晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
マイペースで備忘録はまだまだ続きます。

「スタンド・バイ・ミー」(86・米)80点

2019-09-20 11:35:21 | (米国) 1980~99 


 ・ ベン・E・キングのナンバーとともに蘇る少年時代を描いた名作。


 S・キングの原作<短編「THE BODY」>をロブ・ライナー監督で映画化。

 作家ゴードン・ラチャンス(リチャード・ドレイファス)は「弁護士エクリストファー・チェンバース、刺殺される」という新聞記事で知った親友の死。

 50年代末期、オレゴンの田舎町キャッスル・ロックで12歳だった少年時代を回想する・・・。

 行方不明の死体を探すため旅に出た少年四人組の冒険とひと夏の思い出を綴る一編は、S・キングの半自伝的物語でもある。

 当初監督はエイドリアン・ラインで企画されたが、スケジュールが合わずR・ライナーが起用された。監督自身の少年時代も重ねられ描かれている。

 男の子が大人の世界へ第一歩を踏み出す時期であることを思わせる12歳の少年時代。筆者も本作を観るたびにその頃を想い出す。

 頭が良く物語りを作るのが上手なゴーディ(ウィル・ウィートン)は兄(ジョン・キューザック)の死がトラウマとなっている。親友クリス(リヴァー・フェニックス)はアル中の父親や犯罪者の家族に悩まされている。

 後の二人、テディ(コリー・フェルトマン)とヴァーン(ジェリー・オコンネル)も、PTSDの父親や不良の兄(キファー・サザーランド)を抱え家庭が崩壊してしまっている。

 こんな四人の少年が死体を見つければヒーローになれると冒険の旅に出る。線路伝いに歩き汽車に轢かれそうになったり、鹿と対面したり犬に追いかけられたりヒルに噛まれるなど、危なっかしい2日間はかけがえのない男の子との決別でもあった。

 現在社会派に転じたR・ライナー初期の作品としても貴重なものとなっている。

 四人の少年を演じた俳優たちも同様だが、なかでもクリスを演じたR・フェニックスのその後の活躍とドラマを地で行くような23歳での早世は伝説となっている。

 樹の上での秘密小屋でポーカーとタバコで大人の疑似体験をする彼らは、ひと夏の体験からダンダン疎遠になって行くがこのたわいもない2日間は2度と味わえない貴重なもの。

 夏の終わりになると毎年観たくなる映画のひとつで、ベン・E・キングのスタンダード・ナンバーとともにまた蘇ってくる。
  


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