英国の銀行株の値下がりが英ポンド安を助けている。ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド株は昨日70%以上値下がりした。ポンド安と英株安が連動している。NYダウは1月22日、105ドル下げたが米銀行株安が影響した。

スイス銀行といえば、余談ながら、わが麻生首相ご愛読の漫画「ゴルゴ13」にもしばしば登場する安全パイの最右翼の銀行である。そのスイス銀行が、昨年10月以降政策金利を2.25%下げ現在0.5%である。スイスフランが対ドルで値下がりしている。スイスフラン相場低迷から同行副総裁がフラン買い介入を昨日示唆した。スイスフラン、お前もかの現象だ。

ロシア政府は、1月16日時点での外貨〈金を含む〉保有高が303億ドル減り、3,962億ドルと発表した。ロシア政府の250億ドル介入も、海外資金流出からルーブルは下げた。

ガイトナー次期米財務長官は、「オバマ政権は中国が為替操作していると考えている」と米議会公聴会で証言した。中国による為替操作に次期米財務長官が言及したことを受けて、中国の米国債売りを刺激するとして米国債が値下がりした。円高要因の材料に使われよう。

ガイトナー氏は、この日、「強いドルはアメリカの国益である」と発言した。元ルービン財務長官もポールソン前財務長官も「強いドルはアメリカの国益」と繰りかえした。

日本以外の政府は、自国通貨下落を深刻に憂慮している。日本はなぜ「強い円は日本の国益である」と言えないのか。円高メリットを真剣に生かさないと日本の未来はない。(了)

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