晴れ、ときどき映画三昧

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「馬上の男」(51・米)60点

2019-09-12 12:38:47 | 外国映画 1946~59


 ・ A・ド・トス監督R・スコット主演のテクニカラー西部劇。


 「駅馬車」のアーネスト・ヘイコックス原作を、「拳銃王」(50)のアンドレ・ド・トス監督、ランドルフ・スコット主演で映画化。

 愛よりも富を選んだ元恋人の結婚相手の嫉妬心によって命を狙われる牧場主を描いた西部劇。

 西部劇好きの筆者には劇場未公開ながら、本作がA・ヘイコックス原作の西部劇と知れば期待が高まる。

 主人公オーエンに扮したのはR・スコットで、30年代から60本以上西部劇に出演している大スター。代表作には「昼下がりの決闘」があり本作は53歳時の作品。

 年齢的にカウボーイには少しトウが立っているため、放浪ののち地元に戻った小さな牧場主・オーエンという設定。仲間から人望もあるが恋人だったローリー(ジョン・レスリー)は、貧しく苦労したため裕福なスカル牧場主のアイシャム(アレクサンダー・ノックス)と愛なき結婚を選ぶ。

 いわば<契約結婚>で、今でもオーエンに未練があるのでは?と疑うアイシャムは、近隣の小牧場を買収しながら命を狙うための機会を窺っている。

 西部劇にはストーリー・俳優の魅力プラス映像・アクション・音楽が決め手となるが、全て及第点ながら今ひとつ物足りなさも・・・。

 テクニカラー映像は斬新さを狙って夜のシーンが多く、画面が暗いため大画面でないととても眼が疲れてしまいそう。音楽が終始流れっぱなしなのも抑揚に欠ける。

 クロサワやイーストウッドのような主人公がヒーロー然としていないのでガンファイトに無理矢理感があるのと、ヒロインの立ち位置に共感が湧いてこない。

 良かったのは牛の暴走シーンと崖を転げ回る格闘の場面。オーエンが怪我をして隣人の女牧場主ナン(エレン・ドリュー)に介抱されるのを追ってきた牧童ヒュー(ジョン・ラッセル)との殴り合いは中盤のハイライト。

 ヒューがナンのことを<男を裏切ることが平気な女>といったのをローリーのことと勘違いしたアイシャムが射殺するシーンは唯一非情さを見せる場面。
 そのアイシャムもあっけなく牧童頭というより殺し屋のようなダッシャー(リチャード・ローバー)に撃たれてしまい、「オーエン君の勝ちだ。だが、私も勝った。」という。死の間際で結婚の契約を守ってくれた妻への感謝の言葉だった。

 最後の決闘はオーエンとダッシャーの二人になるのも、盛り上がりに欠けるような・・・。それでも定番の風が吹く二人の撃ち合いは西部劇には欠かせない。少し暴風気味なのもご愛敬。

 60年代日活アクションを連想するような低予算のウェスタン映画だが、オーエンとナンが牧場を携わっていく姿が眼に浮かび後味は悪くない。

 

  

 

 

 


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