西宮市議会議員 しぶや祐介の活動日記

「子育てするなら西宮」「文教住宅都市・西宮」「住み続けたいまち西宮」の実現を目指す西宮市会議員のブログ。

丹波少年自然の家問題、決着。ただ、なんだか悶々とするんですよね...

2023-08-30 18:36:41 | 市民に信頼される公正で効率的な行政と議会

留まるところを知らない、西宮市がらみの不祥事...
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西宮市立の小中6校、卒業生1522人の情報紛失 一部から4年前報告も放置 市教委「外部流出の可能性低い」@2023/8/28付・神戸新聞WEBニュース

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「児童・生徒の名前、性別、生年月日、入学と卒業の年月日の他、保護者の名前などが記載され、校長が作成し20年間保存することが定められてい」る資料を、複数の学校で大量に紛失していたという事実は、なんとも衝撃的。
でも、ある意味、それ以上に衝撃的だったのが
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●市教委は19年夏に浜脇小から「所在不明」と相談を受け、改めて捜すよう指示したが、その後の確認を怠り公表もしていなかった
●各校では毎年夏休み中に保存文書が適切に管理されているか点検し、市教委に報告することになっている
→が、浜脇小のケース以外は「適切に管理されている」と報告され、紛失が見過ごされていた
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というあたり。
なんとも言葉を失います...

と、もはや、これだけで終わりにしたいところでさえありますが、気を取り直して、本日開催された総務常任委員会のご報告。
お題は「丹波少年自然の家事務組合の解散について」です。

この件、過去にも、数多くブログで取り上げてきました。
簡単にまとめるには、かなり難しい話ですが、あえてザックリまとめますと
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●昭和53年に阪神6市1町と丹波10町(現在は阪神7市1町+丹波市+丹波篠山市)で建設費や土地を負担し、事務組合を設立して設立された「丹波少年自然の家」という施設がある
→利用する人数に比べて費用負担が重い等の理由から、尼崎市が、関連する自治体で構成される「一部事務組合」から脱退する意向を示した
→西宮市が調整役となり、各市の副市長級で複数回協議したものの、事態に進展はなかった
→その後、紆余曲折を経て令和4年2月、丹波少年自然の家を運営する事務組合を解散することで関係者が合意した
→ただし、残された建物の処分や、事務組合で働いている職員の処遇をどうするかが課題として残っていた
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という感じですかね。
より詳しい経緯等に興味おありの方は、以下のブログとそこからのリンクなどご参照頂ければ。
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【ご参照】
コロナ禍に伴う、給食の廃棄ロス低減のための取組開始!&丹波少年自然の家の廃止(?)が決定しました!!@2022年2月のブログ

今日の委員会は「残された課題2つについて関係10市町で合意→今年度末で組合を解散するための手続きを進めていく!」ことを報告するためのものでした。
なお、具体的な解決策の内容は、これまたザックリまとめると
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●建物自体は解体せず、改修して今後も使用する
→所有権は丹波市が持つ
→改修費用を各市が「人口割90%+均等割10%」で負担
●事務組合に所属していた職員は、本人の意向を重視し、構成各市で受入(西宮市は8名中1名受入)
→退職金の一部を、各市が同じく「人口割90%+均等割10%」で負担
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というものです。

敢えて俯瞰するなら、妥当な内容なのだろうと思います。
また関係する自治体の多さを考えると、ある程度、譲るべきは譲らないとまとまらない...というところもあるのでしょう。
ただ、もともと本市が強く不満に思っていたのは「利用人数に比べて、費用負担が大きい!」というところ。
そして、その原因は算出根拠における人口割部分が大きすぎるというところにあります。
そういう観点からは「あらゆる費用負担は、利用人数割であるべき!」というのが西宮市の取るべき立場だったはず。
そういう意味で、今回の「人口割90%+均等割10%で負担」という合意内容は到底、満足できるものではありません。
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【ご参照】
大切なのは、市内の子供たちの自然学校の場を確保すること。 ~現在の、丹波少年自然の家のあり方を前提とした議論を進めることには反対です!@2020年8月のブログ

費用負担の計算式の大部分が人口割になったことで、利用人数割にした場合と比べて、西宮市は遙かに大きい金額を負担しなければならないことになりました。
逆に言うと、他の自治体の多くは、相対的に費用負担割合が少なくてすみました。
その上、丹波・丹波篠山・三田を除く各市町では退職職員を雇用することもない中、西宮市だけが1名雇うことになりました。
だったら、もっと費用負担を少なくするための主張は強硬にして然るべきだったと思うんですよね。
まあ、わざわざ市長がとりまとめ役を買って出たくらいですから、そんな主張をするつもりもないのでしょうが。
こういうところ、つくづく交渉ベタというか、なんというか...
 ↓
【ご参照】
調整役になったら「まとまらないなら、うちもやめます!」とか言いにくくなるでしょ?その感覚がどうにも分からん...@丹波少年自然の家@2020年9月のブログ

とは言え、この事案が解決に至ること自体は一定評価できると考えています。
なお以前も書いていますが、この施設がなくても、西宮市立学校で行われている自然学習的なものは問題なく今後も開催できる旨、教育委員会も確言しています。
その点、ご安心ください。
それでは今日のブログは、このへんで失礼します。


このままでは数年以内に予算が組めなくなるかもしれません。西宮市の財政状況が、徐々に危険水域に入りつつあります...

2023-08-27 14:13:01 | 市政全般に関連すること

常々、西宮市の財政状況について警鐘を鳴らしてきている私。
でも、なかなか西宮市の財政が厳しいという事実についてはご理解頂きにくいんですよね。
そりゃ、このご時世に
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●100億円以上かけて第2庁舎を建てる
●JR西宮駅前の再開発を進める
●阪急武庫川新駅の開設に取り組むと宣言する
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てなことをやってるんですもの。
市民感覚としては「西宮市って、お金あるんやな...」と思うのが当然だと思います。

そんな中、金曜日の神戸新聞に、以下のような記事が載りました。
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◆西宮市 単年度で48億円赤字

一般会計は財政基金から21億円を繰り入れ、なんとか4億円の黒字を確保。だが実質的には大幅な収支不足に陥り、単年度収支は47億9100万円の赤字となった。単年度収支の赤字は3年ぶり。
歳入は市税収入が前年度比45億9100万円増の911億7千万円と過去最高だった一方、新型コロナウイルス対策で膨らんでいた国からの交付金や臨時財政対策債が同51億4700万円の減少。歳出でも光熱費や社会保障費が膨張し、必要となる一般財源が同64億3800万円増えた。
財政の弾力性を示す「経常収支比率」は96.6%で、同2.9ポイント悪化した。
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その具体的な内容はこちら。
 ↓


役所の収支って、甚だ分かりにくいんですよね。
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●記事中にある通り、基金(=過去に積み立てた貯金)を取り崩して得た資金も収入として計算される
●市債を発行して得た借金も収入として計算される
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等、様々な要素があり、必ずしも「黒字だから、良い決算!」とも言えません。
実際、昨年度・一昨年度の決算は両年とも「過去最高の黒字」という触れ込みでしたが、特殊要因があってのものであり、その内容は今後を楽観できるようなものではありませんでした。
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【市政報告71号@2022年10月発行】

【市政報告67号@2021年10月発行】


とは言うものの、やはり黒字と赤字では大違い。
基金を21億円も取り崩した上で、単年度収支が大幅な赤字となったという事実はきわめて重大です。
実際、市が示した「令和4年度決算のポイント」にも「赤字基調である財務体質の改善が必要」と明記されており、非常に厳しい状況に陥りつつあることは明らかです。
財政部局からは「このままでは数年以内に予算が組めなくなる恐れもある...」という声さえ聞こえてきますし、このままの状況が続くなら、その恐れは十分あると私も思います。

そして、この背景にある重大な問題の一つが、本市の人件費が、類似都市に比べて圧倒的に高いということです。
類似都市における、市民一人当たりの人件費負担額は62,943円。
対して、本市では、市民一人当たりの人件費負担額は77,428円と20%以上高いのですから。
再三、指摘しているところですが、こここそが改めるべき点だと思っています。
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こうした状況についてもお伝えすると共に、状況を改善していくための取組を続けていかなければなりません。
引き続き、強い危機感を持って、指摘・提言など、行ってまいります。
それでは今日のブログは、これにて失礼いたします。


実務はすべて民間委託されていて、市職員が行うのは指導監督だけ。なのに特殊勤務手当を支給するとかおかしいでしょ!?

2023-08-24 13:04:35 | 市民に信頼される公正で効率的な行政と議会

気になっていた日本史サイエンスを図書館でゲット♪
 ↓

本能寺の変で信長公が倒れた後、常識的には考えられないスピードで秀吉が中国地方から関西圏に帰還→明智光秀を倒して天下統一を実現する礎を築いた、いわゆる中国大返し。
これについて船と海路の利用なしには実現不可能では???というのを具体的数値を伴って解説しているあたり、とても興味深い。
元寇についての考察にも「そんなん考えたこともなかったな…」という内容が含まれていて、かなり面白いぞ。
こりゃ続編も読まなければ!

てな話はさておき本題の特殊勤務手当にかかる質疑の最終回。
今回は、これまでの内容を踏まえての意見要望ですよ。
それでは、どうぞ!

◇◇◇◇◇◇◇◇◇
本市清掃職員の7割を占める正規職員の特殊勤務手当を含めた一人当たり平均年間給与は759万7千円。
これに対して、国が示す賃金構造基本統計調査によると民間同職種の平均年収は372万円です。
両者のバランスは均衡を大きく欠いており、「地方公務員法に規定する均衡の原則」に照らして、問題があることは明らかです。
だからこそ質問で取り上げた通り、各自治体においても、ごみ処理に関わる業務に従事することへの手当について廃止や金額の削減、支給対象の縮小といった見直しが進められているのでしょう。
答弁にあったように「じんかい収集業務など危険や不快等、他の業務に比べ著しく特殊勤務の要素が高い業務に従事する者に対しては、他の職との均衡上、別途給与上の措置を講じる必要があるとして」も、民間事業者に比べて基本給部分だけでも圧倒的に高い中、更に手当を支給することには説明がつきません。
これはじんかい処理作業従事手当だけでなく、表中で民間同種事業者との給与均衡の原則という観点から問題ありとして整理した葬儀作業従事手当、し尿処理作業従事手当についても同じことが言えます。

また手当の支給対象や、内容という点からも様々な問題があります。
一例として、資料⑤のじんかい処理作業従事手当の2つ下、し尿処理作業従事手当について令和3年度の包括外部監査で、厳しい指摘がなされていますので、読み上げます。
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現在、市のし尿処理業務はすべて民間へ委託されており、市の職員の主な業務は委託業者の指導監督のみである。
しかしながら、委託業者から提出される日報等の確認等、委託業者の指導監督業務を行った場合にはその都度特殊勤務手当が支給されている。

委託業者の指導監督業務は通常業務の範囲内であり、また著しく困難、危険、不快又は不健康な勤務その他の通常にない業務とは考えられない。

加えて他の事業で委託事業がある場合に、委託業者の指導・管理業務に対して特殊勤務手当が支給されることはない。

市は上記を踏まえて、委託業者の指導監督業務に対して『し尿処理作業従事手当』を支給することが適切か否かを検討し、適切ではないと判断された場合には必要な対応を実施すべきである。
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以上が、包括外部監査で指摘されている内容です。
私も、この内容に強く同意しますし、このような手当が必要とは到底思えません。
そして他の手当についても、質問で取り上げた内容はもちろん、少なからず、同様の問題を抱えていると考えています。

市は何かというと、財政が厳しい、お金がないということを言います。
今議会での一般質問でも財政的制約に触れられる場面が複数ありました。
私は、こうした現状を打開するためにも、あらゆる分野において不断の費用削減に向けた取組を進めていくべきだと考えています。

質問した全ての内容に対して「手当の見直しの必要性について更なる検討を行う」趣旨の答弁が示されました。
率直に言って、「見直しの必要性について検討する必要がある」という意味が分かりません。
「必要性」というならあるに決まっているし、むしろ見直すべきだとしか思えません。
本来なら再質問したいところですが、当局との協議内容を踏まえ、再質問は控えます。
答弁にあったように、まずは見直しの必要性についての検討を早急に進めて頂きたい。
そして見直しの必要性があるのは当然ですから、早期に積極的かつ抜本的な見直しを進めて頂きたい。
強く要望すると共に、今後の展開を厳しい視線で監視していくことを約束します。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇

言いたいことは全部、上の赤字部分に集約されています。
本日、公表された昨年度決算の内容からも、本市財政の極めて厳しい状況は明らか。
改めて、こうした取組をこそ進めていくべきだと確信しています。
引き続き、厳しい姿勢で、こうした問題に取り組んでまいります。
それでは今日のブログは、これにて失礼いたします。


「見直しの必要性について検討」ってなんじゃらほい?特殊勤務手当についての質疑の具体的な内容をご報告します!

2023-08-21 14:44:56 | 市民に信頼される公正で効率的な行政と議会

またもや市職員が逮捕されたとのこと...
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運転免許が失効したのに乗用車運転 容疑で西宮市立幼稚園の教頭逮捕@昨日付・神戸新聞WEBニュース

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「自称」と書いてあるし、なかなか報告もないしなので「できれば、ホンマに自称であってほしい...」と思っていましたが、やはり、本当に市立幼稚園の教頭だったとのこと。
正直なところ、どうすれば、このような状況を脱することができるのか、途方に暮れる部分があります...

と嘆いていても仕方がないですよね。
というわけで、1回飛ばしてしまった一般質問のご報告の続きです。
今回は、具体的な質疑の内容についてご報告します。
それでは、どうぞ!

◇◇◇◇◇◇
【質問①】
会計検査院からも「検討を要する」と指摘された夜間特別勤務手当と年末年始特別勤務手当を見直すべきと考えるが、市の見解はどうか?
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【答弁①】
~特殊勤務手当についての説明なので略~
夜間特別勤務手当については、午後10時から翌日午前6時45分までの間に正規の勤務時間として勤務に従事した場合に支給する手当であり、正規の勤務時間内での勤務であるため、平成26年度の会計検査院の報告において給料との重複支給の指摘を受けたものと考えます。
しかしながら、身体的、精神的負担の大きい深夜の勤務であることに着目して当該手当を支給しており、国家公務員においても深夜勤務に伴う負担を考慮して同様の手当が支給されております。
また、年末年始特別勤務手当は、12月29日から1月3日までの間において勤務した場合に支給する手当であり、これらの期間に勤務した場合には「休日給」が支給されているため、会計検査院からは「重複支給の観点から検討を要する」との指摘を受けたものと考えております。
しかしながら、他の休日と異なり、年末年始という社会一般的に広く休日として取り扱われている期間において勤務に従事することに対する特殊性に着目して当該手当を支給しております。
これらの手当については、引き続き、地方公務員法に規定する均衡の原則等を踏まえ、見直しの必要性について更なる検討を行う必要があると考えております。

【質問②】
じんかい処理作業従事手当、葬儀業務従事手当、社会福祉法に定める指導監督及び現場業務従事手当、下水道清掃作業従事手当、機関業務手当、し尿処理作業従事手当についても廃止もしくは金額・支給条件の見直しを進めるべきと考えるが、市の見解はどうか?
 ↓
【答弁②】
本市では、限られた給料表にさまざまな職種、業務が混在しているため、じんかい収集業務など危険や不快等、他の業務に比べ著しく特殊勤務の要素が高い業務に従事する者に対しては、他の職との均衡上、別途給与上の措置を講じる必要があるとして、手当を支給しております。
他方、議員ご指摘の、手当の対象となる業務の範囲や同種の民間事業者との給与水準の比較については、特殊勤務手当の主旨や地方公務員法に規定する均衡の原則等の観点から、手当の支給にあたり考慮すべき事項であると認識しております。
市では、令和5年度より行政職給料表や技能労務職等の給料表を見直し、一定の水準是正を図ったところであり、今後その効果を見極めるとともに、引き続き、他都市の状況を注視しつつ、手当の見直しの必要性について更なる検討を行う必要があると考えております。

【質問③】
税務事務従事手当については他の部署で同種業務を行っていても手当は支給されていない。
職員間の公平性も考慮し、抜本的に見直すべきと考えるがどうか?
 ↓
【答弁③】
国においては、税務に従事する職員については、行政職とは別立ての俸給表で措置しており、その水準は、行政職よりも一定の配慮がなされております。
他方、本市では、国と異なり税務に従事する職員は他の行政職と同じ給料表で措置しているため、国の取扱いを勘案して、業務遂行に当たっての困難性を踏まえ、税務に従事する職員に対して手当を支給しております。
しかしながら、議員ご指摘の職員間の公平性等の観点も手当の支給に当たっての重要な要素であることから、引き続き、他の業務内容とのバランスや他都市の状況なども踏まえ、見直しの必要性について更なる検討を行う必要があると考えております。

【質問④】
今回指摘したものも含め、特殊勤務手当全般について、支給条件・金額を抜本的に見直すべきと考えるが、市の見解はどうか?
 ↓
【答弁④】
本市ではこれまでも、社会情勢の変化や他都市との均衡等を踏まえ、給与の適正化に取り組んでまいりました。
今後も、給与制度については、総額人件費の抑制の観点等から、関係職員団体と協議を行い進めていくべきと考えております。
このような中で、議員ご指摘の特殊勤務手当全般の見直しについても、市として認識しており、更なる検討が必要であると考えております。
地方公務員法に規定する均衡の原則等を踏まえ、引き続き、国や近隣他都市の動向を注視しつつ、社会情勢の変化など、業務を取り巻くさまざまな環境の変化を踏まえ、その見直しの必要性について検討してまいります。
◇◇◇◇◇◇

「見直しの必要性について検討」ってのは、なんなんやろうな...と思いつつ。
これらのやりとりを踏まえて、最後にまとめて意見要望を述べていますが、ちょっと長くなりすぎるので次回に続きを掲載します。
それでは今日のブログは、これにて失礼いたします。


民間の知識やノウハウを活用したコスト削減が進められます。その過程には、色々と疑問もあるわけですが...

2023-08-17 11:19:49 | 市民に信頼される公正で効率的な行政と議会

一般質問のご報告の続きは一旦パス。
ご報告のタイミングを逃してしまっていた話で、アップしておきたい内容があるもので。

先週開催の政策調整会議について、市HPにアップされていました。
その中で、市長から「本市は恒常的な赤字体質となってしまっている。この状況を打破するため、本年度は特に『行政経営改革』を進め、『支出を減らす』『業務にかかる人出を減らす』ということを推し進めていきたい」との発言があったとのこと。
 ↓
令和5年8月7日庁議「政策調整会議」@西宮市HP


そうした取組の一環と思われますが、6月議会で「内部経費適正化によるコスト削減支援業務」についての補正予算案が提出されました。
これ、
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●対象は、市が支出する委託料(施設管理、清掃、警備など)、使用料及び情報システムの賃借料、消耗品費など
→外部事業者に対して契約内容の分析、コスト削減等の企画立案、コスト削減に向けた具体的活動支援等を委託
→年間削減効果額の半分(!)を成果報酬として外部事業者に支払う
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というものです。
ちなみに事業者へのヒアリングの結果、
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●本市の削減見込額は約8億円
→委託料は初年度分の固定費3千万円+成果報酬支払額(=50%)の上限4億円
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となったそうで、事業者への最大支払額は計4億3千万円のこと。
非常に規模の大きい事業ですね。

この内容が正式に議会に報告され、議論されたのは6/29のこと。
ところが、市は議会への説明の遙か前から、具体的な取組を進めていました。
う~ん、この進め方には、かなりの違和感がありますね...
 ↓


また、これだけ多額の予算を必要とする話は通常、議会で複数回の所管事務報告等を行い、じゅうぶん議会側の意見も把握した上で、年度当初の予算で計上されるもの。
当初予算が走り出したばかりの6月議会における補正予算で、これだけ多額の費用を必要とする完全新規の事業が上がってくるというのも極めて異例なんですよね。
そんなこともあって、議会や一部のマスコミ関係者からは「思いつき的要素が強すぎるのでは?」「手続き面で大きな問題がある!」「怪しい背景があるのでは?」等、様々な声が上がっていました。
正直、私自身も、そうした感覚については理解できると思っています。

一方で、私は、民間の持つノウハウや知見を活用して積極的にコスト削減に取り組むよう、市に求めてきました。
そうした立場からは、このような取組自体に異を唱える立場にありません。
とは言うものの、この話については
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●成果額をどのように算定するのか?
→同様の指摘や提案が議会や監査から上がってきていて、それが実施されていなかった場合などはどうなるのか?
●見直し内容や、それによって得られた効果は議会に対して開示されるのか?
→その内容こそが、事業者にとって、きわめて重要なノウハウであるはずだが...
●後になって、見直し内容に無理があったことが明らかになった場合、それに対する補償は?
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等々、整理されきっていない、整理すべき話があると強く感じたのも事実。
また施設管理・清掃・警備などの委託業務が仮にそこまで割高だとするなら、
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●そもそも、市が委託金額を算出する根拠となる積算能力が低すぎるのでは???
●業者を選定する際の競争性が低すぎるのでは???
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等の根本的な疑問が出てきます。
一方で「情報システムの賃借料」については専門的な知識がなければメスを入れにくい分野。
ここについては過去に「市が保有しているホスト・サーバーの能力は著しく過大で、ほとんど使用されていない!」という酷い話もあったことから、是非ともやるべきと思うんですけどね。
 ↓
【ご参照×市政報告44号@2016年2月発行】


上述の通り、今回の話はあくまで委託業務のみが対象であり、市が直営で行う事業は対象外となっています。
そういう意味で、今回の見直しによって成果を得ることができるなら、獲得したノウハウをしっかりと活用し、今後は直営事業についてグリグリと見直しを進めるべきと考えています。
事業者もボストン・コンサルティング・グループ合同会社に決定したとのことですし、今後の展開、しっかり監視していきたいと思います。
 ↓
【選定結果】西宮市内部経費適正化によるコスト削減支援業務 公募型プロポーザルの実施について@西宮市HP

と、ややとりとめのない話になってしまい、すみません。
それでは今日のブログは、このへんで失礼いたします。


「著しく危険・不快・不健康または困難な勤務等」に従事する職員に支給するとされている特殊勤務手当。この見直しを進めるべきです!

2023-08-14 13:41:31 | 市民に信頼される公正で効率的な行政と議会

完全に台風直撃モードですね。
くれぐれも皆様、事前に可能な対策を講じて頂くと共に、今後の台風情報にお気をつけ、備えて頂ければと思います。
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さて本題、一般質問のご報告の続きですよ。
今日から暫くは、西宮市職員の手当に関する話が中心になろうかと思います。
それでは、どうぞ。

◇◇◇◇◇◇

大項目5、特殊勤務手当の見直しについてです。
特殊勤務手当とは「著しく危険・不快・不健康または困難な勤務等」に従事する職員に対して、基本給に上乗せして支給される手当です。
この手当について私は2005年6月議会で具体的な問題点を複数指摘。
その後、2006年3月議会で大幅な見直しがなされました。
この見直しによって、状況が大きく改善された一方で、未だ複数の問題点が残っていると感じています。
そこで今回は残されている課題について、取り上げます。
 ↓
【ご参照】
特殊勤務手当が見直されました!@2006年4月のブログ

資料⑤をご覧ください。
 ↓


まず夜間特別勤務手当と年末年始特別勤務手当についてです。
両手当については平成23年度に国の組織である会計検査院から「他の手当又は給料で措置される勤務内容に対して重複」しているとして「検討を要する」と指摘されています。

次にじんかい処理作業従事手当です。
これはごみの収集・搬送等に従事する職員に支給される手当ですが、対象職員数141人に対して、年間の支給対象回数が28582.5回。
単純に計算すると、職員一人当たり年間約200回支給されていることになります。
これだと、ほぼ日常業務そのものということになりますし、支給金額27,125,215円を一人当たりに均すと年間約20万円に上ります。
なお清掃職員の約7割を占める正規職員の特殊勤務手当を含めた一人当たり年間給与は759万7千円。
国が示す賃金構造基本統計調査によると民間同職種の平均年収は372万円であり、その差は歴然としていることから手当の妥当性について強い疑問が持たれるところです。
こうした状況は他自治体でも同じであり、該当する手当の見直しは各自治体で進められています。
例えば神戸市と新潟市は2006年度、日額千円前後だった当該手当を廃止。
横浜市のように支給しているが日額100円という事例もあります。
また京都市は2017年度に支給対象を直接ごみに触れる収集作業員のみとし、運転手は外すという見直しを実施しました。
本市においても同様に見直しを実施するべきです。

加えて、同様に、葬儀業務従事手当、し尿処理作業従事手当にも「給料で措置される勤務内容に対して重複」していることに加え、民間同種事業者との給与均衡の原則という観点から問題があり、見直すべきです。

また社会福祉法に定める指導監督及び現場業務従事手当、下水道清掃作業従事手当、機関業務手当についても「給料で措置される勤務内容に対して重複」しているという問題があります。
更に税務事務従事手当については「給料で措置される勤務内容に対して重複」していることに加え、国民健康保険・市営住宅等で同様の業務が存在しているが、それら業務に従事しても手当は支給されないことから、職員間の公平性という観点でも問題があります。
それでは以上の内容を踏まえて、4点質問します。

◇◇◇◇◇◇

具体的な質疑の内容については次回以降でご報告します。
繰り返しになりますが、くれぐれも皆様、ご注意と備えをよろしくお願いします。
それでは本日のブログは、これにて失礼いたします。


他所では逮捕者もでたコロナワクチン接種をめぐる過大請求事件。なぜ西宮市の委託業者は逮捕されないかというと…

2023-08-10 13:53:41 | 市民に信頼される公正で効率的な行政と議会

ワクチン接種業務をめぐり、自治体へ過大請求していた事件で、近畿日本ツーリスト社の社長が辞任することになったとのこと。
当該事件については、事件を主導したとされる元支店長らが既に逮捕されており、極めて悪質な事案と言えると思っています。
 ↓
【速報】近畿日本ツーリスト社長が引責辞任 過大請求「組織内にコンプラ軽視の姿勢」@昨日付・MRSニュース


なお既報の通り、西宮市においても同様の事案が発覚しています。
 ↓
【ご参照】
委託していた新型ワクチン接種コールセンターでの不正が発覚した件&いわゆる任期ズレの解消について。@2023年2月のブログ

が、この案件に関連して逮捕者等は発生していません。
市に確認したところ、これは
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●逮捕者が発生するとしたら、被害者が被害届を警察に出すことが前提
→西宮市の場合、パソナ社にコールセンター業務を委託し、パソナ社が不正を働いた企業に再委託していた
 (近畿日本ツーリスト社の場合、自治体と同社が直接契約を結んで折り、西宮市とは状況が異なる)
→よって被害届を出すなら、パソナ社が出すべき
 (近畿日本ツーリスト社の場合、直接の契約関係にある自治体から被害届が提出されている)
→が、パソナ社は被害届を出していない
-----
という因果関係によるものだとのこと。
なんかイマイチしっくりしない気もしますが、そういうもんなんですかね...
まあ既にパソナ社から過大請求分は支払われているわけですし、パソナ社が不正行為を働いた企業との間でどう判断するかは同社の判断だと言われれば、そういうもんなんですかね...という風に思いもするわけですが。

それにしても改めて、業務委託とか指定管理に関連しては「投げたら終わり!」ではダメなんだと、こういう事案をみると痛感します。
つくづく管理監督責任を果たすという立場からできること、やるべきことを整理し、取り組む必要があるんだと実感しています。
例えば、会派の予算要望では例年、指定管理者制度に関連して「所管課の担当者が定期的に現場に出向いて指定管理者と意見交換を行う、月1回程度は市職員が張り付いて観察する等、モニタリング機能を強化するとともに、市職員が現場感覚を保持するための取組を推進すること」という内容を要望していますが、委託業務についても、きちんと考えていくべきなんだろうな…と。

「なんで他所では逮捕者が出ているのに、西宮では逮捕されないの??」という質問を頂く機会がチョコチョコあることから、それへの回答も含めての内容でした。
それでは簡単ながら、今日のブログはこれにて失礼いたします。


大切なのは、職員の負荷を減らした上でリンク切れを防ぐこと。ホームページ管理システムへの移行を推進するべきです!

2023-08-08 12:49:31 | 市民に信頼される公正で効率的な行政と議会

おっと、またもや橘玲氏の新刊が発売されてるようですね。
これは早々にGETせねば。
 ↓


さて本題、一般質問のご報告の続きですよ。
それでは、どうぞ!

◇◇◇◇◇◇

【質問③】
災害時の重要な情報発信ツールである「にしのみや防災ネット」へのリンク切れが発生したことは大きな問題である。
他にも同様の問題が発生している可能性があることから、リンク切れ防止に向けた取組を推進すべきと考えるが市の見解はどうか?
 ↓
【答弁③】
市では、職員のICTスキルの有無にかかわらず、複雑な操作なしでホームページを作成できるホームページ管理システムを導入し、日々更新作業を行っています。
現在のようなシステムが導入されるまでは、各課が市販の編集ソフトや業者委託によって作成したホームページが多く存在しておりましたが、アクセシビリティやユーザビリティへの対応など、運用面における課題が多かったことから、各課で作成したページをホームページ管理システムに移行することを推奨してまいりました。
ホームページ管理システム上でのリンク切れへの対応につきましては、システムに搭載された自動チェック機能によって、毎日1回、検知した情報を各課にメールで通知することで、修正等の対応が行われております。
一方、ホームページ管理システム以外の各課が作成したホームページにおけるリンク切れチェックにつきましては、各課の職員、または委託業者が、個別に、システムによるか、または目視により実施しており、今回、リンク切れが見つかった西宮市防災ポータルサイトにつきましては、担当課での確認が不十分であったことが原因となっています。
今後は、このようなリンク切れが速やかに改善され、かつ、職員の過度な負担とならないように、ホームページの適切な運用、チェック等を指導してまいりますとともに、適宜ホームページ管理システムへの移行を推進してまいります。
 ↓
【意見・要望③】
-----
●「職員のICTスキルの有無にかかわらず、複雑な操作なしでホームページを作成できる」「管理システムを導入し、日々更新作業を行って」いる。
→そちらでの「リンク切れへの対応」「は、システムに搭載された自動チェック機能によって、毎日1回、検知した情報を各課にメールで通知することで」「対応」できている。
-----
と、ここまでは、とても良いと思います。問題は、
それ「以外の各課が作成したホームページ」では個別に所管課等でチェックしており、その方法は目視による場合も多いという点です。
実際、今回取り上げた「にしのみや防災ネット」でのリンク切れは、担当課が独自に作成したHPであったため発生し、チェックもできていなかったとのことでした。
しかしながら、人力による運用には限界がありますし、職員にとっての大きな負担にもなります。
「ホームページの適切な運用、チェック等を指導」していくという答弁がありましたが、むしろ重要なのは「ホームページ管理システムへの移行を推進」することです。
こちらをこそ強力に推進して頂くよう要望します。

◇◇◇◇◇◇

バグをなくすために人力で対応するというのはナンセンス。
むしろ考えるべきは、バグが起きないようにシステム上、事前に対処しておくことだと思うんですよね。
いろんなところで、こういう考え方に立ってもらえるよう、引き続き、指摘・提言など続けてまいります。
それでは今日のブログは、これにて失礼します。


「気象庁等から大雨や土砂災害に関する情報が発信されている中で、市からの情報発信がなければ不安に思われる方もおられる...」と認めた西宮市。これで災害時の情報発信が大きく変わります!

2023-08-04 14:39:38 | 安心して暮らせる安全なまちを実現するため

地球史上、少なくとも5回の大絶滅(=半数以上の種が100万年以内に絶滅)があり、現在は6回目の大絶滅が人類の手によってなされようとしているのではないか?というのは、とても陰鬱で有名な話。
個人的には、白亜紀末の恐竜絶滅がユカタン半島への隕石墜落だけでなく、火山活動による影響を多大に受けているのでは?という辺りが新たな知見でした。
それにしても過去の大絶滅の多くに温室効果ガスの大放出(過去のものは火山活動等によるものであり、現在の人為的なものとは大きく異なりますが…)の影響があるという話は、現在の状況と照らし会わせても、なんとも陰鬱な...
とは言え、とても興味深く読ませていただきました。
やっぱり読書って素晴らしい。
 ↓


さて本題、一般質問のご報告の続きですよ。
5月にあった大雨の際、市からの情報発信がなかったことを受けて「姿勢を改めるべき!」と訴えた際の、具体的な質疑の内容です。
それでは、どうぞ。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【質問①】
災害情報の発信のあり方を見直すべきと考えるが、市の見解はどうか?
 ↓
【答弁①】
市では、大雨や台風などによる災害の恐れのある場合に、気象情報や避難情報、通行止め情報等、災害時の行動に必要な災害情報を速やかに市民に周知するため、様々なツールによる情報発信の多重化に取り組んでおります。
災害情報のうち、気象情報につきましては、気象台からの情報をにしのみや防災ネット(以下「防災ネット」という。)によるメール送信やテレビのデータ放送などによる緊急情報として発信されております。
また避難情報につきましては、市が、災害の状況に応じた避難レベルを判断し、防災ネット・SNS・ホームページの他、テレビなどの手段を通じて情報発信を行っております。

今回の事案では、気象台や近隣市などと気象情報や防災情報を共有しながら、本市の気象状況や降雨予測などを総合的に検討したうえで、市内で災害発生の可能性は、低いと判断し、市からの避難情報などの発信を行いませんでした。
しかしながら、議員ご指摘のとおり、気象庁などから大雨や土砂災害に関する情報が発信されている中で、市からの情報発信がなければ、不安に思われる方もおられると考えます。
そのため、先般6月2日の梅雨前線に伴う大雨では、避難情報だけでなく、大雨や河川の水位上昇などに対する注意を促す情報の発信を、防災ネット、ホームページ、SNSを通じて、市から発信いたしました。
市といたしましては、今後も気象情報と避難情報だけではなく、気象状況などに応じた注意喚起情報などについて、市の「水防体制」に関わらず、適宜発信してまいります。
 ↓
【意見・要望①】
災害情報の発信のあり方の見直しについて
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●「今回の事案では」「本市の気象状況や降雨予測などを総合的に検討したうえで、市内で災害発生の可能性は、低いと判断し、市からの避難情報などの発信を行」わなかった。
→「しかしながら」「気象庁などから大雨や土砂災害に関する情報が発信されている中で、市からの情報発信がなければ、不安に思われる方もおられると考え」る。
→「市と」しては「気象情報と避難情報だけではなく、気象状況などに応じた注意喚起情報などについて、市の「水防体制」に関わらず、適宜発信して」いく
-----
との答弁でした。
協議の経緯を踏まえて運用の見直しを図り、その運用を続ける意思を示したことを高く評価します。
なによりも、市民の安心・安全のため、今後も適切な情報発信に努めて頂きたい。
 ↓
<ご参照×再掲>

【質問②】
5/7の大雨では門戸西町で土砂崩れによる被害が発生した
「初動応急対応体制」に終始した市の対応は正しかったのか?
 ↓
5月7日の大雨に対しましては、7日の22時53分の大雨警報の発表に伴い、市は、初動応急対応の水防体制を発令いたしました。
これは、今後の降雨が短時間で終息すること、以降の予測雨量が少なかったことから、市内で災害発生の可能性が低いと判断し、情報収集と、小規模な災害に応急的な対応を行う初動応急対応体制で対応が可能と判断したものであります。
結果的には、市内数ヶ所で局所的な土砂崩れや道路通行止めが発生いたしましたが、人的被害は無く、初動応急対応体制にて適切に対処できたもの考えております。

しかしながら、近年、予測が難しい気象状況の急変などもあり、被害が拡大していた可能性があったと考えております。
市といたしましては、今回の事案を検証する中で、状況の急変に対して適切に対応できる柔軟な水防体制の運用に取り組んでまいります。
 ↓
【意見・要望②】
了解しました。
答弁にあった通り、「今回の事案を検証する中で、状況の急変に対して適切に対応できる柔軟な水防体制の運用に取り組んで」頂きたいと思います。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇

この件、5/7の大雨の直後から協議を進めてきました。
その経過を受けて、一般質問を行う前から早速に運用を変えてくれたこと、とても前向きに受け止めています。
こういうスピーディー菜対応は高く評価したいところですね♪

本当は、もう1項目質疑の内容があったのですが、ちょっと長くなってしまいそうなので、そちらについては、また別途。
それでは今日のブログは、これにて失礼いたします。


「気象庁が災害警戒情報を発信!⇒が、西宮市からの情報発信はなし...」って、どうゆうこと?そりゃ、不安に思う方が大勢いらっしゃるのは当然ですよね。。。

2023-08-02 14:14:29 | 安心して暮らせる安全なまちを実現するため

またもや大きな台風が発生していますね...
そういうこともあり、今日は西宮市の災害情報発信に関わる話のご報告です。
ちなみにネタ自体は、以前にも少し取り上げたことのある内容。
 ↓
【ご参照】
災害情報発信には、危険の告知以外の役割もあるはず。情報発信のあり方について考えるべきです!@2023年5月のブログ

上の内容を整理して、6月議会での一般質問で質疑しました。
きちんと具体的な進展がありましたので、ご覧下さい。
それでは、どうぞ!

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

災害発生時の情報発信と、災害状況の判断の根拠についてです。
少し前の話になりますが、5/7の夜から5/8にかけて阪神間で大雨が降りました。
この雨によって伊丹の天神川で堤防が決壊、市内でも土砂崩れによる被害が発生しました。
また結果的に被害は発生しなかったものの、津門川の水位が氾濫危険水位とされる2.4mを大幅に上回る3.36mに達するなど、大規模な災害発生が危惧される状況となりました。
実際、気象庁はこの雨について当時、
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●西宮市の一部区域で河川洪水の危険度が上昇しています
●土砂災害:警戒レベル4相当 河川洪水:警戒レベル3相当
-----
等の情報を発信していました。
ところが、この雨について西宮市からの災害情報発信はありませんでした。
資料④をご覧下さい。
 ↓

西宮市の水防対応体制は、気象警報等が発表され、災害状況が軽微と予想される場合は「初動応急対応指令」が発令され、「初動応急対応体制」が取られる。
そして、
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●災害状況の拡大が予想される場合には次の段階として水防警戒指令が発令され「災害警戒本部体制」が、
●さらにより深刻な災害状況が予想される場合に水防指令により「災害対策本部体制」が取られ、動員体制の拡大を図る
-----
という体系になっています
市は、災害警戒本部の立ち上げ後、避難情報・避難所開設情報などの情報を緊急情報としてメール、LINE、twitter、FACEBOOKで発信すると共に、市HPの防災ポータルで表示。
以降、状況の推移によって各種ツールで情報発信すると共に、西宮市HPの防災ポータルに表示します。
ところが5/7から5/8にかけての雨の際、発令されたのは「初動応急対応指令」であり、災害警戒本部は立ち上げられませんでした。
そのため担当職員は出勤しており、各種情報の収集に努めると共に、万一の事態にも備えていたが、情報発信は行わなかったとのことです。
この対応には強い違和感を覚えます。

地球温暖化の影響等もあり、災害の規模や被害は拡大傾向にあります。
こうした状況も踏まえ、災害が予想される事態になった場合、気象庁や兵庫県、近隣自治体等、多様な主体が情報発信に努めています。
今回のように、気象庁が「西宮市の一部区域で河川洪水の危険度が上昇」「土砂災害:警戒レベル4相当 河川洪水:警戒レベル3相当」等の情報を発信しているにもかかわらず、市から情報発信がなければ不安に思う方が出てくるのは当然です。

災害情報を発信する最大の目的が、危険告知にあるのは理解します。
しかしながら危険な状態ではないと判断しているなら、そのことをお伝えするという観点も必要です。
「初動応急対応指令」が発令され、担当職員が勤務していたのですから、災害情報を発信することは可能でした。現在の「水防警戒指令が発動されない限り、情報発信しない!」という運用は是正すべきです。
また、この件について調査する過程で、市が防災情報を発信する「にしのみや防災ネット」でリンク切れを発見しました。
こうした重要な情報発信ツールの中でリンク切れが起きているのは大問題です。
それでは以上の内容を踏まえて3点質問します。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

と、ここまでが前段部分。
次回以降で、具体的な質疑の内容をご報告します。
それでは今日のブログは、これにて失礼いたします。