ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

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ユーロ急反落、ドル堅調ー

2005-01-08 12:04:21 | 経済学
学校で教えてくれない経済学・・・江嵜企画代表


 ユーロ急反落、ドル堅調の地合いが年初来
続いている。まさに様変わりの展開であり、大いに
注目される動きである。

 1月7日、NY為替市場では取引開始早々は
12月の米雇用統計が予想を下まわったことを
嫌気して売られたが、結局、1ユーロ=1.3027ドル
までドルが上昇して取引を終了した。

 対円では、ドルは、1ドル=105.03円前後で
小動きに推移した。

 ドル堅調、ユーロ反落はなぜなのか?

 専門家の大方の見方は、米国の利上げが当分継続するが
ユーロ圏に利上げ気運が後退して、米欧の金利差が
拡大するためだとしている。

 米国の利上げ継続を決定的にしたのは、米国の中央
銀行にあたる米FRB(連邦準備制度理事会)が、
12月13日のFOMC(公開市場委員会)議事録公表の
タイミングを会議後6週間の慣例を破り3週間後に
敢えて繰り上げ、しかも議事録の中でインフレ懸念を色濃く
打ち出したためと見られている。
 
 ドル安が進むと輸入物価が上り輸入インフレの危険性が
生まれる。原油が高値安定すれば生産性が低下する。
米国からのドル流出にブレーキをかけ、あまりにも急激な
ドル安への流れは阻止しようとしたのかもしれない。

 昨年後半にかけて貿易赤字と財政赤字、俗にいう
双子の赤字を材料に、特に対ユーロでドルが売られた。
中国、インドそしてロシアまで保有外貨をドルから
ユーロへシフトする話しがなかば公然と流され、
恰好のドル売り、ユーロ買いの材料に仕立て上げた。

 その結果、1ユーロ=1.20ドルから1ユーロ=1.36台
までユーロが急騰した。相場の常であるが、上がれば
どこまででも上がるムードが生まれるからこわい。

 1ユーロ=1.45ドルまでささやかれていたのはつい
年末までの動きに過ぎない。

 相場の世界では高をくくるとしっぺ返しを受ける
ケースが多いが、先高を期待してユーロの持ち高を
増やしていた向きが、1ユーロ=1.32ドル台を
あっさりクリアして下げたので、ドルを買い戻し、
あわててユーロ売りしたのでユーロの下げに
一段と勢いが付いたようだ。

 米労働省は、11月の非の業部門の米雇用データを
前月比157,000人増と発表した。エコノミストの
予測は175,000人増であった。2004年年間では
220万人増加、失業率は5.4%で推移した。

 雇用データ発表直後に下げたドルが、再び買い
直されたのはなぜなのか?

 11月の米雇用統計が137,000人増へ上方
修正された。そして今回の12月157,000人増
である。予測は下回ったが米国景気堅調を裏付ける
データとしては不足はない。

 FRBの利上げ路線は修正されない。FOMCの会合
開催ごとに0.25上げからケースによっては0.5%上げ、
今年の秋以降交代が確実視されているグリーンスパン議長
の後任が決まるまで、3.25%から最大4.0%まで利上げ
するのではないかとの観測まで出てきたから変われば
変わるものだ。

 さらに、為替専門家の一部に、2月4,5日に
ロンドンで開催が予定されているG7サミットの
席上で、機軸通貨としてのドル信任を強調し、
いき過ぎたドル安、いき過ぎたユーロ高を
修正するための協調体制が確認されるのでは
ないかとの思惑まで出てきた。
 
 ユーロ急反落、ドル堅調の地合いは何を
我々に教えてくれているのであろうか。

 多いに注目される動きである。(了)

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