ボダ子 赤松利一(著)2019年4月発行
初めて読む作家の小説、今らしいとも言えるし、イタい感じ。
主な登場人物は「大西浩平」と、彼の一人娘の通称が「ボダ子」、
(境界性人格障害を抱えているところから「ボダ子」と呼ばれている)
浩平の3人目の妻(ボダ子の母)。
浩平は、失業を機に、東北の震災復興土木事業のバブルのおこぼれ
に預かろうと目論み、関西から三陸沿岸地方への移住を決める。
この際、ぎくしゃくしている娘との関係もなんとかして、
破綻しかかっている家族関係も解決できるのではないか、、、と
淡くも虫のいい期待を抱き、仙台に移り住むことにするのだが、、、。
まあ、浩平自身の性格にも問題が多いし、妻の性格、思考回路は
変えられるものではないし、結果的にはうまくいかず、更に悪化。
この夫婦の一番の被害者がボダ子な訳で、こんな両親と暮らしていたら、
病まない方が奇跡だろう。なんとも辛い話だ。
まあ、個人的には「次も読みたい」というタイプの小説ではないけれど、
被災地の現場、現状、ボランティアの実態などがリアルに描かれている
ところは、さすがでした。
わがまま母