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金メダルが銅メダルに化けた?!ドル相場堅調で金相場急落(学校で教えてくれない経済学)

2008-08-17 09:15:57 | 経済学
 経済とからだの健康には共通点が多い。血液とお金の関係に置き換えて考えるとより身近になる。血液の流れが悪くなると病気になる。お金の流れが悪くなると経済がおかしくなる。
 お金の現象は為替、原油、金利の動きに現れ易い。3つの要素が上になり下になり、お互いがグー、チョキ、パーの関係のように、相互に反応し合いながら相場を作っている。
 NY外国為替市場で、先週末の8月6日、ドルは値上がりし、1ユーロ=1.4673ドル、1ドル=110.51ドルで取引された。ポンドは、11営業日連続で下げた。特に7月から8月にかけてドルは対ユーロ、対ポンドで8%、対円で6%値上りした。
 ドルはここ7年ばかり特に対ユーロでの値さがりが続いていた。2000年10月に1ユーロ=83セントだった。それが今年7月に1ユーロ=1.60ドル台を天井に下げに転じた。特にポンドの値下がりがきついと今朝のWSJ紙は指摘している。
 NY原油先物市場で原油(WTI)相場は、先週末比バレル1.24ドル値下がり、113.77ドルで取引された。原油はドルの先安を見越して売られ、終値ベースで最高値のバレル145ドルを記録した後ドル堅調地合いへの転換で原油相場はドルと背中合わせで下落している。
 ドルが下げれば原油が上がる。上がるから買いが入る。買われるから値段が上がる。現在は全く逆で、ドルが上がるから原油が下げる。下げるから売りがかさむ。売りが増えるから原油相場が値下がりする。これと同じパターンが金相場に現れている。
 今朝のWSJ紙を読んでいたら、書き出しに「一晩で金メダルが銅メダルに化けた」と書いた。NY金先物相場が、先週末トロイオンス22.20ドル、2.7%下げ786ドルで取引された。年初につけた最高値が1003ドルだった。銀もこの日9.9%急落した。
 金メーカーは金相場先高を見越して巨額の資金をヘッジ買いしていた。相場急落でそれが裏目に出た。業績悪化は株価に出る。損害額最大の3位のAngloGoldAshsntiの株価は35%、トップメーカーBarrickGold24%,2位のNewMontMining15%年初から値下がりした。
 バーナンキ米FRB議長は、今年6月、米議会で証言し、ドル相場下落は輸入インフレに圧力をかけると発言した。8月15日、米労働省は、7月の米消費者物価指数はここ7年で最高の5.6%増加したとの表が金、銀相場急落の引き金となったとWSJ紙は指摘した。
 ドルはなぜ上がるのか。米国経済が好転したわけはない。米国経済と一帯の日本とヨーロッパの今年第二4半期の経済成長鈍化が背景にある。米国景気は当面回復しない。ユーロ圏の利上げ懸念が消えた。日本のゼロ金利も続く。金利差からドルが相対的に買われやすい。ドルの一方的な売りの流れの反動も重なった。食べ過ぎが健康によくない好例だろう。
 血液が血管(パイプライン)の中をさらさらと春の小川のように流れなくなるとどうなるか。脳血栓、脳溢血はいずれも血液が詰まって起こる病気である。米FRBは短期の目標金利を実質ゼロ金利まで下げた。しかし返済力の乏しい借り手には高利で貸し続けている。
 日本でも多くの金融機関に貸し渋りが目立つようになってきているという。ゼロ金利でも借り手がいない一方で、1円でも借りたいところには金融機関は逆に警戒感を露にしてお金を貸さない。血液(お金)が流れ難くなるから病状は悪化する。病人の数は当然増える。
 ドル堅調で金相場急落。金メダルが銅メダルに化けた話は笑い事で済まされまい。〈了〉

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