晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
マイペースで備忘録はまだまだ続きます。

『トランスアメリカ』 85点

2006-07-29 20:16:08 | (米国) 2000~09 

トランスアメリカ

2006年/アメリカ

ハートフルな母子?のロード・ムービー

プロフィール画像

shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 85

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆85点

演出 ★★★★☆80点

ビジュアル ★★★★☆85点

音楽 ★★★★☆85点

女性になろうと手術を控えた男性に実の息子がいることを知り、2人がアメリカ横断の旅に出る。フェリシティ・ハフマンが複雑な設定の役を見事にこなしていて、素晴らしい。夫のウィリアム・H・メイシーがEPで全面協力している。
新鋭のダンカン・カッター監督はこの映画のモデルから話を聴いて脚本化しただけあって、可笑しくも内に秘められた辛く哀しい体験を、巧みに描いている。なかでも、手術を終えたあとの涙は何とも云えない複雑さを表していた。息子のケヴィン・ゼガーズは美形で繊細ながら、親の愛を知らずに必死に生きて行こうとする健気さが出ていた。
NYからロスへ旅する道中で出会うカルヴィン(グレアム・グリーン)との交流がハートフルでほっとさせてくれる。「誰にも人に言えない秘密がある」と言いながら、別れ際に自分の秘密を言って相手の秘密を問いただそうとはしない。
ロスの実家の成金ぶりも、主人公の孤独さを引き立たせてくれる。