新・平家物語(’55)
1955年/日本
カラーで厚みを増した溝口作品
shinakamさん
男性
総合 80点
ストーリー 80点
キャスト 80点
演出 85点
ビジュアル 85点
音楽 80点
吉川英治の人気小説、若き日の平清盛の物語を溝口健二で映画化。昨今の大河ドラマなどTV時代劇とは違って、セット・美術・衣装など厚みがあって今とは大違い。手抜きのない溝口演出とあいまって、大いに時代文化を楽しめた。
若き日の清盛役の市川雷蔵は一本調子ながら、正義感溢れる武士を力一杯演技している。父の大矢市次郎、母の小暮実千代を始め主役を支える脇役陣の層の暑さは見事。千田是也など、舞台俳優がこの頃の映画界に貢献しているのもその要因だろう。