晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
マイペースで備忘録はまだまだ続きます。

『プルートで朝食を』 80点

2006-07-08 12:01:44 | (欧州・アジア他) 2000~09

プルートで朝食を

2005年/アイルランド=イギリス

’70年代英国のおとぎ話

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shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆80点

演出 ★★★★☆85点

ビジュアル ★★★★☆80点

音楽 ★★★★☆80点

「ことの終わり」のニール・ジョーダン監督、「真珠の耳飾りの少女」のキリアン・マーフィー主演。人を疑わず豊かな感性を持つ、ゲイの青年を見事に演じている。
孤児のキトゥン(キリアン・マーフィ)が僅かな手掛かりをもとにロンドンに出て、母親を探すうち多くの出会いと別れがあり、'70年代イギリスが輝いていた時代の風俗が音楽とともに蘇る。
共演者も芸達者が取り囲んでいる。「シンドラーのリスト」のリーアム・ニーソン(リーアム神父)、「クライング・ゲーム」のスティーヴン・レイ(パーティ・ヴォーン)が特に悩み多き中年役を好演。若手のルーズ・ネッガ(幼馴染みのチャーリー)も印象に残る。
人の命のはかなさや、自分ではどうすることも出来ない運命など、ジョーダン監督は現代に警鐘を鳴らしつつ、明るく生き抜くキトゥンを遠い星・プルート(冥王星)の世界に置き換えているのだろう。盛り沢山な中にも英国版おとぎ話として、心温まるドラマとなった。