晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
マイペースで備忘録はまだまだ続きます。

『海を飛ぶ夢』 85点

2006-05-08 18:02:02 | (欧州・アジア他) 2000~09

海を飛ぶ夢

2004年/スペイン=フランス

尊厳死は永遠のテーマ

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shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 85

ストーリー ★★★★☆85点

キャスト ★★★★☆80点

演出 ★★★★☆85点

ビジュアル ★★★★☆85点

音楽 ★★★★☆80点

「アザーズ」のアレハンドロ・アメナーバルが母国スペインで監督し数々の賞を受賞した作品。実話を基にしたドラマでテーマが「尊厳死」というとかなり暗い話だが、主人公ラモン(ハビエル・バルデム)があまりにも毅然とした言動なので返って爽やかに感じてしまった。原因は彼の置かれた境遇(25歳で首以外が付随となり、兄の家族に世話になっている)で、これからやりたいことが何もないことが理解できること。近くに住むロサ(ロラ・ドゥエニャス)がTVドキュメントを見て「死ぬべきではない」と励ますが、それを冷静に受け止めて「自分の挫折感をすり替え、人生の意義を感じるためだ」と断言するエピソードで納得させられる。
弁護士のフリア(ベレン・ルエダ)を始め兄の家族達もラモンを心から愛しながら彼の望みを叶えて行くまでを静かに描いている。永遠のテーマである「尊厳死」を改めて考えさせる秀作。


『ロゼッタ』 80点

2006-05-08 15:23:46 | (欧州・アジア他)1980~99 

ロゼッタ

1999年/ベルギー=フランス

ダルエンヌ兄弟の確かな才能を見た

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shinakamさん

男性

総合★★★★☆ 80

ストーリー ★★★★☆80点

キャスト ★★★★☆80点

演出 ★★★★☆80点

ビジュアル ★★★★☆75点

音楽 ★★★★☆75点

リュックとピエールのダルエンヌ兄弟のパルムドール受賞作品として有名。主演女優賞を受賞したロゼッタ役のエミリー・デュケンヌが貧しくも前向きに逞しく生きる少女を演じている。ドキュメント風の映像も効果的。
トレーラーハウスに住みアル中の母親を持ちながら、ピュアな心を失わない主人公を温かく見つめている。同時に、若者の就職難を抱えたヨーロッパの深い悩みを訴えていて、2人の手腕に確かな才能を見た。