阪神淡路大震災を経験した方々から、聞いたお話は数多ありますが。
その中でも個人的に印象に残っているものの一つが「地震から暫く経って、武庫川を超えたら、皆が普通に日常生活を送っていることに愕然とした...」という趣旨のもの。
西宮市にとって幸いなことに、先日来の地震・豪雨に伴う被害は相対的に少なかったと言えるように感じています。
でも、これって被害が大きかった地域の方から見たら、阪神淡路の時の逆なんですよね。
つくづく、そういうことは認識しておかねば...と思っています。
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https://news.yahoo.co.jp/story/1015
で色々ありますが、私がやるべきは、しっかり職務に励むことだと思っています。
というわけで6月議会で行った代表質問のうち、補正予算が否決される、大きな要因となった都市型観光についての質疑内容をご紹介。
ちなみに本文中の「 」内は、市長による代表質問、もしくは市側の答弁からの引用です。
それでは早速始めます。
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【前説】
大きい3点目、『Ⅰ 行政の信頼性向上に向けた「市役所改革」』のうち、市長の政治信条についてです。
「市民の税金をお預かりし、支出するにあたっては、公共として果たすべき役割が何なのか、公の責任をしっかりと認識しながら、そこを見極める必要があります」「限られた資源を最大限に活かすため、民にできることは民に委ねる」と述べられました。
私共も、まさに同じ考えに立っています。
一方で、そうした視点から見ると、今回、補正予算に「酒蔵ツーリズム推進事業にかかる情報発信拠点の運営に要する経費」として598万円が計上されたことに強い違和感を持ちます。
そこで四点、質問します。
【質問①】
都市型観光事業として阪急西宮北口駅構内に設置されていた「魅力発見ブースにしのみ屋」で不明金が発生したこと、そのことを隠したまま当該店舗を閉店させたこと、また、その犯人が未だに明らかになっていないことについて、どのようにお考えでしょうか?
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【答弁①】
阪急西宮北口駅構内の観光案内所「魅力発信ブースにしのみ屋」は西宮観光協会の運営で、市の補助事業である情報発信と観光協会の自主事業である物販を行っておりましたが、空調等の環境が改善されなかったこと、また、市内大型商業施設における西宮産品の取り扱いが拡大していたことから、不明金の発生とは関係なく閉鎖に関する検討を進めておりました。
不明金については、昨年5月、平成28年度の決算資料を作成する際に、売上金のうち約34万円が行方不明となっていることが判明したもので、観光協会事務局の金銭管理体制が不十分であったことが発生の原因と考えており、協会に対し、チェック体制の強化や物販事業の縮小といった再発防止策の徹底を指導いたしました。
さらに今年度は体制刷新のため観光協会に新たな事務局長を迎え、組織管理、財務管理の強化および市から独立した適切な団体運営に向けた取り組みを進めております。
観光協会は市から独立した外部団体であり、意思決定機関である総会が昨年7月に開催された際、案内所の現状を報告の上、8月末で閉鎖することが了承され、また、不明金については、平成28年度決算で雑損失として計上することが議決されています。
以上のことから、案内所の閉鎖および不明金の処理に関して、団体として必要な報告および議決は行われており、物販事業は協会の自主事業であることから、議会へ報告する対象とは考えておりません。
不明金発生後、昨年6月28日に西宮警察署へ通報し、被害届を提出しましたが、現在のところ原因の特定には至らず、捜査が続いている状況です。
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【要望①】
阪急西宮北口駅構内の観光案内所「魅力発信ブースにしのみ屋」について縷々、ご説明いただきました。
要するに、閉店と不明金が発生したことは別問題。
閉店は観光協会内で決めたことであり、その手続きも適切なので問題ない。
犯人も見つかっていないが、それは市の知ったことではない、ということかと思います。
しかしながら「魅力発信ブースにしのみ屋」の賃貸借契約期間は2017年4月から2018年3月まで。
賃貸借契約を更新してから数カ月しかたっていない2017年7月、すなわち不明金の発生が明らかになった直後に開催された総会で8月末の閉店を決定し、約70万円もの違約金を払ってまで閉店するというのは、明らかに異常です。
答弁にあった通り、「空調等の環境が改善されなかったこと、また、市内大型商業施設における西宮産品の取り扱いが拡大していたことから、不明金の発生とは関係なく閉鎖に関する検討を進めて」いたのなら、1年間の契約を更新する必要などなかったはずです。
違約金を払ってまで突然、閉店したのは、臭いものにふたをしたいと考えたからではないか?と考えるのは私の下種の勘繰りなのでしょうか。
不明金の発生と、突然の店舗閉鎖には関係があると考えるのが普通ではないでしょうか。
【質問②】
同様に都市型観光事業として阪神甲子園駅に設置されていた観光案内所を費用対効果の観点から閉店したことについて、どのようにお考えでしょうか?
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【答弁②】
こうしえん観光案内所は、主要駅周辺で土日も開所していた情報発信拠点として一定の役割を果たしていましたが、場所が分かりにくかったことや周辺地域を回遊するしくみが確立できなかったことから、駅および球場周辺の道案内にとどまっていたという課題がありました。
結果として、案内所を起点にスポーツ施設などの紹介や甲子園球場周辺の商店などへの誘導と地域全体の活性化につながらず、費用対効果の観点から閉鎖いたしました。
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【要望②】
こうしえん観光案内所については「結果として、案内所を起点にスポーツ施設などの紹介や甲子園球場周辺の商店などへの誘導と地域全体の活性化につながらず、費用対効果の観点から閉鎖」したとのことでした。
しかしながら、そもそも市はそれができると考えたからこそ、この事業を始めたのではないでしょうか。
にも拘らず、この施設を閉鎖するに至ったことについて、何か感じるところはないのでしょうか。
一連の経緯から、私が何よりも問題だと感じるのは、こうした市の当事者意識のなさ、反省のなさです。
今回、阪神西宮駅戎口改札前に「情報発信拠点」を整備するについて、そ「の役割と補正予算を計上した経緯について」、縷々ご説明をいただきました。
知らない方が説明だけを聞けば、さぞかし意義のある立派な事業だと思うかもしれません。
しかしながら肝心なことは、市が行ってきた、こうした事業はことごとく失敗しているということです。
今回の事業が失敗しても、また市は「結果として」うまくいかなかった、と言うのでしょう。
そして恬として恥じることもなく、また同じような事業を始めるのでしょう。
それこそ真顔で「前回のは、場所は良かったけど日当たりが悪かった。今度はうまくいく!」とさえ言い出しかねません。
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というのが質疑の前半部分です。
まだまだ続くし、ここで一旦切るのも前後のつながりからはビミョーな所もあるのですが、長くなりすぎるので、一旦、ここまでで。
しかし、それにしても全編を貫く、この「私らには責任ないですから~♪」的な他人事感は、一体なんなんでしょうね。。。
私共は、魅力発見ブースにしのみ屋について、継続して、厳しい指摘を行ってきていますが、それに対する誠意ある回答は何一つなされていません。
それどころか非公式の場ではありますが、同じ会派の議員が「おいおい...」な対応も受けているように聞いています。
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【ご参照】
「ええ、店の売上金がなくなったことは事実です。でも、それと店を閉めたことは関係ありません!」←・・・そんなもん、誰が信じるかい!!!@2017年12月のブログ
また、そもそも市民アンケート等の結果からも、本市において都市型観光政策の重要度が著しく低いことは明らかです。
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【ご参照】
市長って議員時代、都市型観光政策に、ものすごく否定的だった気がするんですけど・・・というお話。@2016年3月のブログ
にも関わらず、こういう施策を深い考えもなく提出して来るという、当局の市政や感覚は、私には理解しかねるものです。
こういう姿勢と感覚でいるから、西宮市政史上初の「補正予算否決!」という事態に至ったということ、つくづく理解してもらいたいと思います。
そして、そうした姿勢が改まらない限り、また同じようなことが起きかねないということも。
(ぶっちゃけ今回の一連の経緯において、石井市長は被害者的な側面が強いと思っています。
都市型観光は以前から、市が熱心に進めてきた施策。
就任したばかりということもあり、市長が担当部局に任せていたら、こんな事態になってしまった...
そこにおける担当部局及び、さらにその上長の責任は、極めて重大です。)
というわけで、今日のブログはここまでで。
この続きについては、次回ご報告予定です。
それでは失礼いたします。