西宮市議会議員 しぶや祐介の活動日記

「子育てするなら西宮」「文教住宅都市・西宮」「住み続けたいまち西宮」の実現を目指す西宮市会議員のブログ。

社会インフラの重要性。②

2008-10-28 16:18:25 | 安心して暮らせる安全なまちを実現するため

なんやかんやで、かなり時間が制約される、今日この頃。
書きたい日記は、さっさと書いておかねばなりません。
という訳で、先日の続きです。

先日の日記では、要するに
 ○西宮市の財政状況は、市が言ってるみたいな◎な状態ではありませんよ。
 ○しかも今後においては、社会インフラの整備のために、巨額の資金が
   必要になってきますよ。
ということを書きました。
具体的な話については、↓こちら↓なぞ、ご覧いただければと思うのですが。
http://www1.ocn.ne.jp/~shigi/report/15b.pdf

肝心なのは、
「二年連続、過去最大級の黒字を計上!!」
とはしゃいでいる平成19年度の決算でさえ、黒字額は40億円未満だということです。
あくまで個人的観測ではありますが。
今後、社会インフラの維持・保全のために必要な費用は、年間40億円を
大幅に上回るものになる可能性が高いと思っています。
(そもそも、ここらへんが試算されていないということ自体が大問題では
 ありますが、そこらへんの話は置いておきます。)
じゃあ、不足している資金を、どうするんや?と。

単年度の収支から言いますと、↑上でリンクさせた市政報告↑に書いたとおり、
西宮市の財政は
『「家計に例えると、収入のほぼ全てが食費・水道光熱費等、
  生活に最低限必要な支出で消えてしま」う』
という危険な状態にあります。
当然、今のままの財政運営で、毎年の収入の範囲内でまかなうことは困難です。
だからといって、借金を重ねるべきではないのは言うまでもありません。
今でも、すでに西宮市の借金は、きわめて多額に上っているのですから。

更に深刻なのは、この「社会インフラの維持・保全のための支出の増大」
というのは、西宮市の財政を圧迫する要因のあくまで一つでしかない
ということです。
景気の悪化がこれだけ深刻化している以上、市の収入の根幹である
市税収入が減少するのは確実です。
一方で、こうした景気局面においては、過去の傾向からも、
生活保護費等の扶助費が大幅に増加するのは確実です。
他にも要因はありますが、どう考えても、今後四年間をバラマキ財政で
突き進むことが許されるような状況ではないはずなんです。

私は、二年連続で過去最大級の黒字を計上したことだけを根拠に、
「財政基盤は確立した」とする現在の市政は、きわめて無責任だと考えています。
今、必要なのは堅実な財政運営によって
西宮の財政状況を安定化させることです。
それは私たち自身にとって、あるいは私たちの大切な人、家族や友人、
多くの方々のために、絶対に必要なことだと信じています。

きたる西宮市長選挙において、これはとても大切な課題です。
だからこそ、多くの方にきちんと考えていただきたい、そう思っています。
一人でも多くの方に、この思いが伝わることを願いつつ。


市政報告活動・開始します。

2008-10-27 10:58:32 | 主張・広報と活動のお知らせ

9月議会報告のペーパーが完成しました。
内容は、↓こちら↓。
市政報告15号@表面
市政報告15号@裏面

毎度のことながら、日記に書いてきた内容と重複するところが多いです。
そこらへんこそが、私の問題意識の根幹部分だと受け取っていただければ、と。

現市長のマニフェストも公表されましたが、危惧していた通り、
「いや、これ、どんだけ金かかんの?
 ほんで、そこまで金かけるほどの価値があるもんなの?
 そのための財源、どうすんの?」
と思わずには、いられない内容がてんこ盛り。
しかし、ほんま、なんやこれ。。。

どっか、よそから出てきた、わけのわからん泡沫候補が出している公約なら
別に、どうでもいいんですよ。
勝手に言ってくれと。
でも、まがりなりにも八年間、市政を担い、手法はともかく、緊縮財政路線を
推し進めてきた現職の西宮市長が、ただ選挙に勝つために、
こんな超ばら撒き路線に出てきますかね。
これまでのこと、これからのことに対して、
いくらなんでも、無責任すぎませんか?

というわけで、ささやかながら、この姿勢に抗するため、
いつもの市政報告活動を行います。
日程は、↓こんな感じ↓です。

10/30(木) 阪急・門戸厄神@東改札前
10/31(金) 阪急・西宮北口@北東アクタ連絡通路
11/4(火)   阪神香枦園@改札前
11/5(水)   阪神西宮@エビスタ前
11/6(木)   阪急・甲東園@東側階段下
11/7(金)   阪急・西宮北口@北西三角公園

選挙前らしく、いろんな駅前で、立っている人たちがいるとのこと。
できるだけ、バッティングしないようにできるといいなあと思いつつ。

それでは駅前にて、お会いしましょう。


社会インフラの重要性。①

2008-10-22 16:02:34 | 安心して暮らせる安全なまちを実現するため

優勝を逃し、クライマックスシリーズでも敗北したショックからも、
ようやく立ち直りつつある、今日この頃。
しかし、未だに、なんで、あそこまであった差がひっくり返されたのか、
どうにもよく分かりません。
いや、今岡の不調だとか、新井の一時離脱だとか、クリーンアップの不振だとか
そら、いろいろあるとは思うんですよ。
でも、それにしても、そこまでかと。
ついつい、文句ばかり言ってしまいがちなのですが、こら、あきませんな。
いいも悪いも含めて愛する、こうゆう、素敵なファンに、なりたいものです。

で、最近は、主に、9月議会報告を中心とした、市政報告の作成にいそしんでいます。
概ね、内容にも目処がついてきたので、来週後半くらいから、
恒例の朝立ち・ポスティングも開始できることかと。
いつもの、この活動と合わせる形で八木氏の側面支援も行うつもりです。
たぶん、それが私にできる一番効率がよく、効果的な方法だと思うので。

で、この市政報告を作成している中で、やはり気になるのが財政話です。
決算を詳しく見れば見るほど、現在の市の財政認識に違和感を覚えずには
いられません。
繰り返しになりますが。
私が、現市長の側に立つことはできないという結論に至った、最大の理由の一つは、
この話に関する現市長の認識との、どうにも埋めがたいズレでした。

先日の日記でも書きましたが、今後の行政運営の中で、
社会インフラの適切な維持・管理の実施は、
きわめて重大な要素になってきます。
上下水道・道路・橋梁・学校施設等に代表される社会インフラは、
市民生活にとって、なくてはならないものです。
一方で、これらの施設・設備の多くは耐震性の問題をはじめとして、
安全面で多くの課題を抱えています。
また、こうした施設・設備には高度成長期に集中的に整備されたものも多く、
老朽化が進んでいる割合が非常に高いという問題があります。
こうした施設は、今後、一斉に更新時期を迎えることになりますが、
そのための費用が莫大なものになるのは確実です。

ややこしい話が多くなりますが、要は、
 ○今後の自治体運営において、社会インフラの整備がものすごく重要である。
 ○そして、そのためには巨額の費用が必要である。
という二点が、ものすごく重要だと私は考えている、ということです。

従来、行政は、こうした社会インフラの修繕・更新について
「なにか問題が起きたときに対応する」
という場当たり的な姿勢で臨んできました。
 ○右肩上がりで経済成長が続いているため、既存施設や設備の修繕などより、
   新しい施設や設備のほうが重要
 ○そもそも、整備されてから、それほど長い期間がたっていないため、
   大規模な修繕等は不要
という条件が揃っていた過去においては、
こうした対応は、むしろ、ある程度、合理的なものだったとも思うのです。
けれども、
 ○右肩上がりの経済成長を望むことは困難であり、
 ○老朽化が進んだ施設・設備の割合が高くなってきている
これからの時代は、そうではありません。
今後は、社会インフラの状態を適切に把握し、計画的な管理を行うことで、
効率的・効果的に施設を維持・保全することが必要になってきます。
こうした手法を実践することによって、施設・設備の修繕・更新等にかかる費用を
平準化することも可能になります。
(こうした手法を、行政用語で「アセットマネジメント」と呼びます。)
これらは、自治体財政の堅実な運営を考えるなら、非常に重要なことなのです。

この項、もう少し続けます。


西宮市長選挙について。

2008-10-17 19:49:11 | 市政全般に関連すること

ここしばらく、特に西宮市の財政状況に対する、行政当局(=市長)の認識についての
批判を中心とした日記を書いてきました。
議員という立場にある以上、
 〇政策提案を行うこと
 〇行政方に対して、意見を申し述べること
 〇自分が非であると信じることについては批判の声をあげること
は、私に与えられた責務だと思っています。
そして、そうした発言や活動を通じて、市政をより良い方向に変えていくことこそが、
何よりも重要な、私に与えられた、私が果たすべき責務だと信じています。

ほかにも、勿論、いろいろな要素はありますが、市政を運営していくうえで、
財政状態に対する認識の相違が、大きな論点であることは、言うまでもありません。
財政状態に対する一定程度、同意・共有された認識を前提に、
多くの政策は取捨選択されるべきであり、
実現されるべき政策だけが選ばれ、最も効果的な手法で実施されるべきだ、
と私は信じています。

それだけに、財政に対する認識が
「現在も非常に厳しい。今後は、益々厳しくなっていくのは確実。
 そのことを踏まえ、堅実な財政運営を行うことは、必須。
 とりわけ事業の取捨選択を行うことが重要。」
という立場にたつ私と、
「この4年間で財政の基礎固めは終わり、財政危機は完全に脱することができた。
 これからの4年間は、飛躍飛翔のときである。
 どんどん、新しい施策を行っていく。」
という認識をもち、その考えを各地で公言する現市長の立場とは、
おそらく、決して相容れることはないのでしょう。
である以上、私には、自分に与えられた最大の責務でもある
「市政をより良い方向に変えていく」という任務を実現するため、
新たな行動を起こす責任があるはずです。
そう信じています。

本日、私が所属する会派である「にしのみや未来」の議員のうち5名が集まり、
市長候補の一人である八木よねたろう議員が考える
重点政策の説明を受けました。
その内容については、いろいろと思うところがあり、意見を申し述べました。
そして、八木氏はその内容を受け入れることを、明確に約束しました。

私は、きたる西宮市長選挙において、八木候補を支援します。
 ○本市の財政状況は未だ、楽観できる状況にはなく、堅実な財政運営が
  求められていること。
 ○行政運営において、政策の取捨選択が強く求められていること。
こうした、私が、現在の市政運営において、ある意味、最も重要だと考える
前提条件を共有することができたと考えるからです。
そして、同時に八木氏は、私たちの良しと信じる政策を十分、
重んじることを約束しました。
これは、私が考える議員としての職務を、私自身が果たすための、
とても重要な約束だと考えています。

やる以上は、勝ってもらわなければなりません。
だからこそ非力ではありますが、私のできる限りの力で、
支援したいと思います。

「文教住宅都市・西宮」を名前負けしないものにするために。
「子育てするなら西宮」を看板倒れのものにすることがないようにするために。
「安心・安全のまち・西宮」を胸を張って名乗れるようにするために。

(市長選挙に関する私の姿勢・考え方につきましては、
 こちらで、まとめて、ご覧いただけます。)


水道だけから見てみても。

2008-10-10 18:46:09 | 安心して暮らせる安全なまちを実現するため

昨日、上大市など国道171号線周辺の広範な地域で濁水事故が発生しました。
時間にすれば4時間程度ではありますが、夕方6時30分頃から夜10時30分頃までと
ちょうど、晩御飯時・お風呂時でもあり、
結構な数の方々の生活に影響があったのではなかろうかと。

で、水道といいますと、思い出すのが
今年の8月に高須・鳴尾の方であった大規模な漏水事故
昨日のは単純なケアレスミスであるくさい一方で、高須・鳴尾の方の話は、ちょっと性質が
違う話なので、単純に並べるのはどうかとは思うのですが。

高須・鳴尾の方であった大規模な漏水事故の背景には、「水道管の老朽化」という
問題があります。
で、その水道なのですが、
 ○浄水場0%、ポンプ場6.7%、水道管11.7%、配水池15.6%という
  壊滅的とも言うべき耐震率の低さ
 ○浄水場・水道管の深刻な老朽化
に代表される多くの問題を抱えています。
こうした問題の解決のため、水道局は今後20年間で500億円以上もの資金が
必要になると試算しています。
それって、単純計算すると、毎年25億円ですよね。
そんなお金、一体、どうするつもりなんやと。

水道だけではありません。
少し前までであれば、道路であれ、学校であれ、整備することだけが目的になっていた
感覚が強かったものですが、今後は、むしろ、そうした施設の維持・管理・更新と
いったあたりこそが重要になってきます。
ここらへんは、目立つような仕事でもなければ、
箱物作るみたいに誰かの手柄になるような仕事でもありません。
でも間違いなく、普通の市民の生活にとって、とても重要なものですし、
絶対にやらなければならない仕事です。

上下水道に、道路や橋はもちろんのこと、学校・幼稚園・保育所、
公民館に市民館などなど、維持・管理・更新が必要な施設は
それこそ枚挙に暇がありません。
近い将来には、おそらく、確実に、ここらへんに必要な費用は
毎年、何十億円単位という莫大な金額に跳ね上がっていくことでしょう。
そのために必要な費用も含めて考えた上で、行政側は「財政の基盤は整った」と
いう姿勢に立っているのでしょうか。

私には、どうしても、同じ立場に立つことはできません。


西宮市長選挙・立候補予定者討論会・雑感。

2008-10-07 14:31:23 | 市政全般に関連すること

というわけで、11/9告示・11/16投開票の西宮市長選挙・立候補予定者の
討論会に行ってきました。

しかし、さすがに新聞記者さんはプロですな。
報道された新聞記事は一通り、読みましたが、各人が、
どんな内容のことを言っていても、なんとか記事にまとめてこられます。
これだけ見てると、全員が、しっかりとした意見を言ってたかのように見えてきます。
でも、実際は、なかなか・・・

「討論会」という名前ではありますが、内容的には
 〇事前に、出席者に通告されていた質問内容に対して、
 〇各人が、一問3分の割当時間内で答えていく
 〇候補者同士の討論はなし
 〇来場者との質疑応答もなし
というわけで、比較的、無難な受け答えとなったように感じます。
まあ、事前に質問内容が明かされているうえ、候補者間の討議等もなし、
という形である以上、そこらへんは、やむをえないところかとは思いますが。

肝心の中身ですが、細かいところは、この記事などに譲るとしまして。
個人的にインパクトが強かったのは、現市長の
「財政基盤は整備できた。
 ホップ・ステップで来ており、今後4年間はジャンプ、飛躍の期間だ。」
という趣旨の発言でしょうか。

財政が、震災後の危機的な状況を一定、脱しつつあるというのは事実ですが、
「財政基盤が確立できた」「ジャンプ・飛躍」といった言葉には、正直なところ、
どうにも違和感を拭えません。
そんな楽観的な状況とは、到底、思えんのですが。。。
ちなみに司会者側からの質問は、
「未だに予断を許さない財政状況について問う!」
というもの。
現市長以外の、他の候補者も、全員、質問の前提となっている
「未だに予断を許さない財政状況にある」
という現状認識を踏まえて答えており、現市長の答えだけが、
かなり異彩を放っているような気が。。。

ほんとは、いろいろと各候補者について、書きたいこともあるのですが、
妙な憶測をうんだりするのもどうかと思うので、
「ここについては、どうにも同意しかねる」
と思ったことだけを書くことにしました。
この続きという形にはなりませんが、たぶん、市長選挙に関連して、
改めて、いろいろと書く機会がでてくることかと思います。
中途半端な日記で申し訳ありませんが、今日のところは、ご容赦ください。
それでは、また。


公開討論会に行ってきます。

2008-10-03 16:39:22 | 市政全般に関連すること

昨日の日記で、
「各候補のマニフェストなんかも出てきていない今の状況では、
 個々の方の政策についても、なんとも言及しようがありませんし、
 当然、誰がいいとか悪いとかも、言えません」
と書いていたら、市長選立候補予定者による公開討論会が行われるとのこと。
↓以下、毎日新聞からの引用です。↓

◇5日に公開討論会 「主張聞き判断材料に」--青年会議所
 
6人が争うことになった同市長選で、5日午後3時から、
立候補予定者による公開討論会が開かれることになった。
西宮青年会議所が主催し、同市松原町の西宮勤労会館で開かれる。
同会議所の高山敬理事長(38)は
「市政の課題や政策について予定者の主張を聞き比べ、
判断材料にしてもらいたい」と述べた。
立候補予定者6人全員が参加する見込みという。

無料、定員400人。事前申し込みの必要はない。

同会議所(0798・33・1615)。

大いに興味ありなので、行って、聞いてこようと思います。
地域のお祭と日程が重なるので、ちと、ツライところがあるのですが
ま、そんなこと言ってる場合ではないですわな。
市政全体のことを考えるなら、そら、こっちの方が重要ですわ。

なんやかんやとありまして、全部が全部、思ったことを書けるかどうか、
ビミョーなところもありますが。
書ける範囲での感想は、また後日、しっかり書くつもりです。
それでは失礼。


平成19年度決算のご報告など。

2008-10-02 18:09:21 | 市民に信頼される公正で効率的な行政と議会

西宮市長選挙を巡った動きが、かなり激しくなってきました
しかし、↑この記事なんかを見ていますと、なんというか、いかにも、
『いわゆる「政治」』という感じですな。

各候補のマニフェストなんかも出てきていない今の状況では、
個々の方の政策についても、なんとも言及しようがありませんし、
当然、誰がいいとか悪いとかも、言えませんが。
これだけ駒が出揃う以上、今後の西宮市が目指す方向性や、具体的な政策論
などについて、活発な議論が戦わされることになるはずです。
てゆうか、四年に一度の大切な機会なのですから、
そうなってもらわんといかんのです。
で、こういう私も、当然、単なる一野次馬ではありえません。
西宮市会議員である、しぶや祐介として、そこらへんをしっかり見極めたうえで
自分自身の姿勢を決めたいと思っています。

さて、一昨日をもちまして、9月議会が終了しました。
 ○9月議会で、前年度決算が報告され、内容についての審議を行う。
      ↓
 ○3月議会に、9月議会での審議内容を反映した翌年度予算案が提出され、
   その内容についての審査を行う。
というのが、議会にとっての決算・予算の流れです。
行政の動きの多くは、予算によって決定されたり、制約されたりします。
というわけで、この9月議会と、予算案を審査する3月議会は、
他の定例議会に比べても、決定的に重要度が高いものだと考えています。
(とは言え、どこまでいっても、何がどのくらい反映されるかというのは、
 行政方の姿勢による部分が大きいというのが現実であり。
 本当に「審議内容が反映されているか?」という点については、
 少なくとも、私個人の感覚で、昨年度の決算審査の内容と予算の整合性を
 見ると、なんともビミョーやな~、という感想をもたざるを得ません。
 まあ、私の力不足に起因する部分も大きいのでしょうが。
 色々と、難しい。。。)

で、この発表された決算はと言いますと、↓こんな感じ↓です。
 〇一般会計決算  約35億9907万円の黒字
 〇市全体の決算額  約38億2286万円の黒字
国民健康保険事業・介護保険事業等に代表される特別会計を除いた、
一般会計の決算・約35億9907万円の黒字は、過去最高の黒字額。
特別会計を含めた市全体の決算も、過去最高を記録した昨年度の
約41億9480万円には及びませんが、過去最大級の大幅な黒字です。
少なくとも、上にあげたような数字を二年連続してあげているという現状だけを
見るならば、西宮市は、一時の危機的な財政状況からは、脱することが
できたといえるのかもしれません。
実際、西宮市の財政状況を表す各種指標からも、
財政状況が徐々に好転しているのは明らかです。
しかしながら、では、西宮市の財政状況は、完全に楽観できる状況に
なったかといいますと、まだまだ、そうとは言えないと思っています。

例えば、経常収支比率は96.9%と昨年度から1.3%悪化しています。
この経常収支比率は、財政の弾力性を判断するための指標です。
数値が高いほど、財政の硬直化が進んでいるとされ、
標準値は70~80%といわれています。
この「標準値70~80%」という数字と比べるなら、西宮市の96.9%という数字が、
著しく高いものであることは明らかです。
ちなみに、この「経常収支比率96.9%」という現状は、要は、
「西宮市の経常的な収入のうち96.9%は、人件費・生活保護に代表される扶助費・
 借金の返済と利子の支払いである公債費等の義務的経費を支払えば
 消えてしまう。
 そのあとに残る自由に使える費用は、わずか3.1%だけである。」
ということです。
(↑分かりやすさを優先するため、細かい点については端折ってます。
  なので、厳密な検証に耐える理屈ではない部分もありますが、その点は、
  ご容赦いただけると、ありがたく。)
これ、とても健全な財政状態と呼べるようなものではありません。

また、今後も
 〇国による地方財政制度の見直し
 〇景気の動向による歳入の減少
 〇人口の増加や高齢化の進行による歳出の増加
 〇団塊の世代の退職による退職手当支給の増加
 〇学校施設・水道・道路等に代表される社会インフラの老朽化への対応
等、市財政に多大な影響を与えることが懸念される材料が多数存在します。

繰り返しになりますが。
総じて、西宮市の財政状況は財政再建団体への転落(=倒産)さえ、
懸念された最悪期からは脱しつつあるものの、
まだまだ、十分安心できるような状況とはいえません。
今後の市政運営に求められるのは、市の進むべき方向性を明確に示すとともに
重点課題を明示し、課題解決のための効果的・効率的な施策を考え・実施していくこと
だと思うのです。

必要性や効果のほどが疑われる、前時代的な総花的な取り組みを行うのではなく、
行政がなすべき本来の役割と、今、本当に取り組まなければならない課題を
真剣に考え、そうした課題に対して、「選択と集中」の姿勢を明確にして、
対峙していくこと。
それこそが市政のなすべきことであり、
市政のトップが取り組まねばならないことだと思うのです。