ブロークン・フラワーズ
2005年/アメリカ
若い人には実感湧かない愛おしさ
shinakamさん
男性
総合 80点
ストーリー 80点
キャスト 85点
演出 85点
ビジュアル 80点
音楽 80点
「コーヒー&シガレット」のジム・ジャームッシュ久し振りの監督。カンヌ・グランプリ作品だが、ハリウッドの派手さは微塵もない。
初老のドン(ビル・マーレイ)の女性遍歴を尋ねる物語。お節介な隣人(ジェフリー・ライト)に乗せられイヤイヤ女性達に会いに行く。その受身で何処か自分探しの旅に出る男を「静の演技」でこなしている。まるで自然で演技していないのではないかと思わせるほど。シャロン・ストーン、ジェシカ・ラングなど元愛人の4人が豪華。現在の人生もサマザマで、久し振りに突然現れたドンに対する対応も人それぞれなのが面白い。
淡々と流れる女性遍歴の旅で、ドンの人生が浮き彫りにされている。真実(息子がいたのか?母親は誰か?)を知ることが人生の目的(幸せな老後)ではないことを教えてくれる。若い人には実感湧かない愛おしさが感じられ、見終わって和やかな気分になれる作品。