晴れ、ときどき映画三昧

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「タクシー運転手 約束は海を越えて」(17・韓 )70点

2018-09-22 15:22:32 | 2016~(平成28~)

・ 事実をもとにした韓国の大ヒットしたヒューマン・ドラマ。




80年5月、韓国で起きた光州事件をもとに、事件を世界に伝えたドイツ人記者を現場に送り届けたタクシー運転手の視点で描かれた、<事件の悲惨さとユーモアを交えた感動のドラマ>。監督は本作で4作目のチャン・フンで、主演は「JSA」(00)のソン・ガンボ。

日本人にはあまり馴染みのない事件だが、韓国南西部・光州でクーデターで大統領になった全斗換政権に反発した市民20万人規模のデモを鎮圧した政府軍との衝突した事件。市民164人・軍人23人・警官4人が死亡した、いわば中国・天安門事件の韓国版だ。

ドイツ人記者ピーターはドイツ公共放送連盟日本駐在記者で演じたトーマス・クレッチマンで、「戦場のピアニスト」や「ヒトラー最後の12日間」のナチス将校役でお馴染みの人。

ソン・ガンボ扮する タクシー運転手キム・マンソプのモデルはキム・サボクで、本作が完成するまで所在が不明だった。
従って人物描写はオリジナル。事件の真相は解明されていないが、チャン・フン監督は主義主張に踏み込まず悲劇を庶民目線の感性によってエンタテイメント作品へと昇華して行った。
ソン・ガンボは一度は断ったという微妙な役柄だったが、人間味溢れる巻き込まれ型ヒーローはまさにハマリ役。

筆者は<喜怒哀楽がオーバーな韓国映画>という先入観からあまり好んで観ることはなかったが、去年1200万人動員した韓国最大ヒット作品を観ることで<家族愛の深さやモテナシを大切にする隣国の文化>に触れることができた。






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